コラム

狂犬病と毎年必要なワクチン接種について

この記事は2017年5月9日の記事を再編集しました。

狂犬病ワクチンは、毎年接種が必要です。狂犬病は犬に発症するだけでなく、発症している犬に噛みつかれたりすると人間にも感染する危険がある病気です。

今回は狂犬病についての説明と、狂犬病の症状、そしてワクチン接種についてまとめました。

狂犬病と毎年必要なワクチン接種について

狂犬病とは

狂犬病とは、狂犬病ウイルスが体内へ侵入することによって発症する、人獣共通感染症です。感染経路は傷口からの感染が多く、また濃厚なウイルスな場合には気道粘膜から感染することもあります。
他人を噛む犬人獣共通感染症であることからも分かるように、狂犬病を発症している犬が、人間に噛みつくことで人間も感染する大変危険な病気です。

1957年以降、日本では狂犬病の発生報告はありません。しかし、海外では今も発生報告があり、完全に根絶している地域は限られています。

狂犬病は、ワクチン接種をすることで予防ができる病気です。しかし、今も発生報告のある地域ではワクチンの普及が十分に行われておらず、完全な根絶が難しいというのが現状です。

ワクチン接種をしていれば防ぐことができる狂犬病ですが、万一感染してしまった時の治療方法は確立されていません。致死率は100%と言われ、これは犬等の動物に限った話ではなく、人間も同様です。
狂犬病ウイルスを根絶する特効薬は現在存在していなく、免疫力を高め、自身の体力に期待するしか方法がないのです。

犬を飼う際の飼い主の義務

日本では犬を飼う際、毎年1回狂犬病の予防接種をさせることが飼い主の義務として法律で定められています。

犬を飼い始める時には、まず居住地域の自治体へ届け出の提出が必要になります。その上で、「鑑札」と呼ばれる登録済であることを証明する札を発行してもらい、犬に常に携帯させることも法的な義務です。
鑑札を犬が常に取り付けておくことは、その犬が自治体へ正式登録されていることを、誰もが一目で把握できる仕組みです。

もしも愛犬が保健所へ収容されてしまった時、鑑札の登録番号を元に飼い主情報を確認するようになります。このように、何らかによって飼い主と逸れて犬が迷子となってしまった場合でも、鑑札によって犬を飼い主の元へ届けることが可能になります。
鑑札を付けていない場合には、法的には飼い主がいない「野良犬」という扱いになります。

そして鑑札は、飼い犬としての登録届けが自治体に提出されていることだけでなく、狂犬病ワクチンの接種が済んでいる、危険性がない犬であることを証明できます。

しかし、この手順は十分に周知されていないのが現実です。ペットショップやブリーダー、自治体によって管理が別機能となっていることや、犬を飼うにあたって自治体へ届け出が必要であることを知らない方もいます。

届け出がされていない場合、動物病院を受診した際に案内されることもあります。飼い主としての法的な義務になるので、必ず登録手続きを行いましょう。
これは里親制度を利用したり、施設や団体から犬を引き取る場合、知人から犬を譲渡された場合にも同様です。新たに犬を飼う時には、必ず自治体へ届け出を済ませましょう。

自治体へ届け出を出すと、毎年定期的に狂犬病ワクチン接種の実施案内を受け取ることができます。また、万一国内で狂犬病が発生した際、自治体が該当地域の犬の飼育状況を把握するためにも重要な情報となります。

狂犬病の症状

狂犬病の犬狂犬病は、その名の通り、感染すると犬がまるで手に負えない程に凶暴化する病気です。ただ凶暴化してしまうわけではなく、精神異常も起こすため、飼い主でも触れるのが危険な程になってしまいます。

よだれを大量に流し、目の焦点が合わなくなり、挙動不審になります。また、水を極度に怖がる症状を見せるため、恐水病と言われることもあります。

狂犬病には治療薬が確立されていません。狂犬病と思わしき症状の動物には近寄らないこと、むやみに触れないこと、噛みつかれた場合には即座に病院を受診することを心得ておきましょう。

人間に感染した場合、潜伏期間が1~2ヵ月程です。発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、疲労感、食欲不振、悪心、嘔吐、喉頭痛、咳等、初期症状は風邪と似ている症状から始まります。
病状が進行すると、暴れ、興奮、不安狂躁、錯乱、幻覚、攻撃的、恐水発作、筋痙攣等、様々な症状と異常行動が見られるようになります。その後、昏睡状態に陥り、死に至ります。

症状が出ても、潜伏期間が長いことから、犬に噛まれたこととは直接的な因果関係がないと思ってしまうほど危険性があります。

海外旅行の際は注意!

海外旅行先で異常行動を見せる犬や、極度に凶暴な犬、野良犬に噛まれた場合は、放置せずにすぐ病院を受診しましょう。
狂犬病は、犬や動物にも潜伏期間があります。潜伏期間内であれば、一見ただの野良犬に見えますが、病原菌を保有している犬だった場合、感染してしまうので注意が必要です。

日本の狂犬病発生報告は既に数十年以上ないので、野良犬が狂犬病ウイルスを保有しているかもしれないという概念がない方が多いです。そのため、海外で出会って野良犬にも気軽に触れてしまうことがあります。しかし、海外は飲食店付近や屋台付近に多数の野良犬が放浪している上、狂犬病のワクチン接種をしていないことが当然なものです。決して安易に触れたり、近づくことないよう注意が必要です。

最近では海外旅行へ行くときに、日本から愛犬も同伴させる飼い主さんも増えています。しかし、海外では犬にとっても危険があるということを十分理解しておきましょう。

狂犬病のワクチン接種(予防接種)

最近では狂犬病の存在や、ワクチン接種の法的な義務について全く知らないという方も増えています。実際、国内での報告は数十年以上ないため、年々ワクチン接種率が低下しています。

ペットを飼い始めても自治体へ届け出を出していない方も多く、実際にどれだけの犬が未接種状態であるのか、正確に把握すること自体困難と言われています。

狂犬病ワクチンはいつ接種するの?

犬の予防接種犬を飼い始める時の多くは、ペットショップから購入すると思います。ペットショップでは法的に飼育説明をすることが義務付けられているので、この時に狂犬病に関する説明や資料を受けることがあるかと思います。

また、生後間もない子犬は、免疫力補充のワクチン接種が必要となります。このワクチン接種が全て終わるまでには、生後3か月~半年程の期間を要します。

狂犬病のワクチン接種は、この免疫力補充のワクチン接種が完了後、1ヵ月程期間を空けてから接種させることが理想的です。子犬の月齢によっては免疫力補充ワクチンと同時接種をすることも可能です。

狂犬病ワクチン接種の費用

狂犬病ワクチンの接種を動物病院で受ける場合、費用は自治体や獣医師会によって一律に定められています。概ね、3,000円程度が相場となります。

ワクチンの接種が完了すると、接種済証明書が発行されます。自治体への届け出はこの証明書を提示することが必要となります。

自治体によっては、毎年定期的に会場を設けて狂犬病ワクチン接種会場を開設することもあります。現地へ獣医師を派遣し、集団接種を行うようになり、その場で自治体への登録手続きを済ませることも可能なので大変便利です。
まだ届け出を済ませていない場合や日程は、直接自治体へ確認しましょう。この時の費用も犬種に関係なく、概ね一律3,000円程度となります。

おわりに

狂犬病ワクチンの接種は、年に一度、生涯を通じて毎年接種させることが法律で義務付けられています。日本では狂犬病の発生報告がないからと、義務を怠ってはいけません。

そうでなくとも、自身のペットが他人や他の動物に噛みついたり、怪我をさせるような問題が起こる可能性もあります。
この時、狂犬病ワクチンの接種が済んでいるかどうかも、飼い主の義務として責任追及されることがあります。このようなケースで裁判に発展し、飼い主の法律違反争点となったこともあります。

自分の愛犬は大丈夫と思っていても、散歩や外出時には想定外の事態が起こり得ることが考えられます。災害によって飼い主と逸れてしまい、他人に危害を加えてしまうことも100%ないとは言えません。

しつこいようですが、狂犬病ワクチンの接種は法律で定められた義務です。これは、治療法が確立されていない危険な病気を予防するためでもあります。
狂犬病を十分に理解し、毎年適切なワクチン接種を行いましょう。

ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加