コラム

『ペットは「買う」ではなく「譲渡を受ける」という選択』

ペットショップのショーケース内やケージ内に並ぶ、愛くるしいペットたち。つぶらな瞳で見つめられると、思わず迎え入れたいという気持ちが起こるものです。

しかし、ペットは必ずしも「購入するもの」ではありません。ペット先進国では、ペットショップでは生体(ペットのこと)は扱っていない国もあります。

では、ペットを買う以外の選択肢にはどのようなものがあるのでしょうか?それは保護施設等から譲渡を受けて里親になる方法です。

今回は、ペットの譲渡を受ける方法とどのような子を迎え入れると良いのかなどについてお話ししたいと思います。

ペットは「買う」ではなく「譲渡を受ける」という選択

ペットの譲渡とは?

一般のペットショップで販売されているペットのほとんどは血統書付きの純血種で、ペットの繁殖を行うブリーダーにより生を受け、市場でのセリ(複数の業者間で競い高値をつけた業者に売る方法)にかけられたのちに店頭に並びます。

ペットがセリにかけられていることを複雑に思う方も多いと思うのですが、あくまでビジネスであることを思うと仕方のないことなのかもしれません。

こうした現状や、パピーミル(劣悪な環境でペットの繁殖を行う悪質なブリーダーのこと)などの問題、また、外で繁殖してしまった犬猫や捨てられたペットなどを保護する観点から、現在、日本でも注目され始めているのが「里親になる」という方法です。

これは、ボランティアさんやNPO等の非営利団体などが保護した動物を、「譲渡」という形で迎え入れるものです。

譲渡の種類

譲渡と一口に言っても、いくつかのパターンがあります。

  • 保健所や動物管理センターなどの公の施設から譲渡を受ける
  • 民間の保護施設から譲渡を受ける
  • 保護ボランティアさんから譲渡を受ける
  • 外で保護した一般人から個人的に譲渡を受ける

保護されている施設などによって譲渡方法も異なるため、中にはトラブルになってしまうこともあります。譲渡方法を予め知ることでトラブルを避けるようにしましょう。

ペットの保護施設とは?

譲渡方法をお話しする前に、保護犬や保護猫等のいるペット保護施設とはどのような環境なのかについてお話ししたいと思います。

主な保護施設は以下の3つに分けられます。

自治体の保護施設(動物管理センターや保健所)

ここに収容されたペットなどの動物は、自治体等によって定められた期限を過ぎると殺処分されてしまいます。特に幼齡期の場合、管理することが難しいため、早い段階で殺処分されてしまうのが現状です。

それまでの期間は、複数等もしくは個別にケージや檻の中で管理されます。食事は与えられますが、お散歩(犬の場合)やグルーミング等のケアについては自治体によって大きな差があります。

非営利団体やボランティアさん

行政機関で殺処分される運命だったペットや、遺棄されたペット、外で危険な状態で居た動物などを一時的に保護して、譲渡(里親さんを探す)を行っている団体もしくは個人です。病気等で譲渡先が見つからない場合、終生飼育しています。

text_pet_satooya_bosyu2環境は、施設等によって様々ですが、中には多頭飼育崩壊などから救い出したペット等もいるため、出来る限りの愛情をかけて、メンタル面でも元気になれるようなケアをしていることが特徴です。

その他一般

たまたま傷ついた犬猫等を道で発見してしまい、保護した場合などを指します。そのため、すでにペットを飼っている家庭に保護される場合、動物の飼い方を全く知らない家庭に一時保護されている場合があるので、その環境も雲泥の差と言えます。

譲渡を受けるにはどうしたら良いの?

譲渡方法は、厳密に“これ”といったものはありません。しかし、生涯飼育する覚悟がなかったり、飼育方法や設備の不足があったりすることはないかの確認や、近年は里親詐欺(虐待目的や動物実験施設への転売目的など)が増えていることもあり、そのための対策など、簡単には引き渡せない事情があるのも事実です。

では、どのような手続きで里親になれるのでしょうか?

譲渡までの手続き例1~自治体の保護施設の場合

      1.譲渡前講習(ペットを飼うために必要な知識の講習)を受ける
      2.住所氏名等の個人情報や家族構成、飼育経験や環境などについて登録する
      3.希望のペットがいない場合には、事前に要望を言って知らせてもらう
      4.お見合い(マッチング)する
      5.免許証などでの本人確認の上、譲渡

譲渡までの手続き例2~非営利団体やボランティアさんの場合

      1.譲渡会やホームページで迎え入れたい子を見つける
      2.お見合い(マッチング)する
      3.里親になることを決めたら、個人情報を含めた誓約書を書く
      4.譲渡もしくはトライアル(1~2週間程度)※自宅渡しで譲渡側の宅内確認あり
      5.譲渡決定時には諸費用(ワクチンや経費など)負担あり
      6.たまに譲渡ペットの様子を写真や動画で知らせる

以上のように、個人的に譲り受ける以外の場合は、様々な手続きが必要になります。

注意しなければならない点は、個人情報を知らせなければならない点。自治体よりも非営利団体からの譲渡の場合、より細かな情報を聞かれることも多く、難色を示す里親候補さんもいるようです。

通常は里親詐欺などを防ぐ目的ですので、理解することも必要でしょう。ただし、個人情報の管理はどうなっているか、なぜその質問が必要なのかなど、疑問に思ったことはそのままにせず、その都度確認することもお互いを知る上では必要です。

どのようなペットと相性が良いのか知る方法

ペットを飼いたい、生涯飼育する覚悟もあると準備万端の場合でも、実際の生活パターンや環境によって、相性の合う、合わないがあることも知っておく必要があります。

例えば、毎日のお散歩時間が取れない場合には、散歩が日課になる犬の飼育には向きません。犬種等によっては、鳴き声の大きな子やすぐに鳴くことの多い子もいます。猫は縦方向の空間への移動を好みますので、棚などに飾り物が多い家庭には向かないこともあります。

匂いに関しても、健康な猫にはほとんど体臭がありませんが、犬には体臭があります。そのため、定期的なシャワーは必須になります。

こうしたことは、ペットの飼い方や特徴などを載せている冊子などで知ることができますので、確認することで、自ずと相性の善し悪しも見えてくるはずです。

また、性格に関しても、品種や個体によって甘えんぼうの子や独立心旺盛な子など様々です。ペットショップではほとんどが幼齡ですが、保護犬や保護猫は成犬や成猫になっていることも多く、性格も安定していることが多いので、譲渡を受ける前に知る限りの性格を教えてもらうと良いでしょう。

一方で、2匹以上の多頭飼いを考えている場合には、先住ペットとの相性も問題になってきます。先住ペットとの相性は、トライアルといったお試し期間で見ることもできますが、相性は1ヶ月以上見ないと分からないという説もあり、トライアル期間によっては見極めが難しいこともあります。

相性が分からない場合には、譲渡を受けたい団体さんやボランティアさんなどに、相談すると、お話しの内容からどういうペットが向いていると教えてくれることもありますので、一度相談してみると良いかもしれませんね。

迎え入れる準備とは?

pet_cat_tower迎え入れるためには、まずは家族で話し合い、散歩する時間や人、食事係など役割分担しておくことをオススメします。
また、ペットの衣食住の環境も整える必要があります。

主に揃える品は以下の通りです。

必須なもの

・ペットのケージやキャットタワーなどの設備
・トイレ
・フード&飲み水の入れ物
・フード
・爪切り(家でする場合)
・爪研ぎ(猫の場合)
・首輪&リード(犬の場合)
・お散歩時のエチケットグッズ(フンの処理/犬の場合)

あると良いもの

・おもちゃ
・おやつ
・ペット用ベッド
・迷子札付き首輪
・エアフレッシュナー(匂い対策)
・ペット用の靴(夏場/犬の場合)

空調設備(エアコン等)や、脱走防止対策(柵など)も必要です。

また、病気やケガに備えてペット保険の加入も検討したいところです。保護ペットは正確な年齢が分からないことも多いのですが、動物病院などで大体の年齢は調べることが可能です。加入には年齢制限もありますので、検診などに行った時にでも教えてもらうと良いでしょう。

おわりに

ここまでお読み頂いた方の中には、譲渡は簡単ではないと思ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、毎年何万頭ものペットが殺処分されていることを考えると、ぜひ、里親さんになること(譲渡を受けること)を視野に入れて欲しいと思うのです。

記事内でも触れましたが、譲渡の条件は、各種団体やボランティアさんによっても異なります。単独世帯では譲渡を受けられない場合もありますが、OKなこともあります。自分と相性の合う団体さんを探すことから始めてみても良いのではないでしょうか?

いつか、日本も殺処分がゼロになることをみんなで目指しましょう。

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