コラム

高齢猫(シニア猫/老猫)に快適でいてもらうために知っておくべきこと

医療の進歩やフードの改良などから、猫の平均寿命はどんどん伸びています。昔は家猫10年、外猫2年と言われた平均寿命も、最近は家猫15年、外猫も4~5年と言われるほどです。

しかし、高齢になることで、昔は気にする必要のなかった「心身の衰え」などにも配慮しなければならなくなりました。

愛猫が一生涯、快適に過ごせる環境にするには、どのようにしていけば良いのでしょうか?今回は、高齢猫の生活についてお話していきたいと思います。

高齢猫(シニア猫/老猫)に快適でいてもらうために知っておくべきこと

高齢猫とは何歳からの猫のことを指すの?

猫は人の4倍の早さで時を刻んでいると言われている通り、人間よりも早く成長していき、老化も早く訪れます。

そのことから、約7歳を過ぎた当たりからは、高齢猫と考えるのが一般的となっています。

ちなみに、7歳の猫は人間に換算すると約44歳。人間で44歳といえば働き盛りなので、少しギャップを感じるかもしれませんね。

日本における猫の平均寿命は、日本ペットフード協会の2016年に発表したデータによると、15.04歳ですが、昨今は20歳を超える猫も増えてきました。そこで、高齢期の猫20歳までの換算もしましたので、参考になさってください。

  

高齢猫期の年齢と人間の年齢換算一覧
人間 区分け
7歳 44歳 以降、壮年期
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳 以降、中年期
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳
15歳 76歳 以降、老年期
16歳 80歳
17歳 84歳
18歳 88歳
19歳 92歳
20歳 96歳

※国際猫医学会(ISFM)とアメリカ猫医学会(AAFP)が2010年に発表したデータを元にしています

高齢猫の日常とは?

高齢猫になると、若い頃とは日常にも少し変化が見られるようになります。その変化とは、どのようなものなのでしょうか?紐解いていきましょう。

グルーミングをしない

高齢猫になってくると見た目でも分かるのが、毛艶がなくなり毛が束になったり、毛玉になったりしやすくなることです。これは、栄養が毛に行き渡らなくなることもありますが、グルーミング(毛づくろい)をだんだんとしなくなることもひとつの要因です。

高いところが苦手になる

行動範囲が狭まり、高いところに行ったり、また高い所から飛び降りたりといったことが苦手になります。猫も高齢になってくると、クッションの役目をしている軟骨等が磨り減り、関節も弱くなってくるのです。

ほとんど寝ている

睡眠時間も長くなり、10歳を超えると一日の大半を寝て過ごすようになります。長い時間寝ていても、すぐに病気ということはないのですが、具合が悪くてじっとしている場合もありますから、普段から変化に気付けるようにすることが大切です。

食に関しても変化が見られる

食べ物に関しても、食が細くなり、食べても栄養をきちんと吸収できない、また逆に、食欲はあるが、運動量が減っているためにエネルギーの消費が出来ず、肥満が心配になるなど、人間と同じ現象が猫にも見られるようになります。

おもちゃに関心を示さない

若い頃は散々おもちゃで遊んだ猫でも、たとえ新しいおもちゃを与えたとしても、関心を示してくれなくなっていきます。

高齢猫が快適でいるために出来ること

段差を埋める

高齢猫は、節々が弱くなりますので、今まで行けたところにも行けなくなったり無理に行ったりすることで、さらに関節等を痛める可能性があります。そこで、段差のある家具を階段の代わりに置くなどして、なるべく楽に移動できるようにし、行動範囲を狭めないようにしてあげることがストレス軽減にもなります。

また、歩くこと自体が不自由になってきた場合には、なるべく段差を減らして移動しやすい環境を作ってあげましょう。

トイレ容器を変える

いよいよ高齢になってくると、トイレの開口部を跨(また)ぐことも難しくなってきます。そのため、トイレの中に入ることが出来ずに外で粗相してしまう猫もいます。
もし、トイレに入り辛そうにしていたら、トイレの開口部の段差があまりないものにするなど、トイレ容器を変え、なるべく自分で排泄できるようにしてあげましょう。

グルーミングのお手伝い

若い猫にとっても、人がグルーミングコームなどで毛繕いのお手伝いをしてあげることは、毛玉を飲み込んでしまうことの防止になるので大切です。しかし、高齢猫になった時には、毛繕いだけでなく毛の清潔を保つことも重要になってきます。

被毛の清潔というと、シャンプーを連想してしまいますが、シャンプーは体力の落ちている高齢猫にとっては大きなストレスにもなりますので、よほどの汚れがない限りは避けたほうが無難です。

そこで、日頃の汚れに関しては、ウエットテッシュタイプのペット用体拭きや温タオルで拭くことをおすすめします。

爪切り

高齢猫になると、今までしていた爪とぎをしなくなる子がいます。爪が伸びすぎると丸まって肉球に食い込んでしまうこともありますので、爪切りも重要なケアのひとつです。

爪切りをする時には、根元を軽く押さえることで爪が出てきますので、血管を切ってしまうことのないように注意しながら、血管のある部分よりも少し余裕を持ってカットすると失敗しません。

暴れるようならエリザベスカラーをしたり、洗濯ネットに入れて、指だけ出してカットしたりする方法もありますが、あまりに抵抗するようなら獣医師さんやトリミングショップなどでカットしてもらうと良いでしょう。

室温と日光浴

高齢猫になるほど寒暖の差に敏感になります。動くことのできる猫なら、快適な場所に自ら移動してくれますが、それが難しい場合には室温の調節が大切になります。気温は18℃~27℃の中で、湿度30%~70%の間に調節してあげると快適に過ごせるでしょう。個体差もありますので、快適な温度を探してあげてくださいね。

老猫

また、日光浴も猫にとっては大切な日課です。陽のあたる場所の確保をすることで、毎日日光浴のできる環境を作ってあげましょう。ただし、動けない猫を陽のあたる場所に放置することは危険です。また、猫によっては日光浴がよくない場合もありますので、一度かかりつけ医に相談してみることをおすすめします。

食べ物で気をつけることとは?

高齢猫にはシニアフードを与えよう

高齢猫は、若い成猫よりも運動量が少なくなり、身体の代謝も減ってきます。当然、一日に必要とするエネルギー量も少なくなるのですが、食事の量は成猫と同程度食べる高齢猫も多くいます。

すると心配されるのが肥満です。猫にも糖尿病など生活習慣病と呼べる病気が増えています。そこで、高齢猫には、カロリーなどを低く抑えたシニア用のフードを与えることが肥満防止になります。

また、シニア用のフードには、単にカロリー調節をするだけでなく、高齢になると弱ってくる腎臓に配慮してタンパク質を調整したり、体で作ることの出来ないビタミン群やタウリンなどが増強されたりといった配慮もされているのがメリットです。

フードを食べてくれない時にできること

高齢になると、餌を食べるのが億劫になったり、硬い餌が食べられなくなったり、また、嗜好が変わったりということがあります。どのような状態なのかを把握することで、できることが変わってきます。

飽きた、嗜好が変わった

今まで食べていたフードを食べなくなった時には、単に飽きただけ、もしくは嗜好が変わったことが考えられます。その場合は、シニア用のフードの中から、好みのフードを探してあげると良いでしょう。

嗜好が変わった場合には、以前トライして食べてくれなかったフードでも食べてくれることがあります。新規フードに好感触が掴めなかった場合にはトライしてみると良いでしょう。

硬いものが食べられなくなった

咀嚼する力がなくなり、食べるのが億劫になった場合、高齢猫のかかりやすい歯周病などにより、硬いものを食べると痛い場合などがあります。

その場合には、フードを細かく砕いたりお湯でふやかしたりして、食べやすくしてあげる必要があります。また、一度に食べる量を減らし、数回に分けて与えるのも有効です。

また、多頭飼いの場合は、他の猫がちょっかいを出して食べられない場合もありますので、他の猫が寄って来ない場所でゆっくり食事をさせてあげると良いでしょう。

高齢になるほど病気も心配!その時ペット保険はどうなる?

高齢になってくると、今まで出来たことが出来なくなったり、嗜好が変わったりということは、人も猫も一緒ですね。自分が高齢になったら…ということを考えれば、高齢猫にも自然と快適でいてもらうための環境を作ってあげられるのだと思います。

そうして、快適な環境を作ってあげていても、高齢猫ならではの病気になってしまう可能性は否めません。

高齢猫は、若い猫以上に病気にも気を遣うものです。手術ひとつとっても、体力があるか、麻酔に耐えられるかなどの心配事が増え、事前の検査なども多くなる傾向にあります。それだけ費用もかさみがちになるのですが、その時、費用の心配をせずにできる限りのことをしてあげたいと思いますよね。

しかし、現実では高額の費用に躊躇してしまうこともあると聞きます。

そのことを考えるとペット保険が有効なのですが、高齢になってからペット保険に加入したいと思っても、年齢制限で加入出来ないことも多いのが事実です。

また、加入可能な年齢でも、加入時に健康であることが条件であることも多く、既往症などがあると加入できなかったり、補償に制限がかけられたりする場合もあります。

ペット保険といっても、高額な手術等だけを補償するリーズナブルなものなど、種類もたくさんありますので、失敗したと悔やむ前に、愛猫の将来のためにも一度検討してみてはいかがでしょうか?

ペット保険を探そう!
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