コラム

第99話 ゆきちゃん・はっちゃん親子の物語 その4 親子セットの幸せへ

2011年の2月に里親として龍馬と凜子を迎えたところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、猫ボランティアを予定外に始めることになる。
最初のきっかけは、2013年11月に近所の餌場で偶然猫の大群を見かけ(第26話)、人馴れした子猫の保護譲渡や、保護できない猫の不妊去勢手術をしたことだった(第28話から第35話)。それから4年以上、やめるにやめられずに猫ボラ活動は続いている。(第36話から第98話

2015年末に新たな餌やりのミカンさん(第96話)に親子連れの猫の避妊手術を依頼され、手術後一旦外に戻したもののやはり見捨てられず、慌ててSNSで預かりボランティアさんを探し里親探しをすることになったゆきちゃんはっちゃん親子(第96話から)。

奇跡的に手を挙げてくれた預かりのヤッシーママさん(第97話)の協力も得られ、また幸運にも、当時私が里親会開催のお手伝いボランティアをしていたので、その会に参加させてもらえることになり、この親子は相当運が強い。

2016年2月里親会2回目。
2匹一緒という条件はハードルが高いから外した方が良いという先輩の助言があったものの(第98話)、私も預かりのヤッシーママさんもかなりの過保護。どうしても仲良し2匹を引き離さないという里親さんを見つけたかった。
可愛い猫が沢山参加している中、大きく、決して美猫ではない、ゆきちゃんとはっちゃん。
正直自信はなかったが、条件を緩めたくもなかった。万が一不安を感じる条件の人だったら、どうやってやんわり断ったら良いのかもわからなかったので、先輩にあらかじめ、申し込みがきたら一緒に話を聞いてくださいね、とお願いしてあった。

そして、そこへある初老の女性が話しかけてきた。
ど、ど、どうしよう。ドキドキしながら周りの先輩を真似して、とりあえず、この方の飼育環境について質問する。どうやら飼っていた猫が1匹亡くなってしまい、1匹高齢の先住はいるものの、寂しくてどうしても複数の猫と暮らしたい、いつも多くの猫に囲まれて暮らしていたので、今寂しくて耐えられないと言われた。この方の話し方に若干悲壮感が漂っていたことと、うちの2匹をあまりじっくり見ないうちに、この子達が良いと決められてしまったことが引っかかった。あとでわかったことだが、恐らく年齢などの条件で、他の譲渡主から断られ続けていたのであろう。今の私ならお断りするか、話しかけられないよううまく逃げる。でもその時の私にはわかっておらず、気の毒になってしまい、じっくりお話を聞いてしまった。

おしゃれでセレブ感ある町で開催されていた譲渡会の会場のすぐ近くに住んでいるという。ふーん、お金持ちかなぁと勝手に人の懐事情を推測してしまう。そういう自分も嫌だが、仕方ない、生き物を飼うにはお金がかかるのだから、経済的な事情もある程度はこちらも把握しないと。失礼のないかたちで。とても上品な雰囲気のある人だったが、お一人暮らしだったことと年齢がひっかかる。今ならずばりと聞くが、当時はまだ立ち入ったことを聞くことに気後れしていた。おずおずと年齢を聞くと72歳と。でも息子が近くにいるからと。年齢制限については、今の私ははっきりと決めている。自分の年齢を棚に上げて大変申し訳ないのではあるが、色々経験を積んだ今の私は、高齢者どころか55歳までとさせてもらっている。そして、子供が近くに住んでいるということあっても同居しているか、同居していると同等で、普段から猫に接していないと不可にしている。しかし当時は、子供が近所にいるという高齢者に不安ではあったが、それ以外にこの親子2匹を一緒にもらってくれる人がいるのかどうかの自信もなく、すぐに断ったら勿体ないかもしれないと思った。そして、予めヘルプを頼んであった先輩保護主に、すいません、申し込まれちゃったんですが、どうしたらいいですか、一緒に話聞いてもらえませんか、と助けを求めた。

その先輩は、息子が近くに住んでいるだけではだめ、その息子がここ来て猫を引き継ぐと言わないとダメ!とはっきり言われた。全くその通りだと思ったものの、悲壮な顔をしてうちの2匹に申し込んできたその人が不憫になってしまい断れる自信がなくなり、先輩にお願いして、直接対応してもらった。その先輩はベテラン。かなりはっきりと息子さんを連れてきてくださいと言い、また、現在いる先住の飼育環境についても聞いていた。ベランダには自由に出入りしているものの、脱走はしていないとの答え。それに対して先輩は、うちの会の猫はベランダも含めて完全室内飼いが条件。先住ちゃんが自由に出入りしているのを見たら出たくなってしまうかもしれませんので、この猫達はお譲りできませんとかなりはっきりと断られた。私は感心したが、その女性のことが気の毒になった。しかし、断るならはっきりと断らなければならない。希望を持たせ息子さんを連れてきたものの、あとになってやはり譲渡できないとわかると揉めるかもしれない。必要なことはその場でしっかりと聞き、断る時ははっきりとだなと感じた。が、自分がそこまでできるかなと自信を持てなかった。だったら、やっぱり最初から付けた条件を曲げず、迷うような人とからは申し出を受けないようにした方がよいな、とその時は思った。
その女性ががっかりして会場を後にする姿を見送ったと同時に、そのやり取りの一部始終を見ていた40代初頭の女性が、この2匹が気になると話しかけてきた。

ちょっと聞いただけで、預りさんの家のすぐそば。ご縁を感じる。そしてうちからも近い。子供のいない夫婦で、引っ越しの予定もなく、これから子供を持つ予定もなく、初めて猫を飼うし、フルタイムで働いているので、子猫より大人猫、しかも親子2匹で迎えたいと。手元で預かりのさんにこっそりとメールで実況中継、申し込み者のプロフィールを伝えたら、来た返事が「いいね!」と。今度はこっちが断られないように思い、別の意味のドキドキだ。

結構あっさりと申し込みますと言われ、ウソのような幸運にオロオロしながら、その譲渡会のルールに従い、アンケートと申し込み書を書いてもらいながら、じっくりと話をする。
主催者も、あら決まったの?と喜んでくれ、初めて猫を飼うのに子猫がいいなどと言わず、お留守番の長さを考え親子2匹に決めてくれたことについてとても高く評価してくれた。

ちなみに、この2匹の何がよかったのでしょうか、と希望者さんに聞いてみると、
この2匹のセット感が良かった!と。そんなこともあるものだ。

それからもう2年以上。名はゆきちゃん、はっちゃんからつぶちゃん、こつぶちゃんになり幸せに暮らしている。

こうして私は譲渡会経由で全くの赤の他人に譲渡することに初めて成功したことで、それ以降人馴れした猫に出会ったら迷わず保護、そして譲渡することになり、これまですべての猫を幸せに譲渡できている。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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