コラム

第98話 ゆきちゃん・はっちゃん親子の物語 その3 里親会へ参加決定

2011年の2月に里親として龍馬と凜子を迎えたところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、猫ボランティアを予定外に始めることになる。
最初のきっかけは、2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第26話)、人馴れした子猫の保護譲渡や、保護できない猫の不妊去勢手術をしたことだった(第28話から第35話)。それから4年以上、やめるにやめられずに続けた猫ボラ活動。色んな事件に遭遇した。(第36話から第97話

時は2015年末。新たな餌やりのミカンさん(第96話)に親子連れの猫の避妊手術を依頼され、手術後一旦外に戻したものの、人馴れした親子が外で生きてきていくのは不憫で見捨てられず、慌ててSNSで預かりボランティアさんと探したところ、奇跡的に手を挙げてくれた人に出会い、緊急保護、その2匹をヤッシーママさん宅へ搬送した。(第97話

その時の私はまだよくわかっていなかったが、ヤッシーママさんに出会い2匹を預かってもらえることになったことは奇跡に近い幸運だったようだ。保護活動をする人にとって最大の問題が保護場所。保護してやりたい心はあるのに、自宅はもう既に一杯、猫を預かってくれる場所さえあればもっと沢山救ってやれるのに、とジレンマを感じているのは非常に多い。生涯責任を持つ里親にはなれなくても、里親が見つかるまでの一時預かりだけでもしてくれる人がいれば、もっと沢山の猫が救えるのだ。
このコラムの読者の方にもお願いしたい。里親になれなくても、保護活動できなくても、一時預かりをボランティアを検討してみてください。

話を元に戻そう。
保護した親子猫をゆきちゃん、はっちゃんと名付け、ヤッシーママさんに預けたまま、里親探しを開始することになった。ヤッシーママさんも沢山抱えているので、なるべく早く里親さんを探してくださいと言われていた。預りが長くなると離れるのが辛くなるからとのことだった。そうだなぁ、とてもわかる。私も一番最初に保護した3匹のうち、2匹の幸太と大輔を知り合いに託せた(第29話)が、やはり別れがとても辛かった。そして残りの1匹のくるみ(第30話第31話)は手放すことができなくなり、里親探しを止めて自分の子にしてしまったのだから。

しかし、当時の私は今と違って里親会での成功体験がなかった。つまり、譲渡するつもりで保護し、里親会に連れて行ったものの、良い出会いに恵まれず、そのうち知らない人に託すことがどうしてもできなくなり、うちの子にしてしまったミクや真央の例(第43話から第51話)や、知り合いに頼み込んでもらってもらったハナコの例(第51話から第56話)にもあるように、まだ一度も正規の里親探しルートで里親さんを探せたことがなかったのだ。
つまり、初めて会う人を審査して、生涯猫を託せるかどうかの判断をできたことがなかったのだ。
考えてみたら、すごく責任の重い判断だ。考えただけで心臓がバクバクだ。
しかし、ハナコの時と比べ、当時は第94話に書いたように、しばらく保護やTNR(野良猫の不妊去勢手術をして元の場所に戻すこと)をしていなかった代わりに、他の譲渡会の開催のお手伝いのボランティアを時々していたので、その主催者とコネができたこと、そしてその時にベテラン譲渡主さんがどんな風に里親さんと話をして判断しているのかも少しだけ覗かせてもらって何となくの感触をつかみ始めていた。超緊張するが、昔みたいに希望者に話かけられただけで、逃げたくなることはないかなと思えていた。そして、それもゆきちゃんとはっちゃんにとっては運命なのか、とてもタイミングよく、たまたま2匹を保護した翌日に、また譲渡会のお手伝いに行く予定になっていたのだ。そこで主催者さんに、2匹を緊急保護したことと、翌月の譲渡会に参加させてもらえないかということを相談してみた。主催者さんは快く参加を了解してくれた。

ヤッシーママさんも里親募集にとても協力的で、SNSやネットの里親募集サイトに掲載するため、沢山の写真を送ってくれた。とても性格の良い親子だが、見た目はお世辞にも美猫とは言えない。性格の良さはネットではなかなか伝わらない。やはり里親会で実際に会って抱っこしてもらうのが一番伝わりやすい。どうしても里親会参加は必須だ。
里親会参加に向けてヤッシーママさんは手つくりで赤いリボンを作ってくれたり、里親さんへの譲渡条件を一緒に考えてくれたり、譲渡会猫を搬送してくれた。
またSNSで知り合った猫友さんが、募集記事を可愛くデコレーションしてくれたりもした。SNSは怖いと思っていたが、猫関連のお友達は皆良い人ばかりだった。その時はよくわかっていなかったが、この親子はかなり幸運なルートでそこまで来ていたのだ。

そして、2016年1月半ば、いよいよ里親会。
ドキドキだ。他にも参加猫が一杯。40匹以上はいた模様。3、4か月の子猫、大きくても美猫も沢山いた。ママのゆきちゃんは2歳程度、子供のはっちゃんも既に8か月は超えている。性格は良くても、人目を引くほどの美猫ではない。競争に勝つのは厳しいかなと正直思った。

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2匹は初めての里親会、緊張して固まって愛想なし。心配してメールしてきてくれるヤッシーママさんに実況中継しながら、希望者に話しかけられるのを待った。なかなか興味を持ってもらえない。こちらが設定した条件の中に入れた、親子とても仲が良いので2匹一緒に、という条件がハードルが高い、外した方が良いと主催者に助言をもらったが私にはできなかった。かつての未来と真央の譲渡の時も、2匹を放すことができなかった。真央とミクは子猫姉妹であったが、このゆきちゃんはっちゃんは親子、しかも子供もそこそこ大きい。それなのに、私も預かりのヤッシーママさんも2匹一緒にしてやりたいという気持ちを捨てられなかった。ベテラン保護主さんから見れば、相当過保護だと思われただろう。確かにそうだと思う。しかし、私はできないのだ。贅沢かもしれないが、仲良しを引き離すような里親さんには託せない。

その日の譲渡会ではご縁無く帰宅した。一回ですんなり決まることは期待していないので、また次回の参加をお願いした。
その後も 私は2匹一緒の条件を外すことができなかった。そして、実はその親子一緒こそが、次回の譲渡会で御縁を作ったのだった。ご縁とはどこで生まれるかわからないものである。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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