コラム

第92話 地域猫活動への苦情者との闘い その2

2011年の2月に里親として龍馬と凜子を迎えたところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、猫ボランティアを予定外に始めることになる。最初のきっかけは、2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第26話)、人馴れした子猫の保護譲渡や、保護できない猫の不妊去勢手術をしたことだった(第28話から第35話)。それから4年以上、やめるにやめられずに続けた猫ボラ活動。色んな事件に遭遇した。(第36話から第91話

第83話から野良猫餌やり苦情者への対応の話をしてきて、第90話で一旦終了したはずだったが、単なる餌やりではなく、不妊去勢手術と餌やりの監督を含む地域猫活動を政府の方針に従ってやっている私にむかって、110番してやると怒鳴り込んできた豪邸に住むおばさんの話をネタに、苦情者についてのトピックをもう少し続けることにしたのが前号(第91話)。こちらから先回りして警察に事情を話し、お巡りさんの理解を得たというところまで前号で話したが、その後も私の怒りは収まらない。まだ話は続く。

そもそも地域猫活動についての住民への啓蒙が足りないこともこんな事件の一因だと思う。それはすなわち行政の怠慢だと私は思う。行政への不満を語り始めたら、紙面がいくらあっても足りないので、それはまた別の機会にするとして、行政に代わって何とかこのおばさんを教育しなければならない。

あのおばさんは、自分が言った通り、今後餌やりを見かけるたびに本当に110番を呼ぶだろう。そんなことされたら、餌やりに通っているお婆さんたちが可哀想だ。餌やり止めるなどと言われたら猫が不憫だ。それに、この苦情者が猫を追い払うために、水をかけたり、ほうきで追い払ったりするのではないかと心配でたまらない。また時間をおいて啓蒙しに行こうかと思ったが、恐らく私のような単なる猫好きの個人ボラが何を言っても聞く耳持たないだろう。
警察も110番されたら出動するが、餌やりは犯罪ではないので、呼ばれてきたとて単なる喧嘩の仲裁をするだけだ。そうなると警察の立場は中立。啓蒙にはならない。

役所にも警察にも頼れない、私個人では何の力もない。以前も餌やり苦情者に対して、地域猫活動の啓蒙をしようとして、「あなた何者?」と言われたことがあった。
猫嫌いにとっては、猫も猫の餌やりも、猫ボランティアもすべて嫌いな存在なのだ。
猫の不妊去勢手術をして、町の野良猫を増やさないことに貢献しても、それが何よ、となる。
単なる個人ボラなど、その辺のおばさんと同じなのだから、聞く耳持たない。
何とか私に何らかの力を与えてくれる存在はないかなと思いあぐね、そうだ!!と思いついた。

そうだ、私は 野良猫問題を推進すべく自治会に訴えたのだった。野良猫問題は、住民一人一人が地域の環境問題として、つまり住民が自分の問題として取り組むべきであると。具体的には地域で野良猫を管理し(適切な餌やり、不妊去勢手術、糞尿掃除)を自治会に訴えかけて回覧板を回してもらったことがあったのだ。(第88話第89話)。
自治会の役員さんは、特に野良猫問題があることを認識しているようではなかったが、私の話を好意的に聞いてくれ、回覧板で地域猫について紹介させてくれた。
それを思いだした。そうだうちの自治会は、自治会名で地域猫活動を推進してくれている。その回覧板には、野良猫問題は餌やり禁止は逆効果と書いてある。

私が苦情者に出会うのは、たいてい餌やりさんについて餌場を見回りにいっているときだ。いきなり「餌やるなぁ!!」と怒鳴られるのである。餌やりをしているのではなく、地域猫として管理しているのだ。自治会のチラシに書いてある通り、そして行政のパンフレットに書いてある通りだ。実際には、自治会の役員が外を見回って野良猫の管理をするわけではない。結局は今までの餌やりさんと我々ボランティアがやっている。我々は自治会が推進する活動をしているのだ。そうだ、『地域猫活動中 ○○自治会』という腕章を付けて餌場を回ったらどうだろう。さすがに、苦情者も自治会の活動とあれば、少しは聞く耳を持ってくれるのではないかと思い立った。

丁度自治会で月一回の定例会議が開かれる日が近づいていた。その腕章について自治会の了解をもらわねばならない。突然ではあったが、お願いあり、と特別に会議に参加させてもらい、私のようなボランティア及び、私の指導のもと、きちんとした餌やりをしている餌やりさんには腕章つけさせてもらうことにした。役員さんからは反対はなかった。
そしてその機会に、回覧板第2号も作成して提案した。丁度猫の発情期である。今不妊去勢手術を徹底しないと4月にはどんどん生まれてしまう。
手術を進めていくためにも、餌場は必要なのだ。餌やりさんが毎日餌をやってくれるからこそ、猫は信用して集まってくる。そうでないと捕獲はできない。それなのに、何も知らず自分のことだけを考えて餌やり攻撃をしてくる前述のおばさんは邪魔でしかない。
回覧板第2号には、地域猫活動についてのみならず、発情期における不妊去勢手術の必要性について、餌やり攻撃は逆効果であることを強調して書いた。

餌場の餌やりさんに聞いたところ、警察は来ていないが、区役所の公園課の人が見周りに来たとのことだった。あのおばさんの仕業だと思った。警察や保健所に言っても味方してもらえなかったのだろう。公園課は猫に業務に関係ない住民の苦情として話は聞いてくれたのだろうが、こちらでも公園課とも話は済んでいる。公園課から言われて見回りに来た下請け会社のお兄さんとも餌やりさんは顔見知りになって、餌やりのあときちんと掃除もしていることも認識してくれている。
公園内での餌やり禁止の看板を巡って、かつてボランティアの先輩と行政とで話し合いをし、餌やり禁止の看板は立てないという合意ができていると私は先輩から聞いていた。だからうちの地域では餌やり禁止の看板は立ててはならないのだ。
すごい、先輩!よくやってくださり有難い。

とある地域はもっと進んでいて、「公園で餌をやるなら、きちんと片づけて、不妊去勢手術をしましょう」という看板になっていると先輩から聞いた。うちの地域でもそうあるべきだと思う。一応公園課に提案してみたが、いやだと言われた。とりあえず餌やり禁止の看板を立てないことは再確認できたので、それ以上の話はやめた。

外堀は固まってきつつある。地球は人間だけのものではない。様々な生物と共存していかなければならないのだ。野良猫は好きで野良になったわけではない。愚かな人間が招いた結果だ。それを受け入れ共存していくしかない。
あとは人間の心の問題だが、それが一番厄介だ。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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