コラム

第90話 地域猫活動、自治会への訴え その3

2011年の2月に里親として龍馬と凜子を迎えたところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、猫ボランティアを予定外に始めることになる。最初のきっかけは、2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第26話)、人馴れした子猫の保護譲渡や、保護できない猫の不妊去勢手術をしたことだった(第28話から第35話)。それから4年以上、やめるにやめられずに続けた猫ボラ活動。 色んな事件に遭遇した。(第36話から第89話)。 

沢山の猫の不妊去勢手術や保護譲渡をしてきたが、外にいる野良猫は星の数ほどいる。到底自分一人で対応できることではない。猫好きの猫ボランティアだけが野良猫対策をするのではなく、地域の問題として地域住民にみなで取り組んでもらわねば、どこまでいっても終われない。行政が推進する地域猫活動に自治会を巻き込もうと思いつき、まずは、自治会へ訴え、回覧板で地域猫活動についての周知を図ってもらおうと提案した。(第88話第89話

自治会へ訴えかけることについて、地域猫活動に詳しいとあるベテラン猫ボラさんからは、思い切って私の電話番号を回覧板で公開し、猫問題で困っている人からの相談を受け付けることにより、どこに問題があるのかを洗い出し、それに対応したらどうかと助言を受けた。その人の考えでは、餌やりさんからの情報や、餌やりさんを知っている人からの情報を集めなければならないが、餌やりさんは普通、苦情を言われることが多いので、隠れていることが多い。本当は増えてしまった猫をどうしたらよいかとか、周囲から攻撃されて困っているなど、相談したくても相談できずにいる。自治会や区役所には相談しないが、私のような個人ボランティアには相談してくるはずだというのだ。
私にはまだそんな恐ろしいことはできなかった。
  
個人の連絡先を公開しようものなら、あそこに野良猫がいる、ここで子猫が生まれている、などと見知らぬ人から連絡がくるかもしれない。私は知らん顔はできないのだ。一人で助けられないほどの野良猫情報が押し寄せたら、私が心が破れてしまう。きちんと自分も対応するから助けてくれと言う人なら良いが、名前も言わず、非通知で電話してきて単にボランティアに押し付ける身勝手な人も多い。逆に猫嫌いからは、野良猫擁護の活動など認めない、猫なんか殺処分してしまえばいいんだ的な苦情も来てしまう。そんな喧嘩売られたら私は買わない自信はない。そんな不毛なことにエネルギーを割きたくない。
いかん、いかん。そんな連絡が来るかもしてないのに、個人の連絡先は公開できない。まずは、回覧板で住民の意識を上げ、自分たちで地域猫活動を進めてもらい、野良猫の数を減らし、そして同時に、その回覧板でボランティアへの協力者を募集し、こちらの態勢を整えてからでないと、相談は受け付けたくないと思った。
  
回覧板に乗せる連絡先は自治会にしてもらった。
自治会に参加していた役員の反応は好意的で、野良猫を減らすことにつながる地域猫活動について概念としては賛成してくれた。しかし、自治会が立ち上がって私の手伝いをしようと言う動きになったわけではなかったが、先輩からは、とにかく焦ってはならない、自治会にはまず活動を知ってもらい、住民への周知を図るところからゆっくり始めよと助言されていた。負担を増やして反対者が出て活動をつぶされてはならないからだ。
しかし、ラッキーなことに、役員の一人の方から、猫を捕獲して病院へ運ぶ時に車を出してくれるとの申し出をもらった。こんなにすぐにプラスの効果が出るとは思ってもいなかったので勇気づけられた。

そして会議終了後にあるおばあさんが寄ってきて小さな声で私に言った。「実はね、会議の中では言えなかったけど、うちの姉がね、家の庭で野良猫に餌やっててね、相当な数になってるの。いわゆる猫屋敷よ。何匹いるのかわからない。姉も認知症気味で自分でも猫の数はわかってないと思う。あまりに汚くて臭くて、私も近づきたくないのよ。」と。
えーー これっていわゆる多頭崩壊ではないか。最近よくテレビの特集でやっているが、不妊去勢手術をせずに猫を異常に増やしてしまい、適正飼育ができなくなっているという状態だ。一軒家に50匹、60匹、酷いケースは100匹を超えることもあるようだ。
そうなってしまうと個人ボランティアには手に負えない。大きな愛護団体が救済に入るシーンをテレビでやっているが、団体とて100匹も保護できるスペースがあるわけではない。とてつもなく大変なことになっているだろう。

おばあさんの相談に話を戻そう。自分の姉が近所迷惑なことをしているのだから、近づきたくないでは済まないだろう。私一人では到底対応できる現場でないのは明らか。とにかく、お姉さん説得して手術だけはしなきゃ、と言ってみた。
そのおばあさんさんの返事は、「そうねぇ、でもその手術代誰が出すの?」
はい??自治会の会議の席で散々説明したじゃない?餌をやるなら手術もしなければならないと。野良猫は手術しないと、あっという間に増えて大変なことになること、うなずき賛同していたんじゃなかったの?賛成はするけど自分は何もしないという典型的な自己中住民か。いや、こうやって私にこっそり話に来るということは、何らかの罪悪感と責任を感じていないわけではないのだろう。何とかここから行動を起こすよう導かねばと思った。
「それはお姉さんと貴方で何とかしないと。」と言うと、「ええ?いくらかかるかわかんないじゃない。」と渋る。本当にもう、身勝手な。区からの助成金と、ボランティア価格で手術してくれる協力病院があることを説明し、今しないと来年はもっと増えて、もっとお金がかかる、と説明すると、そうねぇ、とわかってはいる。
私がボランティアだから話せばお金まで何とかしてくれると思ったのだろうか。私は支援金を集めている団体ではない。全く個人で活動しているのに、大金を出せるわけはない。捕獲は手伝うが、まずお姉さんが手術をすることに賛同してくれないと捕まえられないと説明。とにかくお姉さんを説得して、と言っておいた。そのおばあさんはそうねぇと言い、帰って行ったが、二度と連絡してくることはなかった。

そんな場所が町内にあるなどと知ってしまったら気になって仕方がないが、詳しい住所は教えてくれなかった。こんな大きな現場は町ぐるみで取り組まねば私一人では対応不可能だ。まずは周知を図り、協力者を募らねば動けない。
その回覧板を出した直後に、一人だけ車の搬送協力を申し出てくれた人がいた。
たった一人でも一回の回覧板で反応してくれたことは大きな勇気だ。
継続して自治会に訴え、この町から不幸な野良猫ゼロにする目標に一歩でも近づいていきたい。 

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
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