コラム

第87話 餌やりへの苦情対応 その2 解決策は地域猫活動

2011年の2月に里親として龍馬と凜子を迎えたところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、猫ボランティアを予定外に始めることになる。最初のきっかけは、2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第26話)、人馴れした子猫の保護譲渡や、保護できない猫の不妊去勢手術をしたことだった(第28話から第35話)。その後も餌やりさんからの相談を受け、捕獲、手術を手伝っているうちに色んな事件に遭遇するのだった(第36話から第86話)。 

第83話から野良猫の餌やりへの苦情問題を取り上げている。餌やりを巡って猫嫌いの住民と餌やりさんとの間のトラブルは日本全国後を絶たないし、実際私も餌場にいて攻撃された経験を持つが、ボランティアとして時間とお金をかけて、身勝手な人間が捨てた猫を救済していて、怒鳴り込まれるのは本当に気分が悪い。
好きで野良になったわけではない、捨てられた可哀想な命にご飯を与えてやる行為を、あたかも犯罪であるかのように非難攻撃する人達がとても多い。日本は動物後進国、情けないと思う。

もちろんマナーの悪い餌やりもいる。片づけない、手術しない、糞尿掃除しないという餌やりを見つけたら、私達ボランティアも厳しく注意する。そうしないと餌やり禁止されたり、猫が攻撃されてしまうからだ。

餌やりを禁止すると、猫が不憫なだけでなく、第87話で説明したように、猫は餌を求めて散らばり、どこへいったかわからなくなるので不妊去勢手術ができなくなり、余計増えてしまう。それに、猫には縄張りがあるので、すんなりと別の場所に移動できない。その縄張りの中で餌を求め、民家のごみを漁るようになり、余計に被害が広がる。
それに、餌やり攻撃する人には、猫が自分の家の前からいなくなりさえすればよい、という考えの人が多く、よく別の場所でやれと言ってくる。そういう考えは、別の人の家の前なら糞尿被害があろうが、猫が増えようが構わないという単なる自己中に過ぎない。

それをいくら猫ボランティアが説明しても、猫嫌いは理解しようとしない。猫ボランティアは猫の味方だから、彼らは餌やりも猫ボラも同じように敵対視する。避妊去勢手術をしているといっても全く関係ない。猫が嫌い、猫を見たくない、目の前から消えてほしい。そういう思いらしい。しかし、猫にも生きる権利はある。動物愛護法により、みだりに殺傷することはできない。そこに猫が住み着いたのは猫のせいではない。野生の猫が住宅街にいるわけはない。全て最初に猫を捨てた人間が悪いのだ。

そうすると答えは共生してくしかない。そもそも地球は人間だけのものではない。多様な生物がいるからこそバランスを保って人間が今の生活を送れるのだ。猫がいなくなるときっと一気にネズミとゴキブリが増えて、そうなったら自己中の猫嫌いは、猫よ、助けてと言うのだろうなと私は意地悪く思ったりする。

猫嫌いに対してこんな当たり前のことを説得できるのは誰かというと、もう行政しかない。
実際今、国も東京都も私の住む自治体も、殺処分ゼロに向けて動いている。保健所が駆除しに来ることもない。行政も、飼い猫については飼い主の責任についてのガイダンスを出しているし、飼い主のいない猫についても、多くの自治体が地域で管理していく、地域猫活動を促進している。

具体的には、私の住む自治体が出している地域猫活動のパンフレットから引用すると、
まちの猫問題に対しては、地域の住民で協力し不妊去勢手術をし、手術後はその証として耳カットをして元いた場所に放し、地域で話し合って一定のルールを作って猫を管理していくことを奨励している。一定のルールというのは、例えば、餌やりの場所、猫用トイレの設置、その管理、捨て猫や動物虐待を防ぐため地域での目配りなど。
手術をしてしまえばもうそれ以上増えることは無いので、一代限りの命として、最期まで地域で見守る。野良猫の寿命は平均3年と言われているので、きちんとやれば数年で野良猫はいなくなるはずなのである。

このように、どこにも餌やり禁止とも、餌やりを攻撃しようとも書いていない。野良猫を殺して町から排除しようなどとも書いてない。
その地域で猫は生きているので共生するしかない。そのためには地域猫活動を地域全体で取り組まなければならないのだ。ボランティアにすべてを押し付けているだけでは解決しないのだ。

では地域の中の誰がやるのか?地域住民全員でというのが筋だろうが、誰がリードしていくのか?自治会か町内会が立ち上がるべきだろうが、義務ではないので、彼らが個人的に関心がない限り動かないだろう。猫嫌いが餌をやったりトイレ設置など、突然するわけはない。
そこで私も地域猫の勉強会に参加し学んできたことは、地域猫活動は、行政、ボランティア、そして地域住民が皆で協力してやらなければできないことだと。
地域猫活動は地域の環境問題であって、動物愛護活動ではない。だから動物好きだけがやればよいのではなく、地域全体で取り組むべきなのだと。
役割としては、行政はこういうパンフレットなどで、地域猫活動についての広報をする、不妊去勢手術の助成金を出す、餌やりトラブルなどの相談に応じる、など。
ボランティアは、地域住民が地域猫活動ができるように実際に現場で捕獲の手伝いをする。住民は、理想的には皆で、餌やりから、掃除、トイレ設置もするべきではあるが、まずは、これまでの餌やりさんを中心に餌やりをしながら、片付け、糞尿掃除をし、きちんとやることによって、餌やりに理解を求めていくしかなかろう。なかなか地域住民とうまく協力できない餌やりさんも多いので、その橋渡しをボランティアも手伝っていく。地域猫活動は、ひいては野良猫を減らすことになるので、本来は猫嫌いの人こそ積極的に関わってほしいものだ。
この理想は現状からするとかなりハードルが高いが、地道にやっていくしかない。

私からすれば、行政の広報も支援も足りないし、大半の地域住民がまだまだ無関心で、ボランティアが相当の負担を抱えている。餌やり攻撃も続いている。そこで、最近私の住む町の自治会にも地域猫活動を進めるよう提言し、回覧板で紹介してもらった。

どの町にも野良猫問題はあるはず。猫好きな人も猫嫌いな人も、野良猫を減らすことは良いことのはず。是非とも行政にそれぞれの町の地域猫活動について詳細を訪ね、活動に関わってほしいと思う。それしか解決方法は無い。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:勝気で甘えん坊の三毛/スコミックスのメイちゃん

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