コラム

第78話 パンジー公園の新入り親子の切ない話 その2 2匹の運命

里親として龍馬と凜子を迎えたところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その数年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、猫ボランティアを予定外に始めることになる。最初のきっかけは、脱走した龍馬を発見した半年後の2013年11月に、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第26話)、人馴れした子猫の保護譲渡や、保護できない猫のTNR(=捕まえて、不妊去勢手術をし、元も場所に戻すこと)をしたことだった。(第28話から第35話)。多忙な日々ゆえ大掛かりな活動はできないので、その猫道と、近所のパンジー公園で野良猫に餌をあげているシマコさん(第26話)の依頼があればTNRにかけつけることだけ続けていた(第36話以降)。

2014年の秋。
シマコさんから、パンジー公園に子猫3匹と親猫が親猫がご飯を食べに来ているので不妊去勢手術をするために捕獲をしてほしいとの依頼があり、近所のハワイさんと共に私も捕獲の手伝いをすることに(第77話)。ハワイさんの指揮のもと子猫4匹中3匹と、予定外の大人猫1匹、計4匹を捕獲。ハワイさんとシマコさんが病院へ搬送、手術を終え、後日もとの場所に放した。

実は、あとになって元の場所に戻した子猫3匹のうち2匹は人馴れしていて里親探しできそうだと病院では言われたと聞き、胸が痛んだ。あぁ、家猫になれた可能性があった子を野良猫にしちゃったのかぁ…と。しかし、もうその時は時すでにハワイさん達が猫を外に戻したあとだった。

万一、外に放す前に私が直接ドクターから家猫になれると聞いていたらどうしただろう。今の私なら保護しようと考えたかもしれないが、当時は丁度実家の父が入院したりで忙しく、猫ボラをする覚悟などなかったところに、次々と事件が舞い込み、人間べた慣れのハナコに遭遇。どうしても外に戻せず、仕方なく里親探しをしたものの(第51話から第56話)、慣れない私が3歳の大人猫の譲渡をするのは本当に大変だったし、心配性の自分の性格上向いていないと結論づけていたので、保護はもう絶対無理だと思っていたところだったので、やはり躊躇しただろう。躊躇したが胸が痛んだだろうな。その意味ではその場に私がいなくてよかったのかもしれないと思った。

そもそも私がその気になったとしても、決断するのはその現場の責任者である、餌やりのシマコさんだし、またはそれを助けに先に入ったハワイさんだ。あとから単に加勢に入った私には決断権はない。シマコさんもハナコの譲渡の時に最初は自分が責任者として譲渡会にも出ていたが、対外的なことは苦手だというシマコさんには相当苦痛だったようで、それ以来シマコさんは絶対に保護譲渡はしない。最近はすべて私が責任者となって引き受けているのだ。だからその時にハワイさんと共に外に放すことを決めたのだろう。仕方がないことだ。 

仕方ないとはわかっていても、聞いてしまったからには、その子たちが気になって仕方がなくなった。ハナコでも苦労したし、もう2度と里親探しは嫌だと思っていた。仕方ない、外へ放すと決めたのは私じゃないし、仕方ない、仕方ない、とふつふつとわいてくる罪悪感をかき消そうとしていた。

その後、何度かシマコさんに頼まれてパンジー公園でまた新たに現れた猫を不妊去勢手術のために捕獲に行ったとき、その子猫たちを見かけた。半長毛でフワフワでコロコロしたかわいい子たちだった。母猫は捕獲できずに逃がしてしまったが、その公園に戻ってくることはなく、手術後公園に戻した子猫3匹がよりそって生きていた。人にべた慣れしているわけはなかったが、ほかの生粋の野良ネコたちよりは幾分、シマコさんにすり寄っていくようにも見えた。私の中ではもうどうしようもなく、ごめんね、ごめんね、頑張って生き延びてねと思うしかなかった。

ところがその3匹、時々公園から出てシマコさんに付いてくるようにもなった。公園の周囲は交通量の多い道路がある。午前4時には車は少ないが、時々猛スピードで走っていくバイクもあるし、危ないところではある。付いてきちゃだめ、と追い払うシマコさんも胸を痛めていた。

それから数か月後、1匹見当たらなくなったとシマコさん。後に道路で亡くなっていたと近所の人から聞いたというのだ。ひき逃げだったようだ。犯人が誰でその後誰が葬ってやったのかも、何もわからない。ただ事故死したようだと聞いただけだった。

こんな話はよく聞くが、ひいた本人は絶対わかるはずなのに、ほとんどのケースがひき逃げだ。猫とはいえ、生き物を自分の車が引き殺して放置して逃げる。どういう神経なのか、どういう育ちなのか、心が痛まないのだろうか、寝覚め悪くないだろうか。野良猫をひいても故意や虐待目的でなければ罪にはならないだろうが、捕まらなければ放置しても何の罪悪感もないのか?せめて役所に電話して亡骸を処理してもらうくらいの気持ちにはなれないものだろうか。放置された亡骸は、そのあと何度も後続車にひかれるのだ。

悔しいが、野良猫を事故から守る方法はないのだ。だからせめて飼い猫は絶対に外にださないでほしい。自由に散歩させてやりたいなど悠長なことを言っている飼い主がまだたくさんいるが、人間の2歳の子供がどんなに外に出たがっても愛情ある親ならば、絶対に出さないだろう。猫とて同じことではないのか、よく考えてほしい。

そして2匹になったコロコロ兄弟。また1匹姿が見えなくなったとシマコさん。探していたところ、近隣でその子もまた悲惨な事故死したらしいと聞いたと。バス道路を渡ろうとしたのだろう。シマコさんの家に行こうとしたのかもしれない。その道路でバイクに乗っていた若い男の子が、「猫ひいちゃったよー。」と気味悪げに友人に話していたのを聞いたという人がいたそうなのだ。気味悪かろう、命をひき殺したのだ。そしてそのまま放置したようだったという。罪悪感なのか、単に薄気味悪いだけなのか、友達に話してその薄気味悪さを軽減したら終わりか?私がその現場にいたら、捕まえて説教しただろうと思うが、次は絶対人間に生まれておいでと祈ってやるしかできることはなかった。

捕獲時にちらりとしか会えなかった子猫3兄弟。頑張って生き延びてほしいと、手術後にワクチンは駆虫などしてやったのだが、2匹ともその後数か月の命だった。そしてその後、残ったあと1匹は、もっと悲しい結末を迎えたのだった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:勝気で甘えん坊の三毛/スコミックスのメイちゃん

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