コラム

第69話 号外 譲渡条件解説 その7

2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その数年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、野良猫救済ボランティアをすることになった。その経緯を時系列でコラムに書き始めて第62話まで来たが、櫂君の里親募集を機に(第63話)里親条件について解説しておきたく、号外を出すことにした。

私が課している里親さんへの譲渡条件は第64話に記した通り。第63話から第68話までで、終生飼育義務、ペット可住宅、留守番が少ない事、うちから1時間以内、定収入があること、完全室内飼育、適切な飼育環境の維持、完璧な脱走対策、決定前のご自宅訪問について説明してきた。今回もその続きを。

9 決定前のご自宅訪問と家族との面談について、の続き
多くの譲渡主が、譲渡が内定して猫をお届けに行くときに初めてご自宅を拝見するのに対し、私は譲渡プロセスの早い段階で一度訪問させてもらっている理由は第68話で説明したので、ご家族全員との面談もお願いしている理由も説明したい。

猫を引き取りたい場合は、家族の同意があることは当然の前提条件であるが、それを自分の目で確認することも必要であると思い知った事例があったのだ。理想的には、譲渡会に家族全員で来てくだされば安心だ。その家族全員の猫への接し方を見ていれば、猫に対してどんな気持ちなのかは察しがつくし、そもそもわざわざ足を運んでくれるのだから、猫への愛情と関心は高いであろうと想像する。

勿論来たくても都合がつかない人や、猫を見なくてもどんな猫でも可愛がるという覚悟の決まっている人もいる。だから必ずしも全員で譲渡会に来ることが必須条件ではない。しかし、譲渡会で会った家族の代表者から口頭で家族も猫の譲渡には賛成です、と聞いただけでは不十分であると思うに至った事例が多くある。

このコラムでも触れたが、私に起こったケースでは、家族は賛成ですと譲渡会で言った若い男性は、ご自宅に行ってみたら、家族の賛成はしぶしぶであり、この男性が自分の部屋に閉じ込めて飼うなら許可するというスタンスであった。家族全員で猫を可愛がってくれる環境でないと譲渡はできないということでお断りした。

また知り合いの話で、希望者ご本人はとても良い人であったが、その方が急死され、実は猫嫌いであったという奥様がその後 猫を捨ててしまったという事件があった。

またネットで見た話であるが、譲渡して10年経過して高齢になった猫が病気になり、医療費がかかることにご主人が難色を示され、猫を返して来いと言われたと、専業主婦の奥様が、泣きながら譲渡主に相談してきたというケースも。

また私の知り合いが、自宅の庭で生まれた子猫を飼ってくれる人を探したところ、近所の母子家庭のお母さんから、子供が留守番時の遊び相手にと所望されたが、実はその子供が乱暴な子で、留守中に子猫を蹴飛ばし、猫は内臓破裂で死んでしまったという実話もある。

これらも全て、譲渡希望者一人でなく、家族全員に会っていれば、防げた話だと思うのだ。

だから今は、たとえお子さんであっても 会わせていただくようにしている。 もともと知り合いに譲渡した時には、同居のおじいさんとか、社会人の息子さんなど、メインで猫の世話をするわけではない人に会えないことはたまにあった。

しかし、それはもともと知り合いだし、どのような家族関係なのかは大体知っているので、そういうケースは例外だが、全く知らない人に譲渡する場合は、絶対にこの条件は譲らないことにしている。最初のご自宅訪問の時か、または猫のお届けの時でも、猫を引き渡して私が介入できなくなる前のどこかの時点で会わせていただけば構わないのだ 実際に起こった事例をお話すれば、皆さん納得して会わせてくださる。

10、医療費の一部負担について
これは非常に難しい問題だし、譲渡主それぞれ色々考え方があるようだ。私も最初は、知り合い経由で譲渡をしていたので、医療費を負担してもらうどころか、猫をもらっていただくのだからという思いで、嫁入り支度を念入りにし、お礼まで付けて猫を引き取ってもらっていたが、私は支援金を集めたりしているわけでもないので、私個人で負担しており、当然 普通の庶民の私は、それでは保護活動は続けられない。それで相当悩み考えた結果、やっと最近自分の考えが決まった。

そうは言っても 里親会に参加するにあたり、里親会主催者が決めたルールがあるので、里親会経由での譲渡の場合は、その里親会のルールに従う。複数の里親会に行くので、里親会ごとに適応されるルートが異なる。

これまで私が参加した里親会は3種類。一つ目の会でのルールは、里親さんに請求してよいアイテムが決まっている。避妊去勢手術、ワクチンとエイズ白血病検査のみ請求することが会から認められており、あとは交渉して良いとされていた。ただし領収証など提示する必要あり。これはこれでフェアであると思う。万が一かなり高額の医療費がかかっている猫であった場合、里親さんとしても払いきれないような金額を支払う義務はないが、譲渡主としても交渉はできる。

また、二つ目の里親会では、里親会が譲渡費用を決めていた。たとえは避妊去勢手術をした場合は、実額にかかわらず一律いくら、ワクチンは一律いくら、などど。里親さんとしても実際猫を見る前に、いくら支払う必要があるのかわかるし、最初からそれを支払う意思のある人のみが申し込んでくるので、譲渡主も交渉しなくて済む。それにこの方式だと、その譲渡会に参加している譲渡主の間でも一律の金額が適応されるので、譲渡条件が公平で明朗会計そのものだ。つまり、譲渡主はそれぞれ使っている動物病院が異なるし、自分の自治体からの助成金も異なるので、同じ避妊去勢手術でもかかっている金額は異なる。また譲渡主のボランティア歴や動物病院との関係で、かなり安く手術をやってもらえるケースもあるのだ。だから、Aさんが譲渡する猫の避妊手術代は2万円で、Bさんが譲渡する猫の手術代が5千円ということもある。そうすると費用が高くついている猫の競争力が下がってしまうので、同じ譲渡会内では一律にするということも合理的であると思う。

もう一つの譲渡会では、譲渡主の個人のルールを適応して良く、会から決められたルールというものはなかった。

では私が個人で決めて良い場合どういうルールにしたかということについては次回に説明する。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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