コラム

第67話 号外 譲渡条件解説 その5

2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その数年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、野良猫救済ボランティアをすることになった。その経緯を時系列でコラムに書き始めて第62話まで来たが、櫂君の里親募集を機に(第63話)里親条件について解説しておきたく、号外を出すことにした。

私が課している里親さんへの譲渡条件は第64話に記した通り。第63話から第66話までで、終生飼育義務、ペット可住宅、留守番が少ない事、うちから1時間以内、定収入があることについて説明してきた。今回は条件その6の完全室内飼いについて説明しよう。

6、完全室内飼いのこと
完全室内飼いというと、皆さん当然理解していると言われるが、意外と細かいところまで理解されていない。完全と付いているので、病院に行くとき以外一切外に出してはいけないのだ。留守中に人に預けたり、ベランダに出したり、リードを付けてのお散歩もダメである。すべては万が一の脱走を防ぐためである。旅行や実家につれていくことが厳禁なのは理解しやすいだろう。道中の脱走の危険だけでなく、猫は環境の変化に弱い。知らない家に連れて行かれてパニックして逃げ出すという話もよく聞く。キャンプ場に猫を同伴して山の中で逃げられてしまったなどいう愚かな話を聞いたこともある。ありえない、と思われる方が大半でしょうが、偉そうに言う私も実は龍馬を里子に迎えるまでは、新幹線で4時間もかかる実家に猫を連れていけるものと思っていたのだ。
それから長期で留守をする場合も、猫を別の場所に連れて行くのではなく、慣れた自宅から出さないで、餌やトイレの世話をしてくれる知り合いか、ペットシッターさんを雇うことを推奨する。それもあまり長期ではお勧めしない。長期で家を空ける人はそのライフスタイルが変わるまで猫を飼うことを待った方が賢明だ。
それからベランダに出すことも禁止としている。ベランダに出している人は結構多い。その猫の写真をSNSにアップしている人もいる。また、受け狙いだと思うが、「ここはマンションの8階です」などとのキャプションつけて、ベランダの手すりに座っている猫の写真をアップするような愚かな飼い主もいる。これまでそれで事故がなかったとしても、今後はわからない。いきなり大きな音がしたり、地震が来たりしたら、驚いて飛び降りて脱走してしまうこともある。降りられればいいけれど、落下して怪我や死に至る事もあるのだ。猫はどんな高い所からでも落下しないと誤解している人がいるが、大きな間違いだ。猫も木から落ちる。マンションの4階から落下して亡くなった猫もいる。
かつて譲渡会で私の保護猫に関心を持ってくださった方がいたが、先住猫をいつもベランダ出入り自由にしている人であったので、それでは断るようにと先輩から助言をもらったことがある。
それからお散歩など言語道断。猫ブームを煽る要素として可愛い洋服やリードなどを売り出すビジネスもあるが、乗せられてはならない。猫の体は柔らかいのでリードをするりと抜けてしまうこともある。それに外に出ることによって、折角ノミダニ駆除や、駆虫の処置をしたのに、また虫をもらってきたり、最悪、野良猫と喧嘩になると感染症をもらってしまうリスクがある。そして何よりも、外に出たがるようになり、脱走しようと企てる可能性が出てくる。
自分の子供と同様に考えてほしい。自分の2歳の子供なら、どんなに出たがっても危ない所には出さないですよね?

完全室内飼いというのは単に、家で飼う事であり、ベランダやお散歩まで不可であるということまで考えていなかったという方は多くないだろうか?是非考えを新たにして頂きたい。

次の条件
7、適切な飼育環境を維持すること
これは若干抽象的になるし、当たり前のことではあるが、20年以上生きるかもしれない猫の一生の間に人間の生活環境が大きく変わり(変わるだけでは問題ない)、猫にとって不適切な環境になってしまった場合に備えて入れている条件である。
前の収入についての条件の時に述べたが、離婚してお金が無くなりフードも買えなくなったという人、離婚、再婚して家族が変わった時に、猫嫌いの人が新しく家族になったりすることもあるであろう。それだけで不可とは言わないが、その時に猫にとって適切な飼育環境が維持できるかどうかは確認させてもらっている。ちなみに、殆どの譲渡主が、家族全員が猫を飼うことに積極的に賛成しているということが最初の条件にしていると思うが、私はさらに慎重で、その状態を維持するというところにも気を配っている。譲渡契約書には、猫に影響するような環境の変化があった場合には連絡することを義務づけているし、その契約に反する状況になった場合には、こちらから猫を取り返す権利を有する。

条件その8、完全な脱走対策をすること
これは何度も書いてきたことだ。大工さんでも呼んでリフォームをしないといけないのかと思われるかもしれないが、そのようなケースはない。うちでもそんなことはしていない。事前にご自宅訪問させてもらうときに間取りを確認するが、最近のマンションは対策しやすい。リビングと玄関の間にドアが一つあれば、最初はそれを閉めることを徹底してもらうとか、玄関に100均でパーツを買って柵を付けるなど。あとは猫の性格にもよるので、行動パターンをよく見て対応するようにお願いしている。例えば、網戸を破る子猫の場合は、破れない網戸に変える。ホームセンターに売っている。また鍵まで開けて出ていくような頭の良い猫もいるらしい。その場合には人間には面倒なことになっても、猫が開けられないタイプもカギをもう一つつけるなど。すべての窓は鍵をかけることも対策だ。熊本地震の時に、いつもカギを閉めていなかった窓が開いてしまい、パニックした飼い猫が逃げてしまったというケースもあった。とにかくこの私自身が脱走させた前科者なので、どんなに注意しても注意しすぎることはないことは説得力を持つ。

その他の条件については次号で。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
●【譲渡決定】かわいい甘えん坊の櫂くん

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