コラム

第64話 号外 譲渡条件解説 その2 ペット不可住宅について

2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その数年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、野良猫救済ボランティアをすることになった私。その経緯を時系列でコラムに書き始めて第62話まで来たが、櫂君の里親募集を機に(第63話)里親条件について解説しておきたく号外を出すことにした。

前号(第63話)でも書いたが、私が課している里親さんへの譲渡条件は、

1、終生愛情をもって飼育。
2、ペット可住宅。
3、お留守番が少ない(子猫や甘えん坊の場合)
4、うちから一時間以内。
5、定収入があること。
6、完全室内飼いのこと。
7、適切な飼育環境を維持。
8、完璧な脱走対策をすること。
9、医療費の一部を負担。
10、子猫の場合、時期が来たら避妊去勢手術をすること、
11、毎年のワクチン、定期的な健康診断、必要に応じて医療を提供すること。
12、高齢者、一人暮らし、同棲者 は不可。
13、必須条件ではないが、小さい子供がいない家庭、賃貸より持家、一軒家よりマンション優先。

至極当たり前の事が多いので、実際にはこれら全てを列挙していない場合もあるが、私の心の中では全部を確認させてもらっている。前回も書いたが、再度強調したいことは、私達譲渡主は猫を手放したくないわけではない、むしろ少しでも早く手放し、まだ外にいる可哀想な猫を救いたいのだが、里親さんにまつわる問題が後を絶たないので、厳しくせざるを得ないのだ。どんな問題があったのかも含め、私がつけた条件の理由を一つずつ前話から説明しており、今回は2からだ。

2.ペット可住宅に住んでいること:第63話でも書いた通り、猫はバレないのでペット不可の住宅でも飼っている人は多いと思う。実際、脱走対策を講じることを条件に譲渡している保護主さんもいる。しかし、私の場合は、自分自身が脱走させて地獄の捜索体験をしたという(第5話から第22話)苦い経験があるので、脱走対策だけでは不十分で、脱走した場合に周囲に告知をして私と同じような徹底的な捜索をし、必ず見つけてくれるかどうかが重要なのである。
これまでペット不可の住宅に住んでいる人から申し込まれ、人物がとても良い人だったので、私の心が揺らぎ真剣に検討したことが2件ある。いずれも断念となり、結果はそれで正解だった。それを詳しく解説したい。

まずは、愛ちゃんという可愛い茶虎の子猫の時の例。
高齢のお母さんと50代の姉弟の3人家族。優しそうな皆さんで条件をクリアしているように見えた。主な条件は紙に書いて貼ってあるので、それを満たしていない人はそもそも近づいては来ない。だから当然ペット可住宅だろうと思って話をした。
長い時間検討されたものの、その場での申し込みはなかったが、その家族から数時間後に電話が。内心期待して電話に出たものの、実はペット不可の住宅なのだが申し込みたいとの告白が。
正直言って、美猫で人慣れしていた子猫の愛ちゃんには、ネットでもすぐに申し込みが殺到するだろうと思っていたのに、競争激しく意外と苦戦していたので私の心が揺らいだ。

譲渡会の主催者に相談したところ、
意見その1:万が一、マンションにバレて猫が飼えなくなった時に、確実に引っ越してくれるという念書をもらえばOK。
意見その2:飼いたいという思いだけで飼おうという考えは間違っている。飼える条件を整えてからでないとダメだ。同情で譲渡してはならない。猫のことを一番に考えよ。

誰よりも厳しい条件だと思っていた私より、さらに厳しい意見が先輩より出たので、そこではお断りした。そしてその後、その日の譲渡会で、以前他の猫をもらってくれた素晴らしい里親さんに、2匹目として愛ちゃんを引き受けてもらうことに。やはり条件に合わない人はお断りして正解だったと思ったのだ。しかし色々あって(第27話)また愛ちゃんの募集をネットで継続することに。
すると、その同じご家族からそのネット募集を見て連絡が。まだ探しているなら是非自宅を見に来て、脱走には問題がないことを確認して検討してほしい、万一ダメでも今後の為に見ておいてほしいと言われる。
本当に良い人達で愛ちゃんへの思いは充分伝わり、またしても私の心が揺らいでしまった。しかし、それまでの経験で、少しでも不安材料がある場合には断った方がよい、その後で必ずパーフェクトな里親さんが現れると学習してきたので、今回も条件を曲げてはならないと思った。しかし、もしかしたら、ペット不可住宅でもOKの譲渡主もいるかもしれない。私が現地に行って状況を確認すれば、その人達に紹介してあげられるかもしれない。そう思いご自宅へ。

ご自宅は一等地にある昔の分譲マンション。丁寧なおもてなしを頂く。住戸は現在の間取りよりとても広く脱走にも問題なさそうだった。
管理規約が昔のままなのでペット不可になっているだけであり、実際には犬も猫も飼っている人がいて黙認されており、そのご家族も歴代猫を飼ってきた。それまではペットショップで血統書付きの猫を買ってきたが、皆短命に終わった。(その問題もまた後日とりあげたい)純血種より雑種の方が強いから、雑種を飼いたくて譲渡会に行ってみたと。そこで、おとなしい愛ちゃんが、高齢のお婆様の膝でゴロゴロ甘えてくれた姿がとても印象的だったと。そして、実は、あちこちの譲渡会でもペット不可住宅であることで断られたのだと聞く。
確かに、ペット不可と聞いて想像する住宅よりはるかに立派なマンションだ。行ってみれば考えが変わるかもしれないと思われるのも一理ある。本当に良い人達だし気の毒にはなったが、先輩から、同情せず、猫ファーストの視点で考えよと言われていたことを思いだし、やはり私には自分の条件を曲げることはできないことをお伝えした。
それを理解してもらうため、龍馬を脱走させた壮絶な捜索体験を詳しく具体的に話した。じっくり聞いてもらい、それと同じだけの捜索をしていただけますかと聞いてみた。当然、マンション中に猫飼いの事実を告知しなければならない。管理人も黙認することはできなくなる。
そうなった場合、引っ越すか、管理組合に掛け合って規約をペット可に改定するか、それだけの覚悟はありますか、と聞くと、そこまで言われたらよくわかりました、愛ちゃんは諦めますとのことだった。

忙しい保護主はよくやりがちだが、条件を短い言葉で突きつけるだけでなく、こうして具体的事例を交え誠実にゆっくりと話していくと、譲渡会やボランティアに対して悪い感情も残さずに理解してもらえるということを身をもって学んだ事例だった。
ところがもう1件、そうではない奇抜な事件があった。続く。
(ちなみに愛ちゃんはその後、素晴らしい里親さんに巡り合いました、勿論ペット可住宅です。)

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
かわいい甘えん坊の櫂くん

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