コラム

第59話 猫道の猫達 その19 シロミケ出現①

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その数年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、悲惨な野良猫生活の実態を知る。
その後2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第26話)、それ以来、猫ボランティア活動に足を踏み入れることになる(第28話第29話)。具体的には、野良猫を保護して引き取ったり、里親募集をしたり、保護出来ない猫の避妊去勢手術をしてその場に戻す(=TNR)ことなど。その間、頭の良い猫との知恵比べに負けて捕獲に苦戦したり、避妊手術反対論者に捕獲の妨害をされたり、捕獲にてこずり妊娠出産されてしまったり(第34話第35話)、里親募集では想定外のケースに遭遇したりで、苦労の連続(第29話から第36話第43話から第58話)。目にした猫達への対応は、半年以上かけて一旦収束したかに見えたが…。

期せずして始まった猫ボランティア活動は、猫道に於いては2014年5月にチビクロの去勢手術(第58話)でもって、また、パンジー公園ではハナコを里親探し(第56話)でもって一旦収束。本来はそこで終わりにするつもりだったが、餌のあるところに猫が集まって来るのは必至、メンテナンスをしていかないと、またあっという間に増えてしまい、苦労し大金使ってTNRをした意味がなくなる。

また、手術して元に放した猫のことも気になる。 猫道には餌やりのイチゴさんが、毎日通ってはくれるものの、経済的な理由で全部で10匹以上いる猫に缶詰は一日一缶しかあげられない、あとはドライフードのみだと言うので、猫たちが不憫になり、イチゴさんに缶詰を寄付したり、私自身が時折餌やりになって缶詰を与えに行くようになってしまっていた。そのうち全ての猫の名前も顔も覚えてしまい、情も湧いてくる。

幸いにも、猫道には以前書いた不思議なおじさん(第35話)がほぼ毎日餌を持って遊びに来ていて、猫の様子をブログに書いていた。その記載がかなり詳しいのだ。どの猫が誰の子でいつ生まれたか、具体的な日にちまで書いてある。ただ困ったことに、このオヤジ、かなり変わり者で、猫好きとは言いながら自分がひいきにしている一つの猫ファミリーの7〜8匹しか可愛がらない。流れ者やよそ者猫はそばに来ても追い払う。それに第35話でも書いたように、このオヤジは避妊去勢反対派。捕獲して手術しようものなら、猫狩りが来て 子宮を切り取り耳をちょん切り虐待したと悪態つかれてブログに書かれる。実際私が捕獲した時は、妨害されたり喧嘩になったこともある。
しかしながら、考え方はかなり違うが、猫を思う気持ちは嘘ではないし、ほぼ毎日様子を見に行き、餌やりしてくれるのはありがたい。猫道の周囲は猫嫌いの住民も多い。誰が猫嫌いなのか、オヤジはよく知っている。個人的な感情は押し殺して、猫の為にこのオヤジと仲良くしてみることにした。

まずは、オヤジが来ていそうな時間に私も猫道に通い、猫缶を大量に寄付。以前私がこの場所から大輔と幸太を捕獲して知り合いに託して幸せになっていること、くるみはうちで引き取ったことを伝え、敵ではなくここの猫を救いたいという同じ志をもっていることを理解してもらうことにした。 私の顔は認識していないようだったので、そこの猫の大半を捕獲して手術したのが私であったことには触れなかった。

手術の話には一切触れず、その後も時折連絡して、猫の様子を聞いたり、寒くなってからは、猫小屋を作って渡し、設置してもらったりしたこともあった。

2014年7月、ボランティアのパインさんから連絡が入った。真央、ミク、デビ、チビクロの捕獲を手伝ってくれたベテランボランティアだ。餌やりのイチゴさんが、猫道に耳カットしていない新しい猫が来ているので手術してほしいと自分に連絡してきたが、私にやってほしいというのだ。
猫道は私が最初に関わった現場だ。最後まで私が責任を持つべきであろう。イチゴさんには、私が手術をするから新しい猫が来たら連絡するように言ってあったので引き受けることにし、イチゴさんに電話した。イチゴさんが私に直接連絡してこなかったのは、自分は手術代を出せないとのことで、私に頼むことを遠慮したようだった。ごめんねと謝るイチゴさん。本来は餌やりと手術はセットのはずだが、イチゴさんもそれをわかっていてもどうにもできないらしいので、私は猫坂の猫の手術だけは全責任を持つと腹をくくったのだ。10匹以上手術しても、1匹でも残したら意味がないことを悟っていたので、誰がお金を出そうが出すまいが、やらざるを得なかった。

早速実態調査に入る。まずは上記のオヤジのブログをチェック。 あ、やはり書いてある。新しい三毛猫が現れたと。人懐こいらしく、オヤジは撫でたり抱っこしたりしていた。このオヤジは人間とは殆ど会話しないが、猫には不思議と信頼厚く、他の誰もが触れない警戒心強い猫がオヤジにはすり寄って抱っこされる。

本来はこのオヤジが協力してくれればすぐに捕まる。しかし、避妊去勢手術には反対姿勢を崩さないオヤジを説得することは不可能。隠れてやるしかない。
何とかオヤジが来そうにない時間をブログ内容から推測し、最近は連日夜来ているようだと踏む。
イチゴさんに夕方の餌の時間を少し早目にしてもらい、とりあえず予行練習のつもりで捕獲器を持って現場に行った。

現場へ行き、餌やりさんが餌を出すと、来た! シロミケだ!!
やはり私には触れなかった。野良は野良だ。しかし、何とあっさり捕獲器に入ってしまった! そこへ、イチゴさんの叫び声。
「大変よ!あのオヤジか来てる!その捕獲器持って隠れて!」

え、そんな、隠れてって どこへ? しかも猫が入ったこんな重い捕獲器持って、どーするの?
オヤジに見つかったら、バトルになる可能性大。
とりあえず、道路脇に停めてあった車の脇に捕獲器を持ってしゃがんで隠れた。
車の向こう側を通ってオヤジは猫道の猫の溜まり場に入って行った。私には気づかなかった様子。
しかし、ここで立ち上がり、大きな捕獲器を持って移動したらオヤジの視界に入る。オヤジはいつも2、3時間猫道に滞在する。私はしゃがんだまま身うごきがとれなくなってしまった。
続く。

【シロミケ】
59話白ミケ

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

■関連記事
犬や猫の去勢・避妊手術(ペットタウンの保険編集部)
第60話 猫道の猫達 その20 シロミケ出現② 捕獲、手術へ(Candy)
ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加