コラム

第55話 性格はなまるハナコのストーリー その5 幸せからのどんでん返し

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その半年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい、(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、悲惨な野良猫生活の実態を知る。
その半年後に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけて以来(第28話)、見て見ぬふりをすることができなくなり、人馴れした子猫を保護して知り合いに託したり(第29話)、ひ弱な子はうちの子にしたり(第30話第31話)、里親募集するつもりが貰い手なくうちに残したり(第43話から第50話)、保護出来ない残りの約10匹の避妊去勢手術をしてその場に戻す(=TNR)ことに取り組む(第32話から第35話)ようになる。
また、近所の餌やりのシマコさんに頼まれて(第26話)、 パンジー公園の猫たちのTNRの手伝いもしていた(第36話から第38話)が、そこで人馴れしたハナコに出会い、病院に預かってもらいながら里親募集をするも、また苦労の連続だった。(第51話から第53話)。結局は、赤の他人に託すことは自分には無理だと悟り、知り合いのアートさんに迎え入れてもらえることになった。(第54話

時は2014年8月。保護してから4か月、動物病院に預かってもらいながら里親探しの苦労をしていたハナコを知り合いのアートさんにやっとのことで迎えてもらい、あとは先住猫との相性を見極めていくというところだった。新米ボランティアの私は、正直、猫同志の相性にはさほど詳しくない。自分で保護した猫の経験しかない。うちの子達は、保護した時期や場所が違うと仲良くはならないが、さほど酷い争いはなかったので心配をしておらず、一方、アートさんは猫飼育歴も長く、保護猫の里親経験も豊富。それに、ハナコはどんな環境でも絶対に文句を言わない、いつもニコニコ本当にデキた猫だ。アートさんによると先住猫2匹のうち、クーちゃんは気性が激しく一番後からきて一番威張り腐っているそうだが、私は全く根拠のない安心感を持っていた。

ハナコを届けた翌日から、アートさんは丁寧に様子をメールで知らせてくれた。ハナコのケージはリビングに置き、すぐに人に家にも馴れ順調だと。先住猫にも興味深々で仲良くしたそうなハナコ。一方2階にいる先住のモモちゃんは、警戒しているものの威嚇はせず。そのうち仲良くなれそうな気配ありと。問題のクーちゃんは予想通り、2階から頻繁に偵察に来て、階段の上からよそ者出て行けとばかり威嚇するとか。ハナコはそれでもニコニコ、早く仲良くしてね、と健気な態度だとのことだった。

1カ月程度経過したところで、アートさんからもう大丈夫なのでケージを返したいと連絡があった。ああ、もう安心、アートさんには感謝感激、これで私の予定外に始まってしまった里親募集活動は終われると思った。あとは関わってしまった猫道やパンジー公園で、避妊去勢していな猫が現れたと餌やりさんから連絡が来たら捕獲の手伝いに行くだけ、そのくらいのボランティアなら継続できそうだと 安心しきっていた。

ところがそこからまたどんでん返しが。それからほんの数日して、アートさんから電話があった。いつもはメールなのに電話とは。。。一瞬嫌な予感がした。
話を聞いてみると、ついに先住猫のクーちゃんが、ハナコに大攻撃をしかけ、大乱闘になってしまったのだとか。そして猫同志のいざこざに終わらず、その光景の物凄さに、体の弱い娘さんがショックを受けパニックを起こしてしまったのだそうだ。それまでもクーちゃんは何度となくハナコを威嚇していたものの、ハナコが良い子すぎで動じることなく、相手にしてもらえて嬉しいとばかりクーちゃんに近づこうとしていたそうで、それがクーちゃんには気に食わなかった様子。いじめても無反応な子には余計に腹が立つというよくある人間のいじめっ子の心理に似ているのだろうか。
猫同志の本気の喧嘩を見たことがある人はあまりいないだろうが、野良猫の喧嘩の声は聞いたことがあるだろう。動物の本気の喧嘩は殺し合いに近い。それを家の中で目の前で見たら相当な迫力だったのだろう。何とかクーちゃんとハナコを引き離し、取り急ぎ近くの実家にハナコを預けたものの、アートさんはパニックを起こした娘さんに付き添い一晩中眠れなかったとのことだった。

アートさん一家には気の毒ではあったが、やっと終われると思った私も相当ショックだった。
アートさんのご実家は大豪邸。ハナコ一人居候させるスペースはあるものの、残念ながらお母さんは猫嫌い。これでは猫もお母さんも気の毒だ。アートさんからは、自分で次の飼い主を探していいでしょ、と言われた私は、このような場合にどう対処するのか何も決めていなかったし、契約書も作成していなかったことに気付いた。もちろんアートさんを信用しているので、良い里親さんを探してくれるとは思うけれど、これでは私がこの手でハナコを幸せにしてやりたくて保護した意味がない。いや、私がまた里親募集するからハナコを返してくれていいいよ、とアートさんに言ってみたけれど、アートさんもハナコにこれ以上場所を移動させるのは可哀想だから、このまま実家に置いてもらって自分が里親探すと言った。しかし、アートさんのお母さんは猫好きではないのに申し訳ないし、ハナコも猫嫌いな人と一緒に暮らすのはどんな思いなのか心配でたまらなかった。
しかし、もう私の猫ではないし、何の取り決めもしていなかったので、私に関与する権利はない。
アートさんがどんなに良い人であったとしても、万一の場合を想定した契約書を作成していなかったことを後悔した。

それから1カ月後、その後どうなったかアートさんに聞いてみると、アートさんの弟一家が実家に2世帯住宅で暮らしており、その23歳の次女(つまりアートさんの姪)がとてもハナコを気に入ってくれ飼いたいとのことだが、そこには大きな犬が2匹いて、ハナコは追いかけ回され、その娘さんの部屋の2段ベッドの上にとりあえず避難しているとのことだった。心配でたまらないが、どうすることもできなかった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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