コラム

第54話 性格はなまるハナコのストーリー その4 遂に幸せゲットか?

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その半年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい、(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わったことで、悲惨な野良猫生活の実態を知る。
その半年後に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけてしまい(第28話)、人馴れした子猫を保護して知り合いに託したり(第29話)、ひ弱な子は手放せずうちの子にしたり(第30話第31話)、里親募集するつもりが貰い手なくうちに残したり(第43話から第50話)、保護出来ない残りの約10匹の避妊去勢手術をしてその場に戻す(=TNR)ことに取り組むことになった(第32話から第35話)。
また、近所の餌やりのシマコさんに頼まれて(第26話)、パンジー公園の猫たちのTNRの手伝いもしていた(第36話から第38話)が、そこで人馴れしたハナコに出会い、病院に預かってもらいながら里親募集をするも苦戦は続く(第51話から第53話)。

2014年7月。ハナコを保護して3か月以上経過。真央とミクの里親募集の時は早々に断念して自分の子にしてしまったが、もううちは定員を5倍オーバーで、これ以上はどんなことがあっても引き取れない。情が湧き、気持ちがゆらぐことがあってはならないので、里親募集中でもハナコを自宅に入れず、動物病院で預かってもらいながらの募集であった。

何度も書くが、私はこの時点では自分はボランティアをするという覚悟を決めていたわけではないので、一日か二日で終了するTNRだけなら出来ても、長期戦になる里親募集はそもそも無理だったが、出会ってしまった性格良しのハナコを見捨てるわけにはいかず、これで本当に最後、早く終わらせて解放されたい一心だった。

そんなある日、知り合いのアートさんと久しぶりに会った。アートさんも猫好きで、ボランティアから保護猫を引き取っていた。会う度に猫達の写真を見せてくれ、溺愛している様子だった。うちの龍馬が脱走した時も心配してくれ、ベテランボランティアのXさんを紹介してくれた人だ。
私は龍馬の脱走事件を機に自分が猫ボラをやる羽目になり、ハナコの里親募集に苦労していることを話したところ、アートさんは、「まあ、偉いわね」と、よくある無関心な人の社交辞令だけでは終わらず、その猫の写真見せてと言ってくれたのだ。

え、もしかしてアートさん、里親の可能性あり?
彼女が候補者になりうることに初めて気づいた私は、いきなりテンション上がってきた。
そうだ、そうだ、何で私は今まで思いつかなかったんだ! こんなに近くに理想の里親さんがいたじゃん。この人なら里親経験豊富だし、うちから近いし、経済的にも余裕があるし、お仕事もライフスタイルも家族構成もほぼわかってるし、小さい子供はいないし、家族全員猫好きだし、体が若干弱いお嬢さんは自宅にいて猫の世話を引き受けてくれるし、最近長老猫のピカソちゃんを看取ったらしいし、文句なしじゃん、やったぁ!と、アートさんは写真見せてと言っただけで、まだ貰ってくれるとは言ってないのに、私はすっかりその気になって、お願い、お願いと繰り返した。

ハナコの写真を見せるため携帯を開きながら、ふと不安がよぎった。そう言えば、アートさん宅の保護猫は2匹とも美猫だ。見た目にこだわる人なのだろうか。ハナコはというと平凡なおばちゃん猫。ぶちゃいくなんだけど、と恐る恐る写真を見せたら、あら、可愛いじゃないと言ってくれたので、私は天にも昇る気持ちだった。
アートさん曰く、亡くなった先住猫のピーちゃんは、猫を飼おうと思った時に、たまたまタイミング良く動物病院で里親募集をしていたのを見て引き取り、あとの2匹のモモちゃんとクーちゃんは、ボランティアのXさんからもらってくれと頼まれて引き取った、自分が探しに行ったのではなく、「うちに来るべきして来た」と言っていた。
そうか、そうか、アートさんは、頼まれれば運命の出会いと思ってくれるのか、と考え、そうだ、今日ここで私に会ってハナコの話を聞き、私にもらってくれと言われたということは、ハナコとの運命の出会いだと思ってくれと、私は思いつくまま言ってみた。
アートさんは元来姐御肌、頼まれたり相談されるとイヤとは言わず力になってくれる人なのだ。これまでの里親募集での苦労話、ハナコがずっと病院預けの状態であることを話し、最後はもう、お願いお願い攻撃でいくしかないと思った。
彼女は、家族に相談すること、そして先住猫がハナコを受け入れることを条件に遂に首を縦に振ってくれた。先住猫のうち後から来たクーちゃんは気難しいらしく、ハナコを受け入れるかどうかはかなり不安だと言っていた。後から来たくせに威張りくさっていて、先住猫のモモちゃんが小さくなっているとアートさんは心配していたが、私は気にならなかった。ハナコは性格はなまる、どんな環境でも文句を言わず、いつもニコニコ穏やかで良い子、対人間でも対猫でも何の問題もないだろう。
うちでも次々と保護した猫が来たが、仲良くはならなくても、大きな喧嘩になることもなく、何とか同居できている、時間かけて慣らせば大丈夫だと思ったのだ。

アートさんから家族の了解はとれたと聞き、すっかりその気になった私は、早速ハナコの引き渡しの準備に。ボランティア先輩からは、必ず自宅までお届けに行くことと必ずケージを置いてもらうようにと念をおされていたので、アートさんからはケージは置きたくないと言われたものの、どうしても、とお願いした。お届けについても、知り合いであるが故に、自宅に来られたくないだろうと察した者の、それもどうしてもとお願いした。しかし、先輩から見本をもらっていた譲渡契約書は無しにした。知り合いで絶対的な信頼があった為と、こちらから無理にお願いした手前、万一を想定した条項が並べられている契約書に署名してもらうことなどとてもできなかった。

ケージを送り、組み立ててもらってからハナコを連れてアートさん宅へ。
話に聞いた気の強い先住のクーちゃんはハナコに早速シャーシャー言ってはいたが、ハナコは平気で大人しく抱っこされていたし、アートさんのお嬢さんにも会えて私は安心して帰宅した。

これでハナコも幸せを掴み、私もやっと終われると安堵したが、それがつかの間の休息で、またも大どんでん返しが待っていることは予想だにしていなかった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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