コラム

第51話 真央とミクの運命と 性格はなまるハナコのストーリー その1

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その半年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまう(第5話から第26話)。
龍馬の捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第28話)、人馴れした子猫3匹保護し、知り合いに託したり(第29話)、手放せずうちの子にしたり(第30話第31話)、残りの約10匹の猫は避妊去勢手術をしてその場に戻す(=TNR)(第32話)ことに。さらに先輩ボランティアの助けを借りて子猫2匹(真央とミク)を捕まえ避妊手術をしようとしたところ、先輩に小さすぎて手術は出来ないと言われた為、仕方なくうちで保護して里親探しをしたものの(第43話第44話第45話)、人馴れができないので苦労する(第46話から第50話)。

時は2014年6月。真央とミクを保護してから4か月以上経過。やっと赤い糸の出会いかと思われたKさん一家に2匹一緒に迎えると言ってもらえた(第50話)。Kさん一家は、我が家でのお見合いのあと、すっかり乗り気になり早速ケージも買ったと連絡が来た。とても優しい一家だった。こんな優しい家族が真央とミクを望んでくれるなんて夢のようだ。この人たちを逃したくない思いはあった。しかし、喜びと当時に、不安と良心の呵責が噴出してきた。

この家族は他にも可愛くて人馴れした猫が沢山いるのに、何でこの無愛想な子たちが良いのだろうか?他にも沢山可愛い猫がいることを知らないのではないだろうか、こんな猫慣れしていない家族に人馴れしていない真央とミクを託してよいのか、申し訳ないのではないか、脱走させないだろうか、猫達が結局人馴れできずがっかりされるのではないか、のちに他の猫の方がよかったと思われるのではないかなど…。

この家族にとってベストな猫は真央とミクではなく、もっと人馴れした飼いやすい大人猫なのだろうと、新米ボラの私にもわかった。
そんな勿体ないことをと、あとで先輩ボラさんには叱られたのだが、上記の気持ちを正直に伝え、翌週参加予定していた里親会に来てもらい、ほかの猫も見たうえでもう一度検討し直してもらうことにした。
実は真央とミク以外にも、その里親会に参加させたい猫がいたので、その猫も検討してほしいと思っていたのだ。

真央とミクの保護からこの時点までの4か月、このコラムでは真央とミクの話に集中したが、私の猫ボラ活動はこの2匹の里親探しだけではなく、同時並行で取り組んでいた案件があった。猫道でも(第32話)まだ外に残っている猫たちのTNR(避妊去勢手術をしてその場に戻すこと)は継続していた(そのエピソードはまた次回)し、他にも前述の向かいに住む餌やりパンジー公園での餌やりおばあさんのシマコさんに頼まれて(第26話)公園の猫たちのTNRの手伝いに行くこともしていた。

時期は少し戻るが、2014年4月、シマコさんに公園に最近新しい猫がご飯を食べに来ている、耳カットはない(耳カット=避妊去勢手のサイン)、メスみたいだから避妊手術したい、捕まえてくれないかと言われた。
ハナコを捕まえに行くと、野良猫とは思えないほど人馴れしていた。普通は捕獲器に捕まえられるとパニックして暴れ、人間に精一杯威嚇するものなのだが、ハナコは捕獲器の中から、甘えたような声で鳴き、指を近づけるとすりすりしてきた。どうやら野良猫ではなく、元飼い猫で捨てられたか、置き去りにされたよう。外で辛い思いをしていたようで、捕まえてくれてありがとうと言うような目でこちらを見た。耳と鼻を怪我していた。
避妊手術のために病院に連れて行くと、ドクターからは、避妊手術済みであり、元飼い猫であろう、人馴れしており人恋しかったようで、甘えてくると。あまり感情を出すドクターではないが、その時ばかりは、「この子は外では可哀想。里親探しされるなら預かりますよ。」と言われた。
そう言われたら、もう外には戻せなくなり、餌やりのシマコさんと協力して里親募集をすることにしてしまった。

哀しいかな、ハナコは美猫ではない。子猫でもない。性格はなまるという以外とりえのない、よくある白黒の大人猫だった。里親募集も簡単ではないだろうことは覚悟せざるを得なかった。
そのハナコもミクと真央と共に、次の里親会に参加することになっていた。
私はミクと真央の里親候補Kさん一家にハナコを検討してもらいたいと狙ったのだ。

【ハナコ】
ハナコ

里親会当日。子猫シーズンだったので、CMモデルのような可愛らしい子猫が一杯。相変わらず真央は不愛想。ミクに至っては、連れてこようとしただけで心臓がバクバクで参加断念の不戦敗。
色んな猫を見て回るKさん一家。ハナコの事も可愛いと言って抱っこしてくれたが、可愛い猫がてんこ盛りだ。その中からハナコを選んでもらえるとは思えなくなった。しまった、作戦失敗だったか、と思ったところでKさんのご主人が、里親会場にいた私に、
「沢山可愛い子がいてとても決めきれないので今日は一旦帰ります」と。
選べないというのは優しい人なのだろうが、迷っているうちは決めてほしくなく、家族全員がこの子と思う猫を選んでほしいので、私は了解し、また連絡お待ちしていますと言った。

数日後、メールが来た。
実は、あの里親会の後、ご主人が突然くしゃみが止まらなくなり、病院で調べたところ、ひどい猫アレルギーだとわかり、ペットを飼うことは医者から止められたと。
それまで動物に至近距離で接したことがないのでわからなかった、うちで真央とミクとお見合いした時には2匹だけだったのでアレルギー反応は出なかったのだが、里親会で50匹以上の猫がいる空間に入ったら、強い反応が出始めたと。残念だがペットを飼うことは断念するので、買ってしまったケージとトイレを寄付すると持参してくれた。

やっと素晴らしい里親さんに出会えたかと思ったのにまた破談になった真央とミク。ミクは里親会への参加もできないほどストレスを感じていることもあり、もう潮時だと思った。覚悟を決めてうちの子にした。
そして、その後はハナコの里親募集に奔走することになる。

猫ボラを進んでやるつもりは毛頭ないのに、次から次へと懸案が舞い込み、いつ終われるのか先が見えず、ため息が出る私だった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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