コラム

第50話 猫道の猫達 その16 真央とミク ついに赤い糸の里親さんか!?

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その半年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまう(第5話から第26話)。 
龍馬の捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢手術に関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第28話)、人馴れした子猫3匹保護し、知り合いに託したり(第29話)、手放せずうちの子にしたり(第30話第31話)、残りの約10匹の猫は避妊去勢手術をしてその場に戻す(=TNR)(第32話)ことに。さらに先輩ボランティアの助けを借りて子猫2匹を捕まえ避妊手術をしようとしたところ、先輩に小さすぎて手術は出来ないと言われた為、仕方なくうちで保護して里親探しをすることにしたものの(第43話第44話第45話)、人馴れができないので苦労する(第46話から第49話)。

時は2014年5月。真央とミクを保護してから3か月以上経過。散々な初里親会(第49話)のあと、真央とミクは益々人間不信になった。人間不信と言うより私への不信感増大で私から逃げるようになった。2匹は普段は自宅内フリーにしており、里親会やお見合いをしようとするたびに捕まえてケージに入れてきたが、ケージ=恐ろしいことが起こると学習してしまった。ケージに入れるとミクは呼吸と心臓の鼓動が荒くなり、ドクターストップがかかった里親会(第49話)と同じ状態になることがあった。私がお世話になっていた里親会は1カ月に一度。次回は翌月だった。
先輩ボラさんには、人馴れしていない猫でも何度も里親会に連れてきているうちに慣れてくると言われたのだが、この2匹が慣れるのはいつのことになるのかと気が重くなった。

ネットでの掲載は継続していたが、里親募集サイトには毎日膨大な数の里親募集記事が投稿される。1週間も経過すると相当下の方に埋もれてしまう。しかもテレビのCMに出てきそうな可愛い生後1、2か月の子猫が山のように掲載される。子猫シーズンらしかった。その月齢なら人馴れは問題ない。生後8か月になってしまった人馴れしない真央とミクはネットでも見劣りする。掲載開始3か月も経過するとだんだん問い合わせも無くなってきた。

小さな子猫は病気もするし、給餌も少しづつ頻繁に与えなければならないので留守番のある人は不可だし、小さな子供がいる家庭では、子供がおもちゃ感覚で構いすぎると子猫は衰弱してしまうので、里親さんには成猫以上に覚悟をしなくてはならないのだが、見た目の可愛さでよく考えずに応募してしまう人が多い。 きちんとした譲渡主は厳しく審査をしているが、ボランティアでない一般の人が、「自分の自宅の軒先で生まれてしまった、誰かもらってください。」と無条件で募集をしているのを見るたびに心配になる。人間の子供と同様、子猫も小さいうちはケアが難しいのだ。それにその猫の寿命を考えると20年以上のちでも自分が責任もってきちんと最期まで飼育できるか、真剣に考えてから応募してほしいものだし、それを見極めてからの譲渡にしてほしいと切に願う。

話を真央とミクに戻す。
ネットでの募集に諦めかけていた6月。メールで問い合わせが来た。比較的近くだし小学生の男の子1人の3人家族。メールでのやりとりは好印象。猫歴は奥さんが実家で昔飼ったことがあるだけというよくあるパターンだったが、ケージ設置もOK。人馴れしていない事実も伝え、気長に馴らしていってほしい旨も了解を得られたので早速お見合い設定へ。
また数日前から真央とミクをケージに入れて、じろじろ観察される訓練をと思ったものの、ケージに入れると、ミクは心臓バクバク、真央はケージにガンガン体当たりして、遂にはケージが安物だからか、ケージの策の隙間に頭が挟まって抜けなくなって、大パニックを起こした。窒息して死んでしまうのではないかと私も慌てたが、何せ全く人間に触らせない家庭内野良の真央だ。触ろうとすると余計パニックを起こして大暴れ。その暴れた拍子に運よくスポット頭が抜けたが、私は不安を抱えたままお見合いを迎えた。
     
我が家に来てくれた里親希望さん一家。会ってみると本当に良い人だった。猫に触ったことがないというご主人は保護猫活動というものについても熱心に話を聞いて下さり、小学生3年生の男の子も想像と違っておとなしくて良い子だった。奥さんはナースでとても優しそう。
果たして猫達はというと、ケージには入れたものの、警戒して不機嫌そのもの。何とか少しでも触ってもらおうと扉を開けた瞬間に、ミクは飛び出し奥の部屋へ逃げた。これではダメかと思った瞬間、ご主人が、「決めます。この2匹」と。私は、全く触れもしなかったのに、本当にいいのかと驚いてしまった。理想的な里親さんだ。心配があるとしたら、共働きのため、9歳の男の子が毎日1人で留守番をするとのことで、猫が慣れるまでの間に脱走させないかということと、正直、この猫たちが本当に人馴れしてくれるのかどうかということだった。それに対しては、私に自宅を見に来て、脱走対策を指示してほしいと言ってくださり、猫達にも長い目で馴らしていくと言ってくださった。これまで猫を救いたいという気持ちより、猫が自分の理想に合わないという理由で断られてきただけに、本当にありがたかった。
遂に真央とミクにも運命の出会いがあったかと嬉しく思うと同時に、世の中には、他にも人馴れして可愛い猫は沢山いるのに、それを知らないで真央とミクに申し込んでくれたのであろうこの一家。本当に真央とミクで良いのか比較もしていないだろう。あまりにも良い人であった為、私は申し訳ない気持ちの方が先行してしまい、丁度翌週に里親会に参加することになっていたので、そこに来て、ほかの猫も見てからそれでも真央とミクが良いかもう一度考えてほしいと言ってしまった。
この私の判断はあとで先輩には、なんて勿体ないことをするのかと叱られたが、私はどうしても、他のどの猫よりもこの子達が良いと確信してからもらい受けてほしかったのだ。
その時の私はその里親会でまた大きなどんでん返しが待っているとは予想もしていなかった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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