コラム

第46話 猫道の猫達 その12 真央とミク お見合いへ

【これまでのストーリー】

2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その半年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまう(第5話から第26話)。
龍馬の捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢に関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第28話)、人馴れした子猫3匹保護、うち2匹を知り合いに託し(第29話)、1匹は手放せずうちの子にしてしまう。(第30話第31話)残りの約10匹の猫は避妊去勢手術をしてその場に戻すことに(第32話)。 
先輩ボランティアのパインさんの助けを借りて捕まえた子猫2匹については、パインさんから小さすぎて手術は出来ないと言われ、仕方なくうちで保護し、人馴れさせた上で里親探しをすることになった(第43話第44話第45話)。

時は2014年2月。なかなか人馴れが進まないながら、インターネットの里親募集サイトに掲載した真央とミク。間もなく問い合わせが数件入ってきた。真央とミクの前に募集していた幸太や大輔には全く問い合わせがなかったので、私には初めてのお問い合わせとなった。
嬉しいはずではあったが、ミクと真央は人馴れしていないのに、ただ見た目が可愛いというだけで、よく考えていない応募者なのではないかと逆に心配になった。

意外と条件をよく読んでいないで応募してくる人や、条件をよく理解していない人もいた。
お断りした応募者さんの例としては、一人暮らし不可なのに一人暮らしの男性からの応募や、完全室内飼いと言っているのに毎日職場に猫を連れていくという自営業の男性、ハリネズミと一緒に猫を飼いたいと言ってきた女性もいた。その方には、ネズミが怯えて可哀想だから、そのネズミが天寿を全うしてから検討しなおして欲しいとお願いした。また、真央やミクに向けて申し込んでくれたのかどうか、手あたり次第コピペして同じ文章を送っているのではないかと思われる応募者もいた。
自己紹介を添えて申し込んでほしいといっているのに、何も書かず、ただ「猫ください」という人もいた。私は基本的にすべての方に返事を書く。詳しい自己紹介をお願いしたら、二度と返事がなかった人もいた。
うちから遠い方は不可にしてあった。私が里親として龍馬を迎えてから脱走させるという事件を起こしたときに、譲渡主のSさんが何度もうちに来てくれたように、私とて譲渡したのちに真央とミクが脱走したり、何かが起こったら行かざるを得ないから、通える範囲内に限定していた。
また小さなお子さんがいる主婦の方からの申し込みもあったが、申し込んだ直後に子供に猫アレルギーがあることが判明したと辞退されたこともあった。
できるだけ2匹一緒にと書いていたのだが、殆どの人が1匹だけ、ミクが良いという人、真央が良いという人それぞれだった。申し込みの理由は、ほとんどが顔が可愛くて目を引いたとのことだった。まずは顔だとは、人間の出会い系サイトと一緒だなぁと思ってしまった。
人馴れしていない猫を引き受ける苦労については、誰も真剣に考えていなさそうだったし、そもそも譲渡する側の私も、そんな猫を人に託して大丈夫なのかどうかもわかっていなかったが、先輩からは馴らしてくれるという人に託せば大丈夫だと言われていた。

応募があってもピンとくる人はなかなかいないものだと思っていたところに、御縁を感じる家族から真央に申し込みがあった。うちから自転車で15分ほどの近くに子供二人と住む女性。ご主人は単身赴任中とのこと。真央への申し込みの理由は、飼い猫が老衰で亡くなったので次の猫を探していて、真央の美しさに惹かれたと。前の猫も保護猫で、留学先の中国で知り合いから託され、そのまま帰国時に日本に連れてきて最期まで飼い遂げたと。そして、この女性は偶然にも私と同じ職業の人だったので、どんな生活なのか想像ができた。
ここまでで私はかなり有望だと思った。メールの返信もタイミング良く来るし、きちんとした内容だったので信用できると思い、次の段階として私の電話番号を知らせ、電話で話をさせてもらった。電話の応対もとても好印象だったので、自宅を教え家族で真央に会いにきてもらうことにした。

この段階まで進んだことはかつてない。私にとっても初体験だ。
先輩ボランティアさんに逐一相談しながら進めていた。先輩もかなりいい線だと言ったので、何とか話をまとめようと私も緊張した。

いよいよお見合いの日。じっくり見てもらうには、真央をケージにいれてリビングに連れてこなければならない。相変わらずなかなか触れない家庭内野良猫状態の真央。何とか部屋の隅に追い詰めて捕獲成功。ケージに入れたが、閉じ込められた恐怖で耳は水平に、そして威嚇しながらケージの中に入れてあった箱の中に隠れていた。ミクも一緒にケージに入れ、あわよくば一緒にもらってもらいたいと思った。 

里親希望者さん到着。小学生のお子さん二人も非常に礼儀正しく好印象。洗濯ネットに入れたまま抱っこしてもらえたものの、真央もミクもかなり不愛想だったが、慣らせば慣れてくるとは伝えた。
一番大事なことは脱走対策だ。うちの龍馬ですら捜索に相当苦労したので、真央のように触ることも難しい猫は、脱走させたら見つからない可能性が大きい。自宅を見せてもらい、脱走対策をお願いすることにした。脱走対策には理解を示してもらえたが、人馴れしていない猫、脱走する猫のイメージがつかめない様子だった。
その日そのままご自宅へ。広めのマンションで理想的な自宅。私はすっかり乗り気になり、ケージを置いてもらうこと、脱走しそうな場所に柵を付けてもらうことをお願いして帰宅した。先方は再度検討して返事をくれることになっていた。先輩にもすぐに報告。先輩も良いご縁だと言ってくれていた。

果たして数日後、メールが来た。断りのメールだった。理由は「人慣れしていない猫を飼ったことがなく、脱走したいと思う猫がいることも知らなかった。真央が自分たちが望むようなゴロスリ猫になってくれなかったらどうしようと思うと決断できない」とのことだった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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