コラム

第45話 猫道の猫達 その11 真央とミク 里親募集へ

【これまでのストーリー】

2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その半年後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまう(第5話から第26話)。
龍馬の捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢に関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第28話)、人馴れした子猫3匹保護、うち2匹を知り合いに託し(第29話)、1匹は手放せずうちの子にしてしまう。(第30話第31話)残りの猫は避妊去勢手術をしてその場に戻すことに(第32話)。
先輩ボランティアのパインさんの助けを借りて捕まえた子猫2匹については、パインさんから小さすぎて手術は出来ないと言われ、仕方なくうちで保護し、人馴れさせた上で里親探しをすることになった(第43話第45話)。

時は2014年2月。なかなか人馴れが進まない真央とミク。馴らすためには、猫にもそのような素質がなければならないし、人間にもそれなりの条件が整っていなければならなかったことを当時の私はわかっておらず、どんな猫でも頑張れば馴れてくれると思っていた。

あとで知った話だが、生後3か月までに人間に接した事がない猫はもう人慣れしないとう説もあるらしい。
生後3か月以内しか保護しないと決めている保護主もいるそうだ。真央とミクは当時生後5か月で、警戒心強い母猫のクリームからしっかり野良猫教育を受けていたようだった。

また私の方にも無理があった。
私は毎日仕事が忙しく、遠方に老老介護をしている両親を見に行くために長期で家をあけることもある。人馴れさせるには十分かまってやる時間が必要だったのに、私は家にいる時間が少な過ぎた。
人馴れ訓練がうまくいかない技術的な問題に加えて、精神的にも乗り越えなければならないハードルもあった。共に暮らせば沸いてくる情だ。くるみを保護した時に(第30話第31話) 、結局知らない人に託す不安の為、手離せなくなったのだ。それでもう二度と保護しない、家に入れないと固く決心したのだから、真央とミクについては、最初からこの子達はうちの子ではない、手放す子だと自分に毎日言い聞かせなければならなかった。

【ミク】
みく

覚悟を決めて譲渡の準備をすることに。
譲渡する方法としては、インターネットの里親募集サイトに掲載する方法と、譲渡会に参加させてもらう方法と2つある。
ネットの里親募集は、私自身が龍馬の里親になった時にも利用したし、少し前に保護した大輔、幸太もネットでの募集も一旦してから知り合いに託した。里親募集されている猫はたいてい人慣れしている。しかし、真央とミクはいわゆる家庭内野良だ。ミクは気が向いた時だけ寄ってくるがそれも週に1回程度。真央に至っては全く触れない。そのことを理解した上で迎えてくれる里親さんでないといけないので、猫を保護した経緯、健康状態、性格、里親さんへの条件をサイトに書き込んだ。

条件については、虐待目的で猫の里親になろうとするような里親詐欺事件や、飼い主としての責任感が足りない人が非常に多いので、厳しめにするようにと先輩からも助言された。終生何があっても家族として大切に育ててくれるということは当然の必須条件として、その他、人馴れしていないことを理解し気長に馴らしてくれる人、うちから近くであること、ペット可の住宅で完全室内飼いのこと、何かがあった時に備え一人暮らしでないこと、脱走対策を完璧にしてくれることに加え、仲良しのこの2匹を引き離すことがとても忍びなかったので、2匹一緒に迎えてくれる人というのを条件に加えた。
 
親子、兄弟を一緒に迎えてもらう条件にするか否かは、意見が分かれるところだ。2匹一緒という条件にすると決まりにくくなるからということで、別々でも可としている譲渡主も多い。1匹なら飼えるが2匹は飼えないと言われる里親さんが多いのだ。私も最初に里親として龍馬を迎えたときは同じことを言ったのでその気持ちはわからないでもないが、その後、説得されて仲良しの凛子も一緒に迎えてみて、1匹より2匹の方が一緒に遊んでくれる分、飼い主としてもラクだし、仲良く遊ぶ姿を見て引き離さないで良かったと心から思ったものだ。真央とミクも引き離すのは忍びなかった。そういう猫の気持ちを汲んでくれる里親さんに迎えてほしかった。

条件そのものだけでなく、譲渡のプロセスも厳しく決めていた。ネットで見て気に入ってもらえば申し込みが来る。メールで何回かやり取りしたあとで、信頼できそうな人だった場合に限り、こちらの連絡先を教え、猫とのお見合いに来てもらう。その際、私は家族全員で来てもらうようにお願いしている。お見合で猫を気に入ってもらえ、お互い人間同士も異存なければ、私はそのまま先方の自宅に行き、飼育環境を確認、脱走防止対策の助言をさせてもらう。先輩から、猫を届けに行って初めて里親さんの自宅が猫を飼える環境ではないことが発覚したという話を何件が聞いたことがあるからだ。例えばごみ屋敷だったとか。
そこまで確認してから譲渡を決定し、ケージなど飼育用品を備えてもらってから 猫を連れて行き、誓約書に署名をもらい、お試し飼育が開始する。2週間程度のお試し期間が経過し、双方ともに問題ないと認められれば正式譲渡となるというプロセスだ。

かなり厳しい条件であるかもしれないし、里親への条件については全般的に厳しすぎるとの意見も多いやに聞いている。しかし、どんなに厳しくしていても、虐待などの犯罪、無責任飼い主による飼育放棄、脱走、脱走後の放置、家族による遺棄など、譲渡後に猫が不幸になっている問題は後を絶たないのだから仕方がないと思う。実は今の私はもっと厳しい条件にしているが、それで素晴らしい里親さんに巡り合えている。この話はまた後日。

2、3の里親募集サイトに掲載して反応を待った。以前募集した幸太や大輔は人馴れしていたにもかかわらず全く申し込みは無かった。果たして真央とミクはというと、すぐに問い合わせが何件か入ったのだ。人馴れしていないというのに本当に良いのか、真央もミクも見た目が可愛い美猫だからか、ネットの出会い系サイトでは人間も猫もやはり見た目重視なのかと心配になった。
続く。

【真央】

真央

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

■関連記事
犬・猫の去勢手術(ペットタウンの保険編集部)
第46話 猫道の猫達 その12 真央とミク お見合いへ(Candy)
ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加