コラム

第43話 猫道の猫達 その9 ミクと真央、想定外の保護

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、 その後2013年6月に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまう(第5話から第26話)。
その捜索中に出会った沢山の野良猫の避妊去勢に関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群を見かけ(第28話)、人馴れした子猫3匹を保護して、2匹を知り合いに託し(第29話)、ひ弱なくるみは手放せずうちの子にしてしまう。(第30話第31話)残りの猫は避妊去勢手術をしてその場に戻すことに。本来は長年餌やりをしてきたメロンさんが手術まですべきことだが、メロンさんは手術代を出せないと言うので仕方なく私が全て引き受けることに。(第32話)。 
しかし、なかなか捕まらないサビ猫のデビが妊娠してしまったり(第33話第34話)、避妊去勢手術に反対するおじさんの妨害に遭ったりして苦労する(第35話)。
同時に別の場所のパンジー公園にて餌やりのシマコさんに頼まれて子猫3匹の避妊手術をしたものの、手術後にまた外に放すのが忍びなく、犬ボランティアのナッツさんの助けで里親探しをしてもらう(第36話から第38話)。
第38話から第42話まででボランティアとは何かというトピックを号外で入れたが、また第35話の続きとして、猫道の猫たちの手術奮闘記に戻る。

時は2014年の2月に遡る。10匹以上猫が集まっている猫道の猫の手術を進めていたが、最初に遭遇してからすでに3か月経過していた。
当時の私は全くボランティア活動をしようなどとは思っていなかった。たまたまその場所で大量の猫に遭遇しやむを得ず関わってしまったが、忙しい毎日だったので、早く全頭手術して、早く手をひきたかった。
それに何十年もそこで餌をやり猫の面倒をみてきたメロンさんが間もなく引っ越してしまうというのだ。猫たちが信頼している餌やりさんがいなくなると、捕まえるのは難しくなる。急いで捕獲を終えてしまわねばならなかった。

次に狙ったのは、少し前に避妊手術をしたクリームというメス猫が産んだ子供3匹だった。メロンさんによると、メスの三毛、メスのキジ白、オスの黒猫の3兄弟、生後5か月。人馴れしていない。
前述のシマコさんの紹介で近隣のボランティアのパインさんに捕獲を手伝ってもらい、何回かトライして三毛とキジ白が捕まった。そのまま病院に連れて行き、手術をして元の場所に放すつもりだった。
ところが、捕まった2匹を見てパインさんが、「あらぁ、思ったより小さいわね、これじゃあ手術はできないわ。」と。
え?そんな。もう捕まえてしまったのに。猫は意外と頭がいいのだ。一度捕まって怖い思いをしているので、後でまた捕まえて手術しようとしても一度放したらもう二度と捕まらない。メス2匹を手術しないまま外に放置したら、どれだけ子供を産むかわからないから未手術では放せない。猫は生後6か月でも充分出産できる。そして1年に2,3回、一回に3~6匹産むのだ。あっという間に20匹、30匹になってしまう。

避妊去勢手術の適正月齢は当時所説色々あり、何が正しいのか私はよくわからなかった。
最近では、最初の発情が来る前に手術した方が将来子宮や乳腺系の病気になる確率が減るといわれているようだ。つまり生後4、5か月でということになる。
しかし、その時は捕獲を手伝ってくれていたパインさんの意見に従い、手術は見送ることになった。ということは、家に保護して大きくなるのを待ってから手術するしかないことになるのだが、そもそもどこに保護するのかという問題があった。
うちはもう既にこの場所からくるみを迎え入れ猫が増えている。それ以上は絶対入れられないと決めていた。
パインさんとて自宅は一杯だとか。それに、しばらく人間の家で生活させたら、その後手術してまた外に戻すのは却って可哀想だし、元の餌場に戻ってもその猫の居場所がなくなっていたりする。
ということはもうこの段階で、外に放すと言う選択肢はないということになる。つまり保護して里親探しをせざるをえなくなった。
捕獲器に入った猫を眺めながら途方にくれた。
手術ができないなんて全く想定していなかった。まして保護するつもりも全くなかったのに。

しかも、この子達は私が見つけて私が救出に入ったので、私が最後まで責任を持つことになるのだとその時知った。それまで私は猫ボランティアと言えば、龍馬の譲渡主のSさんしか知らず、龍馬脱走時に遭遇した野良猫で保護すべき猫たちは全部Sさんが持ち帰ってくれたので、ベテランボラさんは皆そこまでやってくれるものだと思っていたし、私自身はボランティアのつもりはなかったので、自分が保護して里親探しをすることになろうとは想定していなかったのだ。しかも人馴れしておらず触れない子を。

とりあえずその日は三毛猫はうちに連れて帰り、キジ白は一旦パインさんの紹介である動物病院で格安で預かってもらうことになった。パインさんからは、里親会を紹介するので人馴れさせて里親会に出すようにとの助言だった。どちらの猫もフーシャー威嚇激しい猫だ。どうやって人なれさせるのかも全くわからなかった。

困り果てた私は、Sさんに電話して相談したところ、
「健康で外でも生きていける子は外に戻した方が良い。生後5か月なら手術も大丈夫。保護して2週間くらいなら外に戻しても何とかなる。私みたいに身動きできないほどに増えたら大変よ。とにかく片手までにしておきなさい」と。
以前から相当数の猫を保護していたSさん。片手までにしろ、というのは5匹までということだろうか?おそらく40匹くらい保護しているのではないかと思えるSさんがそういうのであれば、さらに増えて相当大変なことになっているのだろうと推察した。助けてもらうどころの話ではなさそうだ。

悩んだ挙句、さっさと手術して外に放すこともできないし、覚悟して自分で責任持つしかなくなった。
これで絶対最後というつもりで、保護し里親探しをすることにした。
キジ白も病院からうちへ連れて帰った。三毛はミク、キジ白は真央と名付けた。丁度ソチオリンピックの浅田真央ちゃんの勝負のフリーの日だった。

【真央とミク】
真央とミク
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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