コラム

第40話 号外 猫ボランティアとは何か その3 悪意なき誤解と悪意ある押し付け、敵意の攻撃

【これまでのストーリー】
2011年2月に保護猫の龍馬と凛子の里親になったところから始まった私の猫ライフ(第1話第2話第3話)。その2年半後に龍馬を脱走させてしまい(第5話から第22話)、1か月間の地獄の捜索体験をする中で、多くの野良猫に出会い、避妊去勢手術に関わることに(第23話から第26話)。それがきっかけで野良猫の悲惨な実態を知り、近所で見かけた野良猫の避妊去勢手術、保護、里親探し活動をする事になる。その新米猫ボラ日記を第38話まで紹介したところで活動日記は一旦中断。
里親として譲渡主から猫を迎えた経験もあり、またボランティアとして野良猫を保護し里親探しをした経験もあり、ボランティアさんに助けてもらった経験も、ボランティアとして助けた経験もある私だからこそ見えてきた両者の間の大きなギャップ。それを埋めることができれば、長期的に不幸な猫を減らすという目標に近づける一歩になるということを最近の活動の中で気づいたので、号外として書くことにした。(第38話第39話

第39話では一般の人がボランティアに抱く悪意なき誤解について私の体験を2つ説明したが、それをもう少し紹介する。
    
私は近所の餌やりのシマコさん(第26話)の頼みで、シマコさんの餌場の猫を捕獲の手伝いをしている。シマコさんはきちんと手術代を出す正しい餌やりさんだが、猫道や他の餌場で手術する人がいない場所では仕方なく私がスポンサーになることがある(第28話から第35話) が、私はお金を出すボランティアをしているわけでも、そんな余裕ある生活をしているわけでもない。不幸な命を増やしたくないので生活費を削って猫費に回しているだけだ。
それを誤解して聞きつけたあるお婆さんが事故に遭った猫に遭遇し、シマコさんに連絡をしてこう言ったそうだ。「シマコさん、あなたの知り合いに猫を助けてくれて、お金も出してくれるボランティアがいるんでしょ、猫が事故に遭って死にそうなんだけど、私はお金がないの。紹介してくれない?」

シマコさんは餌やり歴10年以上で、ボランティアの苦労をわかっているので、私の連絡先は教えず、私にもその婆さんの話をしばらくしなかったのだそうだ。私が聞いたのはずいぶん後になってからだったのでもうどうしようもなかった。
シマコさんが私に伝えなかった選択が正しいかどうかは答えは出ない。その相談してきたお婆さんは恐らくその猫を救わなかっただろうから、その猫は恐らく苦しんで亡くなっただろう。想像しただけで鳥肌が立つ。

私がその時聞いていたらどうしただろう。ボランティアはATMじゃないと怒っただろうが、いくらかかるかわからない医療費も問題だが、その後その子を保護する場所もないのだ。安易に助けますと手を挙げられる状態ではない。しかし、知ってしまった以上、助けない決断をしたら苦しくて心が破れそうになっただろう。
私はまだ新米ボランティアなので、相談にのりますと連絡先を公開しておらず、見知らぬ人から相談が来るようなことは滅多にないが、対応できないような相談が来たら、猫の事が心配で断り切れるのか自分でも自信がない。ではそのような相談にどう対応すべきかはまた後に。

大いなる誤解の例をもう1つ。
つい昨日の事だ。近所の猫のたまり場で避妊去勢手術を受けさせるために捕獲をしていたら、通りかかりに何をしているのか聞く人が数名いた。説明すると、「ご苦労様です。保健所の方ですか?」と言われたり、「大変なお仕事ですねえ。」と言ったお婆さんもいた。
そう、こんな大変なことボランティア、しかも労力だけではなくお金まで出しているボランテイアだと知っている人は少ないのだ。

新米で無名のボランティアの私と違って、ベテランで名前が知れているボランティアや、大きな保護団体には沢山の相談が寄せられる。悪意なき相談だけではなく、悪意ある押し付け、さらには敵意の攻撃とも言えるようなものもあると聞く。

これは実際私の目の前で起こった事例だ。
あるベテランボランティアさんと一緒にいたときのこと。その人の携帯に知らない人から着信。その数日間に何度もかかってきたらしい。聞こえてきた会話に私は耳を疑った。どうやら電話をしてきた人は非通知で名前も名乗らず、「OOで子猫の声が聞こえる。助けてあげてくれ。」と言う趣旨の事を言ったようだった。名乗らないってどういうことなのだろう。可哀想だ、助けてあげたいが、自分は一切かかわりたくないし、お金も出したくないということなのだろうか。

もう1つ。別のベテランボランティアさんがある時 ひどく憤慨していた。自宅の郵便受けに、衰弱した仔猫の写真とその場所が書いてある紙が投函されていたのだそうだ。差出人の名前はなし。その人はどうして自分の自宅の住所を知られているのかわからないと言っていた。

これらは私が遭遇した悪意なき誤解とは全く違って、確実に悪意があると言える。面倒を背負いたくない、お金を払いたくない、誰かに押し付けたいという悪意がある押し付けだ。

さらに酷い例は、押し付けてくるだけではなく、断ったり医療費は出してくださいと言うと、逆切れして、ボランティアのくせにお金をとるのか、ボランティアなんだから助けて当然だと攻撃されたりすることもあると聞く。

数か月前のこと。なぜだか私にはまだわからないが、広く相談を受けている別のベテランボランティアさんは、電話番号は教えても住所は絶対に教えないと言っていた。「動物愛護者をひどく嫌う人がいる。家に火を付けられたら困るから」と。これだけ猫を助けていて、一体全体どういう理由で火を付けられるようなことがあるのか、全く理解できない。

こんな思いをしながら活動しているボランティアに対して、悪意や敵意を持っている人は論外としても、悪意なき誤解をしている人には正しい理解をしてもらい、ともに協力しながら不幸な猫を救うことにつなげてほしい。
どう理解すればよいかは次号に続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

 

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