コラム

第38話 リロの運命と猫ボランティアとは何か その1

【これまでのストーリー】
2011年2月に保護猫の龍馬と凛子の里親になったものの(第1話第2話第3話)、その2年半後に龍馬を脱走させてしまう(第5話から第22話)。1か月間の地獄の捜索体験の中で多くの野良猫に出会い、悲惨な外猫生活の実態を知り、捜索を手伝ってくれた龍馬の譲渡主のSさんの指導のもと、野良猫の避妊去勢手術に関わることになる(第23話から第25話)。
その半年後に偶然 猫道と呼ばれる猫スポットで十数匹の猫を見かけ、保護活動を始めることに(第28話から第35話)。また、同時に近所のパンジー公園で野良猫に餌をやっているシマコさん(第26話)にも避妊去勢手術の為の捕獲を手伝ってほしいと頼まれた。
2013年の12月頃、シマコさんからの連絡で子猫3匹を捕獲することに。手伝ってくれる猫ボランティアを探すも見つからず、苦肉の策でスーパーに犬の里親募集の貼り紙をしていた犬ボランティアのナッツさんに助けを求めたところ、有難いことに自宅に保護して人なれさせ、里親探しまでしてもらえることに(第36話)。うち2匹はすんなりもらわれていくも、警戒心の強いリロは人馴れできず里親探しは難航、ナッツさんはリロを外に戻すことを考えると言った。(第37話

当時の私は猫の習性や保護活動についての知識も殆どなく、どのような状態なら里親探しが可能で、どうなら外に戻すのかよくわかっていなかったのではあるが、1か月以上も人間の家で寝るところも食べる物も与えられてきた猫に寒い季節に外猫暮らしを強いるのは余りにも不憫で、ナッツさんに外に戻さないでほしいとお願いをし、それがダメならうちで引き取ろうかと無謀なことを考えた。

当時の我が家は、もともと龍馬1匹だけのつもりが、情にほだされて引き取ったり保護したりしていつの間にか定員を大幅にオーバーしてしまっておりそれ以上は無理な状態であった。

それまでの私の保護経験では、脱走させた龍馬の捜索中に近所で出会った子猫や病気の猫を、龍馬の譲渡主でベテランボランティアのSさんが自らの意志で連れて帰ってくれたり、私から医療費を渡してお願いすれば病院に連れて行き保護してくれていたので、ボランティアというのはそういうものだと思っていたし、人馴れが進まない子猫を外に戻したこともなかったので、保護してしばらく経過したリロを外に戻すと言う発想は私には驚きだったのだ。

そうこうしているうちに、ナッツさんからリロの里親さんが決まったとの報告があり、よかった、と胸をなでおろした。ナッツさんには心から感謝した。

実はその一件からずっと後になって、なぜかこの件を知っていた別のベテランボランティアさんから、ボランティアに保護してくれと頼んではいけないと苦言を呈されたことがあった。ナッツさんが猫を抱える羽目になり大変になるだろうと。大変なのは勿論わかるが、それを助けてくれるのがボランティアだと思っていたし、私はナッツさんに無理にお願いしたつもりはなく、相談してみたら意外にもすんなり引き受けてもらえ、育費や医療費は支払うと申し出たところ、要らないと言われ、それでは私の気持ちも済まないので幾分か寄付させてもらい、問題なく保護してもらえたように思えていたので、そのベテランボランティアさんの発言の意図がよくわからなかった。
ではどうすればよかったのか、自分が保護できなければ放置するしかないのか、それを助けてくれるのがボランティアではないのかと当時は思ったが、その時はすみませんとしか言わなかった。あとでよく考えたら、どうすればよかったのか、じっくり聞いてみればよかったと思った。

この一件は今から3年以上前のことで、私はまだボランティアをしているつもりはなく、近所で見かけた子猫を助けたいと思う普通の猫好きな住民の一人だったし、脱走させた龍馬の捜索活動の中で、ボランティアのまねごとをした経験があるくらいのことだったので、そもそも当時の私は、猫ボランティアとは一体どういうものなのか、何をどこまでしてもらってよいのか理解できていなかったのだと思う。
私に子猫の捕獲を依頼した餌やりのシマコさんと、捕獲し保護についてナッツさんに相談した私と、保護してくれたボランティアのナッツさんの間にどんな役割分担や権利義務があるのかなど考えも及ばなかった。
猫ボランティアの世界には、相談者、ボランティア、餌やり、里親、保護主など色んな肩書きがあり、それぞれの役割や義務があるのだが、それは人によって異なっていたりもする。

皆、Sさんのように費用を負担してお願いすれば助けに来てくれたり、保護してくれるものだと思っていたこともあったが、猫道で多数の猫に遭遇した時、助けてくれるボランティアを探してネットで検索、連絡してみたりしたが、殆どが返信なしか、関与を断られたこともあった。または、搬送や病院の紹介などの協力をしてくれたボランティアさんはいたが、Sさんやナッツさんのようにお金を渡せば引き取ってくれるなどという人はいなかった。またそんなSさんもその後まもなく手一杯で身動き取れなくなり、助けてもらえなくなったし、私にも保護しすぎないようにと忠告があった。多くの人にあれだけの援助をしたら、それもそうだろうと今は理解できる。

このコラムの読者の方は猫好きで、外で可哀想な野良猫を見ると、誰か助けてあげて、保護してあげて、と思われることもあるだろう。自分にはできない理由を色々挙げて。
かつての私もそうだったので、その気持ちもわかる。
しかし、私もボランティアをするようになった今、そういった相談がどれだけボランティアを苦しめるかを理解して自らも出来ることを探して動いてほしいと思う。
1匹でも多くの猫が不幸から救われることを目指してこのコラムを書いているので、是非この機会に読者の方にボランティアへの相談の仕方について、ついこの間まで相談する立場であった私の視点から考えを述べてみたい。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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