コラム

第34話 猫道の猫達 その7 デビとの知恵比べ

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その後 自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第26話)、その捜索中に出会った沢山の野良猫に避妊去勢させることに関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後の2013年冬、猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群に出会い(第28話)、人馴れした子猫3匹を保護して里親探しをすることにしたものの(第29話)、知らない人に託すことを不安に感じ、2匹は知り合いに押し付け、気弱な1匹は手放せずうちの子にしてしまう。(第30話第31話) 
残りの猫は人慣れしておらず飼い猫になれないため、TNRすることに(T=Trap捕獲、N=Neuter避妊去勢手術、R=Return元の場所に放す)。本来は、餌やりをしてきたメロンさんが手術まですべきことであるが、経済的余裕がなく手術代は出せないと言われ、仕方なく私が全て引き受けることにした。(第32話) 
捕獲の技術に自信のない私は、手伝ってくれるボランティアを探したものの来てくれる人は見つからず、初めて一人で捕獲することに。 最初の2匹は意外と簡単に捕獲出来た。(第33話

メスが多いこの現場。デビはお腹が膨らんでいるように見えた。
最初に見かけてからすでに3か月。妊娠してしまった可能性が。
ほかの子も急いで捕獲しなければと、焦る私に追い打ちをかけるような悪い知らせが。その現場で長年餌やりをしてきたメロンさんが、その1か月後に田舎に引っ越すというのだ。
え?こんなに沢山の猫を残して?無責任ではないかと思ったが、メロンさんも経済的な事情で仕方なくとのこと。餌やりは近所のおばあさんのイチゴさんという人が引き継ぐとのことだった。

メロンさんはその餌場のすぐ隣に住んでいる人で、避妊去勢手術こそしていなかったが、掃除はきちんとし、庭に猫トイレも作っている人で、近隣から文句が来たり、保健所に通報されたり、トラブルもあったようだが、強烈なキャラのメロンさんは、一人で全ての苦情を撃退し、保健所も引き下がったという強者で、何とか猫を守ってきたようだ。しかしそれに比べ、イチゴさんはひ弱そうなお婆さん。自宅も少し離れている。私は不安だったがどうにもしてやれない。
とにかくメロンさんが引っ越してしまう前に全頭捕獲して手術しなければならなかった。
猫を捕獲しようと思えば、この現場のように、長年餌やりをしその場にいる猫をよく知っている人の存在が必要なのだ。猫の方も見知らぬ私が近づくと警戒するが、その餌やりさんが外に出てくれば集まってくる。
昔から猫は家につき、犬は人につくと言われるが、そうとも限らない。猫は人を見分けるのだ。

とにかく急いで捕獲が必要なのはあと4匹。サビ猫のデビとその他子猫3匹。少し前に捕獲して手術したクリーミーの子供だそうだ。
サビ猫は相当警戒心が強いと聞いた通り、何日か通っても一向に捕獲器に入らない。それまでに捕獲した三毛とクリーミーが捕まるところを見ていたのかもしれない。捕獲器を覚えてしまった可能性がある。
捕獲器を段ボールでカバーしてそれとわからないようにしてみたりしたが、見破られたようで入ろうとしない。
一度は半分入って、うまい具合に餌だけ咥え、蓋がしまる寸前に素早く逃げてしまったこともある。
相当頭の良い猫らしい。知恵比べで私は負けていた。

それでもお腹が空けば必ず入ると聞いていたので、餌やりのメロンさんには前日から、このデビだけは餌をやらないでと頼んでいたが、ここは多くの人に知られている猫スポットだった。
通りがかりの人や猫と遊びたい人がやってきて気まぐれに餌を与えていくので、危険を冒して捕獲器に入るほどの空腹にならないのだ。
本来はそのような無責任な餌やりはすべきでない。
野良猫は危険な環境で命がけで生きている。その命に関わる人は、責任もってその命を守ってやるべきだ。自分が癒されたいがために猫に会いに来て、気まぐれに餌を与え、遊んでいくだけの人は無責任であると思う。
一度餌をもらえれば、毎日同じ時間にもらえるものと猫は期待する。待ちぼうけは可哀想だ。
それに無責任に人慣れさせたら、悪い人に虐待される可能性がある。自分で飼ってやらないなら慣らすべきではないと思う。
さらに、餌を置きっぱなしにして片づけていかない人が多い。現場を汚すので近隣から文句が来る。それが猫に対する虐待に発展することがある。 
そして一番大事なことは、餌をやるからには避妊去勢手術をさせるべきであるということである。
このコラムの読者の中にも、時々何の気なしに見かけた野良猫に餌をやっているという人がいるかもしれないが、自分がかかわった命が無事に生き抜けるように、責任もって継続した餌やり、片づけ、そして避妊去勢手術をするということをすべてセットで考えてほしい。
その際は地元の保健所か動物病院に相談して、捕獲を手伝ってくれるボランティアを探すことをお勧めする。
ただしボランティアに頼むのは捕獲と野良猫割引してくれる病院の紹介だけである。手術代は自分で工面し、決してボランティアに丸投げしないようにお願いしたい。(この話はまた後日)

話をデビの捕獲に戻そう。なかなか捕まらないまま時間が経過。そのうち私の顔も覚えてしまったようで、遠くからでも私を見つけると隠れてしまうようになった。
メロンさんの引っ越しの日も近づいてくる。
もう私一人ではどうにもならないと思い、人づてにベテランボランティアのパインさんに無理を言って応援を頼んだ。来てくれたもののデビはなかなか捕まらない。
実はその現場にはとんでもない妨害があった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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