コラム

第33話 猫道の猫達 その6 孤軍奮闘

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、自分の不注意で龍馬を脱走させ、地獄の捜索体験をすることに。(第5話から第26話
その捜索中に出会った沢山の野良猫に避妊去勢させることに関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。その半年後の2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群に出会う。(第28話
そのうち人馴れした子猫3匹(幸太、大輔、くるみ)を保護して里親探しをすることに(第29話)。しかし初の里親探しで苦戦し、知らない人に託すことが不安になり、結局、幸太と大輔は知り合いに押し付け、くるみは手放せずうちの子にしてしまう。(第30話第31話
残りの猫も避妊去勢手術をすることに。本来は、餌やりをしてきたメロンさんが手術まですべきことであるが、経済的余裕がなく手術代は出せないと言われ、仕方なく私が全て引き受けることにした。(第32話

私の不安は、手術代もさることながら、技術的に私に捕獲ができるのだろうかということだった。これまで脱走した龍馬を探す為に仕掛けた捕獲器に入った野良猫は、どれか特定の猫を狙って捕まえたわけではない。勝手に入ってきたものを捕まえただけなので特に技術は要らない。 
しかし、今回は多数いる猫の中から未手術の子を選り分けて狙いを定めて捕獲するのだ。
それが私にできるかどうか。
龍馬の譲渡主のSさんに助けを求めてみたが、時間がとれないと。別のボランティアさんを探しあててお願いしてみたものの、やはり手一杯らしく来てはもらえなかった。

当時の私にはわかっていなかったが、Sさんはボランティアの中でも特別によくしてくれる人だったようだ。
Sさんは龍馬の脱走時には、片道車で一時間かかるのに、かなり頻繁にうちまで来てくれて捜索を手伝ってくれ、その間に捕獲器にかかった野良猫も取りに来て病院への搬送、手術、元に戻すための搬送もしてくれた。それだけではなく、うちの近隣で見かけた子猫3匹 自ら保護して連れて帰り里親探しをし、私が見つけた病気の猫2匹も治療費を払えば連れて帰ってくれた。その上、帰り道に見つけた野良猫をさらに全部捕獲しようともしていた。(第23話から第25話
何も知らなかった当時の私は、ボランティアとはそういうもの、皆そこまでしてくれるものだと思っていた。
しかしのちに他のボランティアさんにSさんの事を話したら驚かれ、当時の私がSさんからしてもらったことは、かなり特別だったらしいことを後になって理解した。
今の私が、それと同じことを自分の里親さんにしてあげられるかと言われたら、とてもできない。
Sさんには感謝と共に申し訳なかったと心から思う。

そんなことを理解していなかった当時の私は、とにかく助けに来てくれるボランティアを必死に探した。
個人ボランティアがダメなら、団体なら助けてくれるのではないかと思い情報をネットで集めた。しかし、殆どの団体がネットには相談できる電話番号を書いてない。書いてあってもかけても出ない。メールを出しても返信は全く来ない。
やっと電話がつながった小さなグループの人に藁をもすがる思いで、いかにうちの近隣の猫事情が悪く、野良猫も相当多く、近所に来てくれるボランティアもいないと言うと、その人はボランティア全体の思いを代弁するかのように言った。「ボランティアは皆、相当の案件を抱えていて手一杯。そんな事情の悪い地域に関わったら抜けられなくなるから、みんな入りたがらないんですよ。」と。
そんなぁ、それを助けてくれるのがボランティアじゃないの?というのが当時の正直な感想だったが、
もう仕方ない、自分一人でもやるしかないと、捕獲器だけ借りて一人で捕獲することに。 

猫道にうろついている10匹のうち、未手術はとりあえず6匹。うちメスが5匹。ほっておいたら1年後には40~50匹ということもありえるのだ。急がなくては。
本来は、餌の時間を決め、その時間に現れる猫を捕獲するのが一番簡単なのだと習った。
その数日前から捕獲対象の猫だけ餌を抜き、空腹にすればたいてい捕まるのだそうだ。
しかし、猫道は餌やりのメロンさんが自宅前に餌を置きっぱなしにしている。そうなると、どの猫がいつ食べに来ているか検討がつかないので捕獲しにくい。
まずはメロンさんに餌の時間を決め、それ以外は餌を出さないようにしてもらう。
猫は朝5時ごろに餌の前をうろついていることが多いと聞き、朝5時を捕獲決行時間と決める。

まずは三毛猫から。私が保護して里親に出した幸太と大輔の母猫だ。
私が近づくと逃げるが、猫も利口で餌やりさんの顔は覚えている。
捕獲器の中にいい匂いのから揚げや焼き魚、高級缶詰を入れ、メロンさんに朝5時に出て来てもらい、私は隠れて見ている。

三毛、用心しながら捕獲器の中へ。やった、成功!
この時、捕まった猫は捕獲器の中で暴れるので、落ち着かせる為にも、また捕まったところをほかの猫に見せないためにも捕獲器をカバーで覆うことが必要と教わる。
タクシーで病院へ搬送。避妊手術をしたという証拠に耳カットをしてもらい、ワクチン、ノミダニ駆除などできる限りのことをしてもらう。人馴れしていない子は里親に出せないので、外に戻すことになる。
私がその子に何かしてやれることがあるとしたら、その日たった一日だけなのだから、せめてもの思いだ。
翌日迎えに行き、元の場所に放す。

しばらくして2匹目はクリーミーと呼ばれていたメスを狙う。それも難なく捕獲。
何だ、私にだってできるじゃん。
そう思って3匹目のサビ猫デビに狙いを定めるも、頭が良いとされるサビ猫には警戒され苦労する。
しばらくしてデビのお腹が膨らんでいるのに気づく。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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