コラム

第32話 猫道の猫達 その5 外猫の大群の避妊去勢へ

【これまでのストーリー】
2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎えて始まった私の猫ライフ。その2年半後に龍馬を脱走させてしまい、地獄の捜索体験をする。(第5話から第26話) その中で期せずして沢山の野良猫を避妊去勢させることに関わることになり、悲惨な野良猫生活の実態を知る。
その半年後の2013年11月に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群に出会う。(第28話) 
そのうち人馴れした子猫3匹(幸太、大輔、くるみ)をどうしてもほっておけず、保護して里親探しをすることに(第29話)。しかし初の里親探しは苦戦。また猫への情も湧き、知らない人に託すことが不安になり、結局、幸太と大輔は知り合いに押し付け、くるみは手放せずうちの子にしてしまう。(第30話第31話) 
我が家に一気に3匹となり、もうこれ以上保護はできないし、外猫救済活動はもう止めたいところだったが、まだ猫道に残っている去勢避妊手術をしていない猫を放置するわけにもいかず途方にくれた。

このコラムにも何度も書いたが、猫の繁殖能力はすさまじい。生後半年で妊娠可能となり、一度に3~5匹程度、1年に2~3回出産する。単純計算しても1年後には10~15倍になる可能性大である。

この場所で餌をやっているメロンさん(第29話)に話を聞けば、20年以上前からその猫道には猫が沢山おり、猫道添いに長年住んでいるメロンさんが餌をやり面倒を見てきたそうだ。庭にトイレの設置もしてあった。周囲には、その大家も含め猫嫌いが沢山いてトラブルにもなったようだが、パワフルなメロンさんはそれにも負けず、自宅前での餌やりを継続してきた模様。

私は、龍馬の保護主のベテランボランティアのSさん(第1話)に習った通り(第23話第24話)、餌をやる限りは手術もすべきだと啓蒙のつもりで話をしてみたが、メロンさんは私よりずっと猫歴は長いし、猫のことはよく知っているので、私なんかに言われなくても手術の必要性もわかっていた。が、瀕死の猫を保護して入院させて以来、お金に困っていて手術代は出せないと言う。餌代だけで精一杯だと。
また、以前、他のボランティアさんに来てもらい、すべての猫の手術をしたことがあったそうだ。
それで一時は猫が減ったが、また誰かがその場所に猫を未手術で捨てていき、あっという間に増えてしまったのだとも言う。

ではどうするのか、増え続けるではないかと言ってみたものの、メロンさんにはどうしようもないのだと。
唯一できることは、少しでも猫を人慣れさせて、誰かもらってくれる人がいることを期待するのだそうだ。

この考え方には私は反対だ。人慣れした猫は外にいると危険だ。猫嫌いからのいじめに遭っても逃げることを知らない。最悪は虐待事件に巻き込まれてしまう可能性も。噂の段階ではあったが、猫さらいなる者がいて、あちこちで不自然に姿を消す猫が後を絶たないとも聞く。
自分で飼う気がないのなら、外の猫を慣らしてはいけない、危険が沢山ある外の世界で生き抜いていけるように警戒心を失わせてはならない、自分が人慣れさせたのなら責任を持って飼ってやるべきだと思う。 

私は人馴れした猫を外で見かけると心配でたまらないので、幸太、大輔、くるみを保護してしまった。
メロンさんが、私がくるみの事が可愛くてメロメロになって保護したなどと言ったのを聞き、全く人の気も知らないでと腹が立ったが、本題はそれではないので呑み込んだ。

メロンさんが手術代を出す気がないのはわかったところで、どうすべきなのか?
他に払いそうな人など誰もいない。私が払うのだろうか?当時は、こういう場合は誰が払うのが普通なのか知識はなかったが、ここの猫とも何の関係もなく、この猫道添いに住んでいるわけでもない単なる通りすがり私が払うのはおかしいのではないかと思った。
勿論メロンさんに出してくれなどと言われたわけではないが、私はほっとけなくなっていた。
ボランティアというものはほっとけないという弱みを持っている人がやるのだなぁとつくづく思った。

ざっと見たところ、すでに手術済みの大人猫が2匹、未手術は大人のメスが3匹、子猫3匹だった。そのほか以前、うちの龍馬が脱走したときに自宅近辺にしかけた捕獲器に入り私が手術した子が2匹いた。
よかった、元気だったんだ、と安心したが、この10匹の内、未手術6匹、特に大人のメス3匹は急がないとまた産んでしまう。気が遠くなりそうだった。

とりあえず、龍馬の保護主でベテランボランティアのSさんに相談することにした。
龍馬の脱走事件以来久しぶりにSさんと話をしたら、やはり手術はしないといけないという意見だった。
資金は私が出せないのなら近所でカンパを集めたらどうかと。
近所からカンパって、関係のない近所の人に頭下げてお金をもらうの?
いやだ、それだけは嫌だと思った。カンパというと何だか私がやりたいことに寄付をしてもらうような気がする。そもそも野良猫の避妊去勢手術は私の為のものではない。
誰の為か?猫の為でもあるし、近隣の住環境の保護のためのものではないか。
だとしたら、その近隣の人が本来お金を出し合うべきものだという理屈に自分の中で到達したが、それを理解しないであろう人たちに説明して回り、お金を出してもらうと言う行為はとても嫌だった。
だったら全額自分一人で出した方が気が楽だ、これっきり、もうこれでやめるから、自分で出そう、そう思った。

そして、Sさんに捕獲に来てほしいと頼んだところ、しばらく全く都合がつかないとの返事だった。
時間の猶予はないので、私一人でもやらざるをえない。 
この難易度高い現場の捕獲を私一人でやるのかと真っ青になった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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