コラム

第31話 猫道の猫達 その4 初の里親探し 早々に断念

2011年2月に里親として龍馬と凜子を引き取ったところから始まった私の猫ライフ。
その1年半後に龍馬を脱走させてしまい、地獄の捜索体験をすることになり(第5話から第22話)、その中で期せずして沢山の野良猫を避妊去勢させることに関わる。
その後も近隣の猫の捕獲を手伝い(第23話から第26話)、やっと日常を取り戻したと思ったら、その半年後に猫道と呼ばれる場所にて偶然猫の大群に出会う。(第28話)そのうち人馴れした子猫3匹(幸太、大輔、くるみ)をどうしてもほっておけず、保護して里親探しをすることに(第29話)。

【左から幸太、くるみ、大輔】
第31話画像

初の里親探しは苦戦。また猫への情も湧き、知らない人に託すことが不安でたまらなくなる。もう募集はやめ、最初に里親が見つからなかったら引き取ってくれると言ってくれた知り合いの四つ森さんに(第28話)全部お願いしたいと思った頃に、くるみに会いたいと言う人を仕事の先輩の流星さんから紹介される(第30話)。

里親さんは優しそうな親子でくるみを気に入ってくれたが、先輩の紹介と言うこともあり、あまり立ち入った話も聞けないうちに、どんどん話が進んでいき、翌週には流星先輩がくるみを迎えにくるという話にまでなって帰って行かれた。
しかし、その後、家族はどんな人でどんな家に住んでどんな仕事をしてどんな生活をしているのか、夫婦の年齢も、何も肝心なことも何も聞いていなかったし、そもそも譲渡条件も具体的に設定していなかったことで不安になった。しかも、先輩がくるみを迎えに来て届けると言う。私もさすがに譲渡時は保護主がお届けに行く事は必須だと思っていたので、違和感と不安を覚えた。

もちろん今の私なら、最初から条件を設定し、ネットや里親会などで条件に合った人だけから申し込みを受け、じっくりと直接話し質問もさせてもらう。ご自宅訪問で飼育環境の確認もし、ご家族全員に会わせてもらってから結論を出すようにしている。そして猫をお届けに行き、誓約書にも署名をもらい、トライアル(お試し飼育期間)を経てから正式譲渡となる。今は念には念を入れたプロセスで譲渡しているが、3年前の当時の私はそんな意識はなかった。先輩の紹介だったこともあり、条件とか契約とか面談とか言いだせる雰囲気でもなかったこともある。

もちろん私も里親として龍馬を迎えた時は、譲渡主のSさんは自宅にも来たし誓約書もあったが、今の私がやっているプロセスよりはかなり簡易で優しいものであったと思う。果たして私は里親としてどうだったのか。もちろん猫への愛情は神に誓えるが、それでもうっかりで龍馬を脱走させてしまい、地獄の捜索を体験することになったのだ。(第5話から第22話)
いかん、いかん、そんな私のような里親はいかん。
脱走の防止確認のためにもご自宅には行きたいし、やっぱりまだ決められないと思っていたら、
先輩からメールで、くるみを迎えに来る日程の相談とともに、
「ところで、ボランティアさんがよくやるところの、自宅まで見にきてどうのこうのというようなことはしないでね。私に免じてどうかお願い。」と懇願されたのだ。

当時はそれをどう解釈していいのかわからなかったが、流星さんが、里親さんの家を見に来てあれこれ質問するという猫ボランティアに対して良い印象をもっていないこと、私にもそれをしてほしくないが為に、急いで自分が迎えに来ることを決めたのだろうということはわかった。
今の私なら、それに対してはっきりと自分の意見を持っているので話し合いさせてもらったであろうが、当時はよくわからなかったし、そこまで言われるならば、信頼してお任せしようと思った。(このトピックについてはまた後日)

流星先輩のメールになかなか返事をしなかったせいか、電話の着信があった。
わ、やば、くるみの引き渡し日の確認の催促か、と思い、
折角紹介してもらったのだし、良い人ではあるし、他に里親希望者が出るとも思えないしということで、私は譲渡する決心をし、
「お返事遅くなって済みません。くるみをよろしくお願いします。」とメールで返信した。

すると何ということか、流星先輩からは、
「譲渡は中止です。事情が変わりました。高齢のお母さんに重篤な病気があったことがわかりました。これはご縁がなかったということです。」と返事。
あれ?先輩、数日前はあんなに御縁だ、御縁だ、と繰り返していたのに、と一瞬唖然としたが、私はくるみを手放さなくてもよくなったことにほっとして喜んだ。
もうくるみはどこにもやらない。私が絶対幸せにする!と一人勝手に誓った。

かくして、やんちゃ坊主兄弟の幸太と大輔は、その後去勢手術をし、四つ森さん宅へ迎えてもらうことになり、くるみはうちに残った。

今、振り返って考えてみると、少しでも多くの猫を救おうとするのならば、それは正しい選択ではなかったのかもしれない。
くるみのように人慣れしていて性格よく飼いやすい子は、誰にでも飼える。私のような立場の人間が抱えてしまうのではなく、手放すのが辛くても他に里親を探し、自分はもっと大変な子をうちに入れるべきであったのであろう。
しかし、当時はそれ以上保護するつもりはなかったので、くるみで最後のつもりで我が子にした。
そしてこの経験をふまえ、自分は家に入れたら手放せなくなる、里親探しには向いていないし辛すぎてもうしたくない、これ以上うちに猫が増えるのは困るので、もう絶対に家に入れないと誓ったのだった。

3匹はやっと片付いたが、これで終わりではない。猫道に10匹近い猫が残っているのだ。
ベテランボランティアのSさん(第1話)から教えこまれたことを実践しようとするならば、すべての野良猫を手術しなければならない。が、私一人でその10匹の手術をするなんて、経済的にもまた捕獲技術の面でもハードル高すぎた。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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