コラム

第28話 遂に遭遇 猫道の猫達 その1

猫を飼い始めたところから書き進めてきたこの新米猫ボラ奮闘記。
前回の第27話では、緊急トピックがあったため号外を発行したが、また過去の奮闘記の続き(第26話)に戻ることにする。
5年半前に里子に迎えた龍馬(第1話第2話)を自分の不注意で脱走させ(第5話から第22話)、その捜索中に出会ってしまった多くの野良猫の避妊去勢手術に関わってしまったことがきっかけで、猫ボランティアの入り口を覗くことになったが(第23話第24話第25話)、その後はまた猫を見ない日々が続いた。

そして数か月のち、丁度3年前の11月。
10年以上いつも通っている道でそれまで全く気付かなかったのに、その日に限って見えてしまった。猫の大群が。
そこは車道につながる細い道で階段になっているため、車も自転車も通らず、人通りも極めて少ない道だ。仮称『猫道』と呼ばれ、猫が多数生息していた。
その日は子供達が子猫3匹を抱いていた。私が触っても逃げずゴロゴロ喜んでいる。周囲にはまだ人なれしてない猫が多数、警戒しながら様子を伺っている。習ったばかりの受け売りの知識で耳カットの有無を見る。ない。つまり皆、避妊去勢していないということだ。
子供にまじって中年の男性も猫を抱いていた。これはおじさんの猫かと聞くと野良猫だと不愛想に答えた。この男性がその後私の猫ボラ活動に大きくかかわることになる。仮名、猫道おやじ。

この子たちを放置したら来年には2倍3倍に増える。人なれした子猫3匹は悪い人にでもついていきそうで危険だ。しかも風邪ひいており、目やにで目がぐちゃぐちゃ。くしゃみもしている。一匹は片目が白濁に濁っていた。
こんなに多くの猫を見てパニックする私。いつも助けてくれたベテランボランティアのSさんはここにいない。私一人。当時はSNSもやっていなかったし、どうしたらよいのか、Sさんにメールして返事を待った。
うろたえているうちに雨が降ってきた。とりあえず一度自宅で落ち着こうと思っていたら、雨の中、にゃーおと私に話しかける子猫がいた。びしょ濡れになりながら私をじっと見ている。私がしゃがみ込むと即座に膝に乗ってきた。僕を連れてってくれ、と言ってるようだった。

えー、そんなぁ。苦しいよぉ。残して帰れないじゃん。
うちではもう飼えない。そもそも一匹のつもりで龍馬の里親になったのに、なぜかおまけで凛子がついてきたのだ(第3話)。すでに定員オーバー。
せめて風邪だけは治してやりたい。しかし、一度家の中に入れた猫をまた外に戻すことなどできそうにもなかった。

Sさんからのメールの返事を待つ間に、丁度その日職場で久しぶりに会った猫好き先輩(仮名 四つ森さん)と猫の話をしたことを思い出した。彼女はボランティア活動をしているわけではないが、近所の猫をを多数自宅に入れて飼ってくれたり、ポスターでいつまでも引き取り手のいない猫がいたら迎え入れている人だった。
何匹いるのか正確には知らないが、彼女のメルアドは時にfifteencatsだったりeighteencatsだったりするので、そのあたりの数の猫を常に扶養している模様。猫のために広い一軒家を買い、100万円かけて庭に網を張って脱走防止をし、猫様のごはんは手作りと聞いていた。こんな人にもらわれる猫は幸せだなといつも思っていた。そういえば、最近数匹看取ったので随分減ったと言っていたなと思い出した。

雨の中、猫を膝に乗せたままこの四つ森さんに連絡すると、幸運にもすぐに返事。万が一残ったら自分が引き取ってあげるから、保護して里親探しをしなさいと言ってくれた。なんとありがたい人だ。とにかく人なれした子猫3匹は保護しようと決めた。 
今考えたら10匹以上かかえていた一人暮らしのこの先輩にさらに猫を託したいなど無謀なことをしてしまったものだが、無知だった私は、これで助けてやれると大喜び。猛ダッシュで自宅に帰り、キャリーバックを持ってきた。猫道に戻るとその猫は雨の中で待っていた。
自宅に飼い猫がいるのに野良猫を外からそのまま連れて帰ってはならないことは理解していたので、いつもの龍馬のかかりつけ医に保護した野良猫のウイルス検査をしてほしい旨電話した。すると、野良猫は診ないとの返事。
え?そんなぁ。もう保護しちゃったよ。

困った私は、龍馬の脱走時に手伝ってくれた別のボランティアのXさんに連絡。事情を話し、野良猫を診てくれる動物病院を紹介してもらった。すぐには動けないので行きは自分でタクシーで行き、検査が終わった時間に病院に車で迎えに来てくださると言う。ボランティアさんはそんなことまでしてくださるのかとありがたくお願いしてとりあえず病院へ。

Xさんの紹介で保護して里親探しをする予定の子を連れてきましたと受け付けへ。
何の検査します?と聞かれた。
え?私が決めるの?なんだろう。そういえば知らないわ。エイズと白血病検査は必須だとSさん言ってたなあ。
ワクチンは?と聞かれ、風邪が大丈夫ならお願いしますと。
ノミダニ駆除、検便、駆虫は?とも聞かれ、当然いるよなぁ、お願いしますと。
レントゲンは?と聞かれ、えっと…どうなんだろう、元気そうだけど、骨折とかしてるかもしれないのかなぁ、わかんない、でも、じゃぁお願いしますと。

そこへもう終わった?とXさんが来てくれた。いや、まだ、と言うと、
「なんでレントゲンなんかするの?」と聞かれた。
「え、いらないんですか?」と無知丸出しの私。そしてXさん、猫を見るなり「こんな大きいのに保護するの?」と。

大きい?当時のその猫は約6か月。でも子猫だ。大きな成猫しか見たことがなった私には、子猫を大きいという概念にその時は驚いた。
とにかく雨の中、膝に乗ってきたその子を保護しないことはできなかったので、里親探しをして最悪誰もいない場合は引き取ってくれる人がいるのでと説明した。
病院で抗生物質をもらい、ケージもXさんに貸してもらい自宅へ。私の寝室へ隔離した。幸せ薄そうな表情のその猫に、幸せになってほしいと幸太と名付けた。
保護して里親探しをするといういわゆる本物のボランティア活動がついに始まってしまった。あと保護すべき子猫2匹に加え、うじゃうじゃ警戒していた猫10匹程度をどうするかはまだ策がなかった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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