コラム

第21話 龍馬脱走事件 その17 ~ついに発見~

里子に迎えて1年半平和に暮らしてきた龍馬が(第1話第2話)、私の不注意で脱走して(経緯は第5話から第20話)26日目。2日目以降龍馬の姿を確認できないまま、龍馬とは関係ない猫にまつわる様々な事件に巻き込まれたり、まだ探しているの?もう生きてないわよ、といったような心無い一言に傷つくこともあったりで、もう捜索を諦めたくなっていた頃だった。
朝5時、いつものように近隣の捜索へ。近所の方の庭に設置させてもらっていた捕獲器に入っていた猫がいた。よくあるキジトラ。また野良猫か…と思いきや、龍馬にそっくり!!

しかし、飼い主として情けないことに龍馬だと断定できなかった。狭い捕獲器に押し込まれていると全身が見えない。蓋を開けたら逃げ出す可能性もあるので、それもできない。
あまりにも沢山よく似たキジトラを見てきたので、この子もまた別の野良猫かもしれないとも思った。捕獲器の中の猫はやせこけて汚くなっているし、顔に傷ができており、付けていたはずの首輪はなくなっている。捕獲器の中にうずくまっているので、トレードマークの鍵しっぽを確認することができない。1カ月近くも辛く厳しい放浪してきたのだ、猫にとっては1か月といえど、それは人間の感覚では1年以上のような長さだったのかもしれない。あまりに家猫生活とは違った日々を送ってきたせいか、私を見ても反応しない。しかし、普通の野良猫なら目を合わせただけで威嚇するのに、それもない。

朝5時だと言うのに、私は興奮して譲渡主のボランティアSさんに(第1話)電話し、また捕獲器を置かせてもらっている家の住人の方にもメールを入れた。庭に入る時には毎回メール入れて捕獲器を確認させてもらうことになっていたからだが、似ている猫がいると報告すると、5時だというのにその住人の方は出て来てくれ、龍馬を見て、
「この猫?だったら何回か見かけたけど、違う猫だと思った」と。何ということだ。やはり自分の猫は自分にしかわからない、飼い主にしか見つけれてやれないのだ。いや、飼い主とて、見つけても確信がない。脱走猫の発見とは簡単なことではないと今更ながら思った。
Sさんは、とにかく午後にかけつけるから、それまでは捕獲器を開けないようにと言った。確認するために、捕獲器から猫を出してケージに入れて全身を見る必要がある。部屋に放すと昔あった事件のように(第2話)パニックして二度と捕まらなくなるかもしれない。捕獲器から猫を逃がさないようにケージに移し替えるのはかなりの技術がいる。
私にはできないからだ。

捕獲器ごと自宅玄関内に入れると、空気の匂いを感じているようだった。自分の家だとわかったのかもしれない。捕獲器の外から垂らした水をごくごく飲んだ。過酷な日々を送ってきたことがわかる。
缶詰も食べた。そしてウンpをした。これは相当リラックスしたという証拠だ。
ああ、龍馬だ、きっと龍馬だ!!

確認の為、仲良し猫の凜子(第3話)をそばに連れて行ってみた。しかし、薄情にも凛子は逃げ出した。1カ月も外を放浪すると匂いが変わってくる。変な匂いの奴が入ってきたと思って警戒したのだろう。

午後になってSさんがうちに来てくれ、捕獲器からケージに猫を移してもらった。
全身が見える。手を入れるとすり寄ってきた。
鍵しっぽは確認でき、龍馬だと思うけど、痩せこけておなかの毛や肘が剥げており表情が険しい。違う猫みたいにも見える。(写真参照)
万が一この猫が龍馬じゃなかったとしても、じゃあ、さよなら、と言って外に放すことなど出来ない。あんたもうちに居ていいよと言うつもりだ。しかし、本物の龍馬がまだ外でさまよっているとしたらそれは可哀想だ。
何としてもこの子が龍馬だと言うことを確認しなければならない。

龍馬発見時2

念には念を入れてかかりつけの病院で、この猫の年齢と去勢済みかどうかを見てもらう。
ドクターには何で自分の子がわからないの?と不思議がられたが、想像以上に同じような野良猫が世の中にいるし、龍馬の風貌は変わっているし、パニックしている猫は飼い主にも反応しないのだ。
しかし、年齢、去勢を確認できたところで龍馬と断定。
体重は脱走前に4.2キロだったのが、3キロに減っていた。
放浪している間に変なウイルスに感染していないか、再度エイズ、白血病検査をする。陰性で良かった。脱水を起こしていたので点滴をして自宅へ連れ帰る。しばらくは落ち着いて養生させるためにケージに入れる。

かくして26日間の過酷な捜索が終わった。
見つかって本当に良かったが、26日間の色々な事が頭を巡ってきた。
もう少しで諦めるところだった。諦めていたらもっと痩せこけてボロボロになり、どんなに悲惨なことになっていただろうとぞっとする。

今でもSNSを見ていると沢山の脱走事件が投稿がされている。
「脱走しました、帰って来ません」「探したけど見つかりません」などの書き込みを見ると、龍馬の脱走当時のことを思い出し、つい熱くなって「見つかるまで探して欲しい」とコメントしてしまう。

この事件で私は大きな対価を払い重要な教訓を学んだ。次話ではそれを具体的に示し、すべての飼い主さんに再度脱走対策に気を引き締めてもらいたいと思う。
私にとっては飼い主として気を引き締める以上の結果をもたらし、自分自身でも野良猫救済のボランティアをすることになった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:大田区のメイちゃん

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