コラム

第1話 ついに猫を飼い始める!

ある猫シェルターに集まった猫好きさんとの交流会で新米猫ボランティアの苦悩をぶちまけていたら、その話をコラムに書かないかというお誘いを受ける。

いや、私なんぞ愛護団体で本格的に活動しているというベテランボランティアではないので、経験も短く、猫識も乏しい。偉そうに紹介できる活動事例なんかないと、一旦躊躇したが、いや、待てよ、本格的なボランティアさんだと、テレビでも見た様に多頭飼育崩壊現場にカッコよく乗り込み、威嚇する猫を捕獲する姿を想像し、とても志が高く、遠い存在に見えるかもしれないが、私のように、まだ猫を飼い始めて5年の素人で、しかも仕事も非常に多忙、すねかじりの子供もまだ同居中、遠方に住む親は高齢で闘病中という、けして余裕のある生活とは言えない日々を送る者でも、年間に何匹かの命を救うことが出来ていることを知ってもらえば、猫ボランティアを身近に感じてもらえ、少しでも協力しようという思いになってくれる人が出てくれるのではないかと期待して、コラム連載をお引き受けすることにした。

志をもって準備と勉強をして始めたわけではなく、突然起こったうちの猫の脱走事件をきっかけに、何の知識もないままに突然始まってしまったボランティア活動。

野良猫との知恵比べに負けて捕獲に失敗したり、里親探しをするために保護したものの、手放せなくなってウチの子にしてしまったり、よし、捕まえた、避妊手術しよう!と野良猫を病院へ運んだものの、手術が始まったあとでそれが近所の飼い猫だったとわかったり、ありとあらゆる失敗談だらけ。
笑いながら読んでいただき、こんな人でも生き物の命を救えるなら、自分にも何かできるかもしれないと、少しでも共感していただけたら幸いです。

第1話 ついに猫を飼い始める!

まずは、猫を飼い始めた経緯から。

私も子供の頃から猫が好きで、野良猫を拾ってきてはうちでは飼えないと親に叱られ、泣きながら元の場所に戻しに行っていた、というよくある普通の猫好きだった。

小さい頃は、よーし、大人になったら好きなだけ猫飼うぞ! ついでに野良猫協会の会長になってやる!と訳の分からない大いなる夢を持ったのにも関わらず、それから数十年、忙しさにかまけて野良猫協会の会長はともかく、猫を飼うということすら実現しないままだった。

娘が生まれ、娘が小さい頃からずっと犬を飼いたいと言っていたが、自分で面倒見ると言ってもどうせ最初だけだろう、仕事が忙しく子供のご飯すらまともに作れていない私が犬の散歩までするのはぜーったい無理!と思い、頑として承諾しなかったが、それから10年、娘が大学の獣医学に入学した時、さすがにペットを飼ったことがない獣医学生は可哀想だと思い、犬ではなく散歩の必要のない猫なら良いだろうと承諾した。 もちろん野良猫救済の為、ペットショップで買うのではなく、保護猫の里親になろうと決め、自分の好みの顔の猫をネットで探した。

自分の生活を考え、留守が長いから生後6か月くらいの猫一匹のみ、そして、反抗期に入った息子の代わりに猫可愛がりしたいので、オスと決めた。
里親募集サイトで目を引いたイケニャンを見つけ、保護主のSさんに連絡、お見合いしにSさん宅へ。

そのイケニャンは、私と娘が部屋に入るとケージで固まっていたが、ほかの牛模様のメスが私にスリスリしてきた。 Sさん、「この子はどうですか、慣れてますよ」と。 当時の私はとにかくイケニャンが良かったので冷たくも断わってしまい、固まってるキジトラを「臆病な子だけどそのうち慣れますよ」というSさんの言葉を信じ譲渡してもらうことにした。

とまあ、ボランティアするようになった今の心理からすると、自分の都合と好みを優先して選ぶなんて、当時の私は随分志の低い、超素人な自己中な里親だ。今の私だったら、顔の良い子はほかにも貰い手があるので、一番売れ残りそうなぶちゃ子を選ぶだろう。あの時私が選ばなかった牛模様が今でも売れ残ってるとするなら、本当に申し訳ないことをしたと思う。

しかし、これは 初めて猫を飼う人としては普通の心理だ。

里親会でかわいい子や子猫に群がる人を見て、そんなこと言わないで、大人になった猫やハンディのある猫に目を向けてくれる優しい飼い主さんはいないものかと思うが、私だって少し前までそうだったのだ。

かくして、私が選んだイケニャンはうちに来た。当時の大河ドラマで坂本龍馬を演じていた福山雅治をイメージして、龍馬と名付けた。 なんたるミーハーな私。

そんな私でも今では飼い猫を選ぶどころか、行き場のない訳ありの外猫を救済する立場なのだ。今はまだ障害や病気を抱えた子には世話するには至っていないが、どんどんディープな世界に進んでいく予感。自分の好みと都合で選んだ猫の里親になるだけで精一杯のボランティだと思ってる方、その気持ちよくわかります。 が、数年後は私のようになっているかもしれませんね(笑)。

コラムニスト:Candy (キャンディ)

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