コラム

第18話 龍馬脱走事件 その14

コラムのタイトルは新米猫ボラ奮闘記なのに、自分の飼い猫の話だけで早18話。全然ボランティアの話にならず、長い脱走事件簿になっていますが、その理由は第7話に書いた通り、脱走とは精神的、物理的、肉体的、経済的にいかに大変なことで、どんな不随的な問題を引き起こすのかを実感してもらうことにより、脱走防止により気を付けてもらい、また脱走後ここまでして探せば必ず見つかると理解してもらい、見つかるまで探して欲しいからです。

現在保護活動をする中、多くの探してもらえない迷い猫に遭遇します。飼い猫の脱走は日常茶飯事で、捨て猫や引っ越し時の置き去り猫も多数。
誰かが拾ってくれるさ、と気軽に置いていく飼い主が多いのでしょうが、その誰かというのが、どんな思いと労力とお金をかけて救っているのか知ってもらい、遺棄や置き去りを思いとどまってほしいとも思います。

私自身は龍馬の脱走事件を通して、野良猫生活がいかに悲惨で過酷なのかということと、単に里親になって譲渡を受けただけでは見えなかったボランティアさんの活動を目の当たりにしました。それがきっかけで仕事や家庭の事情で超多忙なはずの私が、ボランティア活動に乗り出すことになったのです。
そもそも私がこのコラムを書かせていただいている究極の目的は、私がこの時遭遇したような不幸な猫を減らすためなのです。読者の方も、飼い主として責任もって最期まで飼うという基本的なことから、里親になる、里親探しの協力をする、一時預かりをする、自分自身も外へ出て行って野良猫の避妊去勢活動に参加する、自分での活動は無理でもボランティアを手伝う、寄付をする、などしていただけることは沢山あります。このコラムが一人でも多くの人にとって、不幸な動物ゼロに向けて理解を深めるきっかけになることを願っています。そのためにもこの長編脱走記、是非最後まで読んで頂きたいです。

捜索記に戻ろう。 龍馬を里子として迎え(第1話第2話)、おまけで付いてきた凛子(第3話)と共に、平和な日々を過ごしていたはずなのに、龍馬が私の不注意で脱走。(第5話から第17話)、その捜索を通じて様々な事件に遭遇し、疲れ切っていた捜索25日目。
第17話の極めつけの事件で、何もわかってない人間との対峙はまっぴらごめんだ、早く龍馬を探して終わりたいという焦りが募っていた。

その夜電話で目撃情報が入った。1キロ先の墓地で前日の夜8時に見かけたというものだった。夜の墓地は薄気味悪いが、龍馬のためだ、翌日の同じ時間に時間に行ってみる。似たようなキジトラがたった1匹でうろついていた。龍馬ではなかった。餌やりさんはいるのか、お水は飲めるのか心配だ。龍馬のために持ってきた1食分あげて帰ってきたが、翌日から誰かにご飯もらえるのか心配で仕方ない。
龍馬ももしかしたら衰弱しているかもしれない。それを誰かが助けてくますようにと思うと、自分が見つけた可哀想な子をほっておけなくなる。しかし、今は龍馬第一。ごめんね、と言って帰宅。

そして夜10時にもう一本電話。今、近所の路上に似たような子がいると。さすがに400枚以上配ったチラシの効果は高い。すぐに自転車で駆けつけるが、それも龍馬ではなかった。
よく見ると小柄で毛並みがボロボロで皮膚病のようだ。道路で体を掻き毟っていた。あとでわかったが、それは疥癬という病気で気が狂うほどかゆいのだそうだ。人恋しいらしく、人間が近づくとスリスリゴロゴロ。道路のど真ん中に座って、ニコニコしながら道行く人に話しかけているように見える。ここまで人慣れしているのは確実に元飼い猫だ。捨てられたか置き去りか。このまま放置すると車に轢かれるか、虐待に遭う可能性がる。気になったが龍馬が先だ。また、ごめんねと謝りながら、その場を後にした。
(その子は私が龍馬発見したあとも、どうしても気になって、保護して病院に連れて行ってもらった。子猫かと思ったが、実はかなり年を取っていて、他にも病気がありしばらくして亡くなったとのことだった。)

龍馬脱走後25日目となった。
べンガルトラの様なボス猫が近所を連日うろつくようになった。発情期だったのだろうか、毎晩大声で鳴き、メスを追いかけまくり、図々しく民家に上がり込んでその家の猫の餌を無遠慮に食べていく姿も目撃されていた。余りにもふてぶてしいので近所でも嫌われ、冷遇されていたようだ。
私は猫については博愛主義なのでこんな猫でも恨みはないが、とにかく龍馬捜索が第一優先なので、この子は龍馬の捜索の邪魔になると思った。そんな猫がいたら臆病な龍馬は出て来れないし、ご飯も食べられないだろうと思っていたら、このベンガルが運よく仕掛けたあった捕獲器に入った。首輪もないし、誰がどう見ても野良のボス猫。遠目でも明らかに未去勢なのがわかる。手術させるべくボランティアのSさん(第1話)に連絡したら都合がつかないとのことだったので、時々手伝ってくれている別のボランティアのXさんに連絡、Xさんが親しくしている病院へ連れて行ってもらう。
去勢すればそのベンガル虎もおとなしくなるはず。龍馬の為だけでなく、このベンガル虎のためにも去勢は必要だ。去勢しないとメスを追いかけ妊娠させるし、遠くまで行って事故に遭うこともあるし、他のオス猫と喧嘩してエイズなどの病気に感染することもある。この子は外でも充分生きていけそうなので、心置きなく手術後外に放すことができる。捕まえることができてホッとした。
ところがそうは問屋は降ろさなかった。
第17話での事件と同様、またその猫も飼い猫だったのだ。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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