コラム

第154話 女王様猫 メイの波乱万丈 その5 今時の若者はやはり…

はじめに~
2011年2月に私が里親として迎えた龍馬(第1話から第3話)を脱走させてしまい、地獄の捜索体験をした(第5話から第22話)ことから、野良猫の悲惨な実態を知り、救済活動をするようになった。
このコラムではその活動に於ける事件簿を書き綴ったものである(第23話から第153話)。 

時は2016年の秋。第150話からストーリーを展開している三毛猫メイは、心臓病の疑いあり他の猫が嫌いな女王様。うちにいる他の猫との喧嘩が絶えない為、留守番させるのが心配で預かり先を探したところ、幸運な事に近所のオレンジさん(第152話)という若い夫婦が申し出てくれた。メイは人馴れ抜群、うちでも初日から私のベッドに入って来るような子だったので、問題ないと思ったのに、オレンジさん宅では一晩中夜鳴きをして、一日で返されることに。詳しい経緯は第150話から第第153話をご参照あれ。

メイはうちでは全く夜鳴きなどしたことないのにどうしたことか。猫様とは奥が深く不思議な生き物だということだ。翌朝うちに戻ったメイは何事もなかったかのように上機嫌で、一切夜鳴きをすることはなかった。オレンジさんは申し訳ないと言ってくれたし、確かに夜鳴きが辛いのがわからないでもない。しかし、命を迎えるということは、何があっても終生飼育する覚悟が必要。はっきり言って、夜鳴きくらいで根を上げてはいけないのだ。しかも一日で。
 
通常、譲渡する時、私はどんな里親さんにでも、何があっても終生飼育の義務を確認するが、具体的に、最初は夜鳴きや阻喪などの問題行動があるかもしれないこともきちんと伝えるようにしている。「何があっても終生飼育」という抽象的な言葉で語ると、皆さん「もちろんです」と言われるが、実際に想像していないいような事態、たとえば、懐かない、粗相する、夜鳴きが酷いなど、私達のような猫ベテランから見ると当たり前の猫の行動でも、里親さんに想定外で耐えがたいと思うこともあるようなのだ。
それまでに飼育経験がある人の場合は、自分が飼っていた猫と比べるだけで、想定外で驚いてすぐに返してしまう人がいる。 

そういうこともあるので、本当に自分がその猫を飼えるのかどうか確認するために、通常はトライアル期間というものを設けてはいるが、私の場合は、覚悟の薄いままにトライアルに入り、想定と違うからと気軽に返すような人には渡したくないので、トライアルに入る前にかなり入念な確認をする。環境が頻繁に変わると猫にとってストレスだからだ。周囲で聞くと、酷いケースでは、たった3日トライアルに出て帰ってきた猫の性格が酷く変わっていたということがあったらしい。よほどのストレスだったのだろう。トライアルがあるからと言って、深く考えないで申し込みをしないでほしい。 

話をオレンジさんとメイに戻そう。  
今回はオレンジさんにはメイを里親としてではなく、預かりという所有権が移転しない形でお願いすることになっていた。それはメイに心臓病の疑いがあり、医療費もかかるので、若い夫婦には負担であろうと言う配慮からではあるが、最初はオレンジさんはメイに心臓病があるとわかっても迎え入れてくれると言ってくれていたのだ。それに嘘は無かったと思うし、そもそもオレンジさんはお母様が保護活動をされていたので、小さい頃から可哀想な保護猫と一緒に過ごしてきたという経験もある。気持ちは本物だったのだろう。猫の飼育経験も充分ではあるが、それでもこんなことになってしまうのだ。敢えてこの話を書くのは、譲渡をする側の人にも、里親として猫を迎えようとしてくれている人にも、色々な想定外のケースがあることを充分肝に銘じ、決して猫が不幸になるような譲渡をしないよう留意してほしいからだ。 

決してオレンジさんを個人攻撃するつもりではないが、若い人への譲渡は、問題になることが多いので、あえてこの話を書くことにした。もちろん、若くてもしっかりした考えを持ち、素晴らしい里親さんになってくれている人も沢山いるのも事実だが、残念ながらそうではないケースもとても多い。
特に20代は要注意という意識に到達した事例が沢山ある。注意喚起の意味でいくつかの事例をご紹介する。 

私は若い人に譲渡したことはないし、失敗したことはないので、周囲から聞いた話だが、20代の同棲カップルに猫を譲渡したところ、結局2人は破局、どちらもその後猫を引き取らないことになり返されたとか、子猫を譲渡し、時期が来たら避妊去勢手術をするという約束だったのに、それを怠り子猫を産ませてしまい、生まれてみれば5匹。とても飼えないと相談。譲渡主が親子7匹を引き取ったという話や、新しくできた彼氏や彼女が猫嫌いだからとか、子供が生まれたらアレルギーだったとか、いろんな理由で飼育できなくなるというケースが多いのが若者なのだ。中でもおかしな理由で返してくるというのも若者の特徴でもある。例えば、突然、親せきの子供を預かることになった、その子が猫アレルギーだったとか。20代の若者が親せきの子供を預かる?恐らく猫を迎えたものの、思ったより世話が大変だったとかこんなはずではなかったと思ったので、とっさにおかしな言い訳を考えてきたのだろうというのが周囲の見方だった。

もちろん飼えなくなったと言ってくるのは若者に限ったことではないが、若者に多いというのは、若いがゆえに人生経験も浅い、思慮も浅いこと多いし、その後の人生が固まっていないからだろう。私のような年になると、若い時に想定できなかったようなことが色々起こる。仕事も子育ても落ち着いた40代になってやっと猫を飼う余裕ができたのだ。 
例えば、今このコラムを書いている2020年3月現在、コロナが大流行して収入が激減という人もおられると思うが、それでも絶対に猫を手放さず、きちんとした飼育ができると、20代の人に言いきれるだろうか。 

私が里親募集した猫に若い人から申し込みが来たときに、突っ込んで質問すると、答えられないとか、ではやめときます、という返事がくることが多い。返事がくればまだよいが、そのまま返事もよこさない、という礼儀のない人も若い人に多いのも事実だ。

実は、このオレンジさんにも後日談がある。誰にでもすり寄っていくメイが何故オレンジさん宅であんなに夜鳴きをしたのか考えてみたが、もしかしたらオレンジさん宅が狭かったこともあったのではないかと思った。正直、ワンルームの狭いマンションに、人間二人と家具がぎっしりであったので、引っ越しを考えたらどうかと提案してみたら、案外すんなりオレンジさんは検討してくれた。引っ越し先の間取りを私に送ってくれたりしていて、引き続きメイの預かりを考え直してくれているようでもあったのだが、その後、何度かメールをしても返事が来なくなった。それまでは数カ月間、きちんと連絡をしてくる人だったのに。 

おかしいなと思っていたら、猫ボランティアも狭い世界なので、偶然オレンジさんに猫を譲渡した人がいるという情報が私に伝わってきた。え?である。他の猫を迎えたいならきちんと私に連絡すべきではないのか、と当然思うのだが、結局、この人達も今時の若者だったということなのだろうか。これでまた私は若者には要注意という気持ちを強くすることになった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
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