コラム

第153話 女王様猫 メイの波乱万丈 その4 預かり先でのどんでん返し

はじめに~
このコラムは2011年2月に私が里親として迎えた龍馬(第1話から第3話)を脱走させてしまい、地獄の捜索体験をした(第5話から第22話)ことから、野良猫の悲惨な実態を知り、救済活動をするようになり、その後の事件簿を書き綴ったものである(第23話から第152話)。ボランティアの数は全く足りていない。賛同者が増えることを願ってこのコラムを書いている。

さて、時は2016年の秋。第150話から三毛猫メイの物語を展開しているが、心臓病の疑いあるメイは自分が一番、ほかの猫は苦手な女王様。うちにいる他の猫との喧嘩が絶えない為、留守番させるのが心配で預かり先を探す事に。これまでの詳しい経緯は第第150話第151話第152話をご参照あれ。

保護してすぐにネットに出した里親募集に応募してくれたオレンジさん(第152話)は、近所に住む若いご夫婦。お母様が保護活動をされていたので幼少期より保護猫と一緒に暮らしてきた優しい心を持つ人。第152話にも書いた理由で、いつもは若い応募者に対して慎重になる私もかなり好印象を持った。

しかし、里親募集掲載後にメイの心臓病が発覚したので、話をしたところ、それでもかまわないとのオレンジさんの意向ではあったが、若い夫婦にどこまで大変さが想定できていたのかの心配もあり、その上、応募条件をお留守番のない人に変更しなければならなくなっていた。そうするとオレンジさんは条件に合わなくなってくる。オレンジさん宅は当時奥様が働いて、ご主人は退職して資格試験の勉強中。ご主人が試験合格後に就職したら奥様は専業主婦になりたいとの事。そうなればメイの飼育環境としては理想的だが、それはまだ暫く先になるし、確実ではない。それまで当面は、猫初心者で在宅で勉強中のご主人がメイと長時間過ごす事になる。ご主人が本当に試験勉強中に猫の面倒が見られるのか、ワンルームしかない住宅でやんちゃな猫と同居して、勉強の邪魔にならないかの心配と、メイの病気の事についても、猫初心者のご主人がメイの異変に気付き、緊急対応が出来るのか、その上、一生薬を飲まなくてはならない。その薬も安くない。そのほか症状が進めば治療費や手術も必要になるかもしれない。はっきり言ってお金もかかる。そのような心配から、この若い夫婦に里親になってもらうのは難しく、里親ではなく預かりのみで検討していたが、ご主人の勉強のピークを過ぎてから、当時より数カ月先から預りをスタートする事になった。
それまではオレンジさんにいつでもメイに会いに来て貰っても良いし、また引き続きメイを里親会に連れて行く際にはお手伝いをお願いしたところ、快く引き受けて貰った。

■里親会でのメイ 人間大好きなメイも里親会は苦手
F4406870-D248-44B7-8BEE-69B07B474B61

■動画 通り魔殺傷事件 1人遊びをするミクに襲いかかるメイ

暫く時が過ぎ、寒くなり始めた頃、オレンジさんからの連絡で、メイに病気があるのなら、元気なうちに一緒に暮らしたい、ご主人の試験が終わる年末まで待たずに預かりを早目に開始したいとの事だった。

人生がかかった資格試験の勉強の大詰めで、猫初心者のご主人が本当に病気のメイの世話が出来るのか私も悩んだが、とにかく、メイは他の猫との折り合い悪く、何ヶ月経っても喧嘩が絶えない。帰宅すると留守中に流血事件があった事は明白。鼻をひっかかれるだけなら大した事はないが、眼球を傷つけられたら大変な事になるし、そもそも多頭飼育のうちの環境にいる事はメイにとっても幸せではない。メイは人間は誰でも良いはず。他に猫のいない安心して暮らせる環境で自分だけで可愛がってもらう事がベストなのだ。幸い近所なので病気のサポートは連絡を密にして私が駆けつければよいと思った。

そうと決まったら早速ケージやトイレなどの飼育用品を貸し出し、ご自宅の脱走対策をしてもらう。ワンルームマンションの一階なので、玄関から飛び出したら目の前は車の多い幹線道路だ。脱走防止対策が必須だ。ご主人も勉強中に家具を移動して、玄関と部屋の仕切りにしたり、柵を設置するなど協力してくれた。

いよいよメイを連れて行く。最初にメイを迎えたいと連絡くれてから数カ月経過していた。それ程慎重に考えてもらったのだから大丈夫だろうし、メイはうちに来た時も初日から一緒に布団で寝るような子だったので、環境の変化には心配していなかった。オレンジさん宅では用意したケージも不要なほど、リラックスしてご飯もバク食い。トイレもバッチリ。毎日様子を知らせてくれるようお願いして帰宅した。 

ところが…だ。猫様は人間の想像を遥かに超える奥が深い生き物だと言う事を証明するような出来事があったのだ。猫様おそるべし。
朝起きたら、オレンジさんから山のようなメールが夜通し届いていた。
メイは最初リラックスしていたものの、夜中に夜鳴きを始めてしまい一晩中眠れないと。しかも玄関に置いた柵や家具も簡単に乗り越え、玄関先で泣き続け、これでは主人は勉強ができませんと。
1日目でギブアップだった。
メイにも驚いたが、この若夫婦にも正直驚いた。一時は心臓病のメイの面倒を看る覚悟をしたはずなのに、夜鳴き一日でギブアップですか?これが今どきの若者なのだろうかと落胆する。そしてその後さらに驚きの展開となるのだった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
左手骨折、顎骨むき出しを乗り越えゴロスリ くりちゃん
三兄弟の一匹だけ保護されたラッキー男子 仁
ビビリ..でも甘えたい好青年 隼人

ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加