コラム

第150話 女王様猫 メイの波乱万丈 その1 心臓病の疑いあり

はじめに~
新米猫ボラ奮闘記という副題で始めたこのコラムも早150話。時系列で猫ボランティアにまつわる出来事を150話も書き綴っても、まだ2016年夏までしか話が進んでいない。いかに猫ボラ活動にまつわるネタが多いかと言うことだ。ネタ=事件=ボランティアにとっては辛い事の方が多い。読者の方には笑って読んで頂けるように面白く書いてはいるが、実は辛すぎて、一刻も早くこんな世界から足を洗いたいと思っている。心あって活動しているすべてのボランティアも、多かれ少なかれ同じ思いであろうと思う。 
野良猫はどこにでもいる。多くの方に猫問題の現実、ボランティア事情を知ってもらい、他人事だと思わず、自分たちの地域の問題として捕え、ボランティアに押し付けることなく自分も立ち上がり活動する側になってもらいたいと願って止まない。 

これまで~
私が里親として猫を迎えた話(第1話から第3話)、そしてその子を脱走させてしまい、地獄の捜索体験をした話(第5話から第22話)、ボランティアをするようになってからの事件簿(第23話から第149話)に渡って書き綴っているので、じっくり読んで参考にしていただきたい。

さて、時系列で書き綴ってきた活動奮闘記の続きに戻ろう。時は2016年夏。第139話から第149話まで、神社猫ジンジャーズとして、愛と礼という子猫の物語をお伝えして来たが、今回からはその母猫(推測)のメイ。推測というのは、メイが妊娠していたことを記憶していた人がいて、その後しばらく姿を見せず、のちに礼と愛という子猫が同じ場所にいたので、メイの子であろうと推測したまでである。メイも礼や愛に負けず劣らず波乱万丈のニャン生であった。

150_1第139話にあるように、Y町神社でメイを見かけたときは、外猫暮らしが長い野良猫とは思えないほど人馴れしていて、初対面の私でも触れるほどであった。
餌やりをしているUPさんの話では、メイはとても食いしん坊で、その神社でお弁当を食べている人にもすり寄って行ってサンドイッチやおにぎりを分けてもらっているとのこと。そんなに人馴れしている子は、悪い人に捕まって連れて行かれたり、虐待されたりすることがあるので、大きくなっていても保護してやらなければならないと、私は思っている。
ことの真偽は定かではないが、野良猫を動物実験用に一匹数千円で買い取る組織があるとか、フェイクファー用に猫の毛を使うこともあるとかで、欲にかられたニンゲンが野良猫をお金目的で捕まえ、そういう組織に売り飛ばすこともあると聞いたことがある。毛皮を剥ぎ取られる時は、色が悪くならないように、生きたまま剥がされるなど身の毛がよだつような恐ろしい話を聞いたこともある。 
とにかく、私は子猫および人馴れした猫は保護することにしていた。大人のメイは、その時保護した可愛い子猫の礼か愛のどちらかと抱き合わせで里親探しをしようと思っていた。

第139話で書いたように、当時はうちではもうそれ以上保護猫を受け入れられない状態であったので、里親が見つかるまで子猫を預かってもらうことになっていたルビーさんに、何とかメイも含めて3匹預かりをお願いしたが、何しろ猫との暮らしは初めてというルビーさんにいきなり3匹はハードルが高かったようで、すぐには了解はもらえなかった。しかし、メイを外に放置することはできない。顔を見ると鼻の頭が傷だらけである。喧嘩っ早い子なんだろうなと思った。だいたい三毛猫は気が強い女王様タイプが多い。こういう子は外にいると喧嘩でケガをすることもある。子猫を保護した後にUPさんにメイを捕獲してもらい、とりあえずはいつもお世話になっている動物病院にメイを預かってもらうことになった。

病院でもメイは居候とは思えないほど図々しく、誰にでも抱っこされ、ガツガツ食べ、ご機嫌であった。これなら里親さんも見つかるだろうとほっとした。保護した直後にどの猫でも行う一連の医療ケア(ノミダニ駆除、検便、駆虫、エイズ白血病検査、ワクチンなど)をしてもらい、耳疥癬という皮膚病があるのがわかったので、その治療をしながらルビーさんに預かってもらえる日がくるのを待つことにした。

150_2ところが、暫くして病院から電話で、メイの心音を聞いたところ、雑音が聞こえるとのことだった。 
私には晴天の霹靂だった。びっくりして話を聞きに行くと、僧房弁閉鎖不全症の疑いがあると言われた。難しいことは私にはわからなかったが、いわゆる心臓病である。急に心不全をおこして倒れる可能性も無くはない。動き回って落ち着きのないメイの心音を聞くのは容易ではなかったようだが、鎮静剤を使って詳しく検査するのは心臓病の可能性がある猫にとっては大きなリスクとなる。とにかく薬を飲ませないといけないと言われた。その薬は野良猫割引で安くしてもらっても、そもそもが安くないものであった。生涯止めることはできない。となると、メイを迎えてくれる里親さんには経済的にも余裕がないといけないことになるなぁと思っていたところ、病院の先生からは厳しい見解が。
里親募集においては、もちろん健康で可愛い子猫が一番人気ではあるが、たまに慈悲深い人から、敢えてハンディのある猫を迎えたいと言ってもらえる奇跡もあると。しかしそれは目が見えないとか、片手がないとか、外傷のケースにとどまり、内臓の病気の場合は里親さんが見つかる可能性は極めて低いと。

私はそれを聞いて落胆した。敢えて可哀想な子、敢えて貰い手の少ない子から迎えてあげようという人はいないものかと。しかし、よくよく考えてみると、私もボランティア活動するようになってからそういう考え方が出来るようになったが、里親として猫を迎えようとしていた単なる猫好きの時代には、やはり健康で可愛い猫が欲しいと思ったのだから仕方がない。

じゃあどうするのか、うちに置くしかないのか…と思ってみたが、当時の私は、うちの保護猫をそれ以上増やすことはできないという問題以上に、私は仕事が多忙で留守が多い。遠方の実家にも高齢の親を見に頻繁に帰らねばならない。いつ心臓発作を起こすかわからないメイを留守の多いうちの家に置いて、帰宅したら発作で苦しんで死んでいたなんてことになったら、そりゃー困る!と途方にくれるばかりだった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
左手骨折、顎骨むき出しを乗り越えゴロスリ くりちゃん
三兄弟の一匹だけ保護されたラッキー男子 仁
ビビリ..でも甘えたい好青年 隼人

ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加