コラム

第142話 神社猫ジンジャーズ(礼、愛、メイ)との遭遇 その4 譲渡会にて

自分の猫(第1話から第3話)を脱走させた(第5話から第22話)ことがきっかけで猫ボランティアを始めて3年経過したころの事だ。その間の積もる話は第23話から第141話を参照あれ。

時は2016年。第139話にあるように、8月にふと足を踏み入れてしまったY町神社にて子猫2匹(愛、礼)と人馴れし過ぎていたその母猫(メイ)を保護し、近隣住民のルビーさん(第103話第140話)に預かりをお願いし、私が里親探しをすることになった。

自ら猫を飼ったことは無いと言っていたルビーさんに飼育方法をアドバイスしながら、人馴れ、家馴れをさせてもらっていたが、愛はすぐに慣れ、ルビーさんにも可愛がってもらっていたものの、一方礼は、懐きも悪く、粗相したり、さらに不運なことに、丁度動物病院が夏休みの間に、礼の発情鳴きが想定外に早く始まってしまい、ルビーさんも苦労しているようだった(第141話)。 

今それから3年以上経過した2019年に当時を振り返ってみたら、自ら猫を飼ったことのないルビーさんに、人馴れ不十分だった猫2匹を預けたこと自体無理があったのかもしれないとも思う。そして、預かりについても、里親さんへの譲渡と同様に、飼育方法や預かり期限など、細かい決め事をし、きちんと契約書にまとめておくべきだったとも思う。過去にも預かってもらった経験はあったが、その時は知らずの人に預かってもらってもすんなり事が進んだので(第97話)、今回は近所の人だし問題が起ころうとは予想だにしていなかった。それがのちに大きな問題へと発展したのだが、詳しくはまた後で。

里親探しの手段として、まずネットの里親募集サイトに掲載。これまで保護した猫は大人猫と違い、今回はハイスペックの美形子猫だ。すぐに申し込みが来るはずと期待していたが、実際にはそうはならなかった。問い合わせして来た人がいたものの、やりとりの途中で返事が来なくなった人がいた。私はきちんと最後まで返事できない人は嫌いだ。挨拶、返事は社会人としての常識である。たとえネットでのやり取りであっても、そんな常識のない人に命は託せない。ちなみに、その方に私の方からのちに連絡をしてみたら、返事ができなかった理由は、家族が骨折して入院していた。とても猫を迎えられる状態ではなかったと。それでもきちんと挨拶位できるだろうし、家族が骨折した位の理由で、猫を迎えられないと思うような人は、そもそも一切動物を飼ってはならないと思う。猫を迎えたら寿命を迎えるまでの20年位の間には、家族の骨折どころの話ではないほどの色々なことがある。家族の死も自分の病もあるかもしれない。それでも途中で飼育放棄はできないのである。まさかの場合の対処もしておいてもらう必要がある。その際、もちろん譲渡主である私も精一杯協力するが、それだけの覚悟無くして動物は飼えない。

話を戻そう。今回はハイスペックの子猫なだけに、これまでの里親さんに匹敵するレベルの家族をどうしてもみつけてやりたく、私の条件も厳しいものになっていたことは否めない。
私の中で、7月にひかる(第126話)を迎えてくれた里親のOさん(第128話)の顔が浮かんでいた。Oさんは当時も、そして今でも1、2を争う素晴らしい里親さんだ。もともと2匹飼いたいと言われていた。当時はひかるを迎えてもらって2か月近くだ。まだ早いかもしれないが、どうしてもOさんに礼でも愛でもよいので迎えてほしく、こちらから連絡してみた。Oさんは猫ジルシという里親募集サイトに不随している猫ブログ保護猫日記を読んで下さっており、子猫達のことを気にしてくださっていた。特に愛には我が家に来ないかな…と思っていたと。しかし、ちょっとビビりなひかるがやっと落ち着いてきたところなので、またストレスを与えるのも可哀想だから、今は辞退しますとのことだった。ひかるを大事に思って下さるが故の判断なので、私もそれ以上は無理言えず、近日中に参加予定だった譲渡会のお知らせだけして、残念ながら私も諦めた。
142譲渡会の話に移ろう。9月の初旬、礼と愛、そして母親のメイを連れて行った。多くの人から3匹ともに可愛いと言ってもらえた。そこに、上記のひかるの里親のOさんがご夫婦で猫達に会いに来てくださったのだ。びっくり。愛を迎えると決めてくださったわけではないようだったが、とにかく来てくださっただけで有難い。礼も愛もそしてママのメイも可愛いと言って下さり、私はダメもとでも「よろしく」とお願いしておいた。

そしてその後、50代の姉弟、そのお母様80代のあるご家族が、とても愛のことを気に入って下さり、ずっと抱っこされていた。しかし、すぐには決断されず、さらにご検討されると言うことで私の電話番号をお渡しし、お帰りになったが、譲渡会が終了する少し前に、このご家族からお電話があった。「愛ちゃんを迎えたいのだが、実は自宅マンションがペット不可の規約となっている。それでもペットを飼っている人はいる。是非、自宅を見に来て、安全であることを確認して、検討してもらえないだろうか」とのことだった。ペット可の住宅である事を条件にしていたので、申し込みを遠慮されたものの、80代のお母様が特に愛のことを気に入って、どうしても愛を迎えたいと思われたようだった。とても感じの良いご家族で、猫の飼育歴も充分。前の猫はペットショップで買ってきたアメショーだったが、さほど高齢でもないのに心臓病で亡くなってしまった、だから、純血種よりも、比較的長生きな雑種を飼いたいとのこと。しっかりと看取られた様子もよくわかったのではあるが、何せ私は、自分が脱走させた前科者だ。脱走させたら捜索がどんなに大変なことになるか身に染みている。ペット不可の住宅で、こっそり飼うことはできてもこっそり探すことは不可能だ。それもお伝えした上で、ペット不可の住宅でも良いと言う譲渡主がいた場合は紹介することもありうるし、とりあえずご自宅を見せていただくことにした。

平日の仕事帰りに伺ったが、お姉さんも超特急で仕事から帰宅してくださり、ご丁寧におもてなしを頂き、じっくりご自宅の中を案内してくださり、脱走対策についての助言も聞いて頂いた。お母様が愛を気に入って下さり、そのお母様のお気持ちをとてもご姉弟が思い、何とか愛の譲渡につなげようとされる熱意をとても感じ、お断りしづらくなってしまいそうになったが、再度私はうちの龍馬の脱走時の捜索体験を克明に話し、万が一愛が脱走した場合に、同じような捜索をして頂けるのか、つまり、マンション中を巻き込み、捜索に協力してもらわないといけない。公にはペット不可の規約がありながら、そこまでお出来になるのか聞いてみたところ、やはりそこまでの想定はされていなかった。よくわかりました、愛は諦めますと言ってくださった。
お母様の落胆されたお顔が気の毒であったが、ペット不可住宅でも一定の条件を設けて譲渡している人もいるので、良いご縁があることを祈った。後日シェルターから迎えましたと報告があった。
こうしてこの日の譲渡会での成果なく、また一からやり直しと思ったところ、何と奇跡の朗報が舞い込んできた。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:骨折と頭蓋骨むき出しで餌場に現れた強者 くりちゃん

ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加