コラム

第140話 神社猫ジンジャーズ(礼、愛、メイ)との遭遇 その2

このコラムは、里親になって迎えたネコ龍馬を不注意から脱走させた時に(第1話から第3話)、地獄の捜索体験(第5話から第22話)をし、野良猫の不妊去勢手術にかかわったことや、可哀想な猫を沢山見てしまったことがきっかけで始めた猫救済ボランティアの体験記である(第23話から第139話)。

時は2016年8月。前話139話にあるように、ふと足を踏み入れてしまったY町神社にて大量の猫と、そこで昔から猫に餌をやるだけでなく、捕獲して避妊去勢手術までやっている優秀な餌やりのUPさんに遭遇し、子猫と人馴れした大人猫については私が里親募集は手伝うことに。 

話がそれるが一つ読者の方にも強調してお願いしたいことがある。この現場のように25年間ずっと捕獲と避妊去勢手術をしているのになぜまだこんなに野良猫がいるのか?ということだ。理由は2つ。どちらも無責任な人間のせいだ。

  • 理由その1
  • ここにくれば餌があるとわかっているので、無責任な人間が捨てに来る。自分の飼い猫を捨てに来るケース、避妊しないで生まれてしまった飼い猫の子供を捨てに来るケース、自分の庭で野良猫が産んだ子猫を捨てに来るケースとあるが、いずれも遺棄に該当し、犯罪である。見かけたら警察へ通報を!

  • 理由その2
  • 無責任に自宅周辺で野良猫に餌やりをしている人がいる。無責任とは避妊去勢手術をしないで餌だけやっているということだ。そうるすとUPさんのようにきちんと手術までしていても、その神社の猫が近隣の無責任餌やり宅でご飯をもらうと、神社に毎日来なくなる。するとUPさんが捕獲しにくくなる。そのうちにその近隣で猫が爆発的に増え、神社に出入りする猫が永遠にゼロにならない。

このように野良猫問題というのは、一人でやっても解決しない。地域ぐるみで協力しないといけないのだ。無責任な餌やりは、自分のことを無責任と思っていない。可哀想な野良猫に餌をやっているのだから、何もしない人に比べたら自分は慈悲深くボランティアをしているつもりで、誰に注意されても聞く耳を持たない。餌代負担しているのに何で手術代まで自分が出さねばならないのだと怒ることが多い。餌やりをしていない人は、何もしないで、餌やりが悪いと避難するだけ。これでは解決にならない。ベストな解決策は、行政が推進している地域猫活動を、行政とボランティアの協力を得ながら、猫好きも猫嫌いも無関心も地域皆で資金を出し合い行うことである。具体的には第88話から参照。

140_1AI話を神社に戻そう。多くの人馴れ猫がいたが、とりあえず子猫2匹(愛、礼)と人馴れし過ぎていたその母猫(メイ)を保護して里親募集することに。しかし、うちもUPさんもキャパ一杯。預かり場所が必要だったが、丁度そこにルビーさん(第103話)という近所の人が通りかかる。ルビーさんは、以前近隣で猫の大量虐殺事件が起こったときに、その現場近くで、増えすぎた猫の捕獲、避妊去勢手術に乗り出した住民だった。猫を救うためにあちこちに駆けつける私たちのような猫ボランティアではなく、ルビーさんが活動したグループには猫嫌いも含まれており、猫の為ではなく住民のための活動であったようだが、野良猫の避妊去勢手術については、猫好きだけがやる動物愛護活動ではなく、住民が住環境を守る為に野良猫を増やさないという環境対策活動なのだから、それでも良いのだ。

しかし、野良猫の保護、譲渡となると動物を愛し、動物の為に行う動物愛護活動でなければならない。猫好きでなければ手を出してはならない。ルビーさんは、自分では飼ったことはないが、猫好きだと言い、その場にいた子猫のうち愛ちゃんを見て、「あら、可愛い、あんな可愛い猫なら飼ってあげたいわ」と言ったのだった。いつも保護場所に困っている私はそれを聞き逃さなかった。 
しかし、現実には、ルビーさんは意外と高齢で子猫を看取るのは厳しいし、猫を飼ったことも無いし、旅行に出かける予定も云々と言い、飼うとい決断はできないと言ったので、私は、「じゃあ、預かってください!私が里親探しをするから。」と言ったのだった。

子猫2匹は預かるとしても、大人のメイまで含めていきなり3匹は…とルビーさんは渋っていたが、人馴れし過ぎていたメイを放置することはどうしてもできないので、時間差でも良いからと何とかルビーさんを説得し、3匹を保護することに。

まずは猫の捕獲。これは餌やりのUPさんにお願いする。子猫2匹はすぐに捕まった。
推定3カ月。

ルビーさん宅でのお迎え準備として、ケージを私が貸し出し、台車を押して徒歩で搬送。器用なルビーさんは百均グッズでハンモックを作成してくれた。

捕まえた猫を外からすぐに初心者のルビーさん宅に運ぶのは危険だ。保護したらすぐに駆虫やノミ取り、風邪をひいていれば治療も必要、何らかの感染症を持っている可能性もあるし、エイズ白血病の検査も必要(これについては当時の私は知らなかったが、保護して1カ月は潜伏期間なので検査結果は正確に出ない可能性があるため、保護して1カ月以上経過してから検査が必要。詳しくは第122話から)。 
有難いことに、いつもお世話になっている動物病院に、暫く預かってもらい、必要な医療ケアを施しながら人馴れもさせてもらえることに。 

一度事前にルビーさんのご自宅に伺うと、きれいで新しい一戸建てのご自宅だった。お母様を看取られてその当時ルビーさんはお一人暮らし。高級そうな家具も並んでいたので、「猫を飼うと汚れますがよろしいですか?」と一言注意した。初めて人間の家で暮らすことになる愛と礼は今後どんな行動に出るかわからない。壁紙で爪とぎするかもしれない。カーテンに上るかもしれない、と注意をし、高級そうなカーテンや家具は汚れても良いものに取り換えてもらうようお願いした。ルビーさんもお一人暮らしだし、猫と一度は一緒に暮らしてみたかったのであろう、大らかに大丈夫ですよ、と答えてくれた。
それで、私も安心し、里親さんではないのだからと、細かい契約書など取り交わすこともなく、以下のように大まかな取り決めをした。
子猫2匹から預かり、親のメイは時間差で預かってもらうことに。
ケージなど大道具はこちらで貸与、
医療費、通院はこちらで負担、
里親募集はこちらで全面的に行う、
日々のフードなど消耗品はルビーさんがボランティアで支給。

140_2RENそして預かり期限については、私達は、当然できるだけ早く、しかし里親さんが見つかるまで無期限でと思っていたのだが、ルビーさんは来年は旅行に行きたいので年末までにしてほしいと言われ、驚いた。当時は8月。残り4カ月強。
しかし、もう後には引けないし、これまですべての猫が3カ月以内に譲渡できていたし、里親などこちらの都合の良い時期に見つかるわけでもないことくらい理解されるであろう、と思い、そのまま預かり開始としてしまった。

かくして礼と愛は必要な処置をし、ビビりの礼も病院で抱っこできるようになってからルビーさん宅へ。預りを他人にお願いしながら里親募集をするということは、以前、ゆきちゃん、はっちゃんを保護したときに私は経験している(第96話)。その時は全く見ず知らずの人がSNSで手を挙げ預かってくれたという夢のような話だった。それでも特に何も問題なく無事に譲渡できた。それに比べたら今回は近所の知り合いの人。安心して良いだろうと思った。それが後に大きな問題となるとは知る由もなく、礼と愛をルビーさん宅に届け、里親募集スタートとなった。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:骨折と頭蓋骨むき出しで餌場に現れた強者 くりちゃん

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