コラム

第138話 誰でもできるバッゲージボランティア 犬搬送初体験 その2

このコラムは、自分が里親になって迎えた龍馬を不注意から脱走させた時に(第1話から第3話)、地獄の捜索体験(第5話から第22話)をし、野良猫の不妊去勢手術にかかわったことや、可哀想な猫を沢山見てしまったことがきっかけで、猫救済ボランティアを始めることとなってしまった体験記である(第23話から第137話)。

幼いころから猫一辺倒で、犬にはほとんど縁がなかった私。犬が嫌いとか苦手ということではない。弱き命である動物は全て同様に愛おしい。どんな動物でも不幸になってはいけないし、自分にできることがあるならば、猫に限らず幸せになるお手伝いはしようと思っている。

そこへ舞い込んだワンちゃんを新幹線で搬送するボランティアの話。見ず知らずの人からFacebookを通じて依頼されたのであるが、詳しくは前話の第137話をご参照あれ。

ボランティアの内容は、広島から東京へ新幹線で戻る途中、岡山の新幹線ホームで犬のカフー君を受け取り、新横浜で別のボランティアさんに引き渡すというもの。カフー君は横浜の里親さんに迎えられることが決まったようだった。とても良い人だと依頼者さんは言っていた。よかったね、カフー君、幸せまであと少し。

岡山でカフー君をクレートごと受け取る。おやつのクリームケーキも一緒に渡された。
溜まったポイント利用で平日の昼間のグリーン車にしたので、私の車両は殆ど人がいない。しかし、ワンコの習性を良く知らない私は、いつ鳴き出すか、ドキドキはらはら。

カフー君、暫くはおとなしかったものの、そのうちクーン、クーンと鳴きだした。やだやだ、どうしよ、まだ残り2時間半もある!空いているとはいえ、他の人がいないわけではない。依頼者さんに、「鳴きだしました、どうしましょう」とメール。
すると、渡したケーキを小さくちぎって食べさせてほしいと。出来るだけ長持ちさせて、と返事が来る。

いやー、ちっこいクリームケーキ1個であと2時間半もつのか不安になりながら、恐る恐るちぎって一口カフー君にあげてみる。もちろん新幹線の中なので、カフー君はクレートの中だ。扉を開けることなく、クレートの網越しにケーキを一切れ差し出す。
するとあっという間にぱくりと食べてしまったカフー君。おとなしかったのはほんの一瞬だった。またしばらくしたら鳴きだした。新横浜到着までまだ2時間半もあるのだ。ちびちび食べてもらうしかない。小声で鳴いているときは、何とか話しかけて気を紛らしてもらおうとしたが、そのうちカフー君の鳴き声が大きくなってきた。
やばい、もう一口食べてもらうしかない、と、また一切れ差し出す。
またぱくりと瞬間的に食べてしまう。おとなしいのは一瞬、また鳴き出す。またケーキを一口…を繰り返しているうちに、カフー君、なかなか賢いようで、鳴けばもらえると学習してしまう。そして一口食べたらまたすぐに鳴き出すようになった。
新幹線はまだあと1時間半近くあるのに、残りのケーキが心細くなってきた。

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しまった、ワンコの扱いをしらない私はしくじったようだった。あとで犬に詳しい人に聞くと、鳴けば与えるではダメだったのだ。ワンコは賢い。鳴けばケーキをもらえるならどんどん鳴くようになる。静かにお利巧している時に与えなければならなかったのだ。難しいな、ワンコは。

ケーキが無くなった後、何とか気を紛らせ、新幹線は新横浜に近づく。あらかじめ聞いていた新横浜にお迎えにくるはずのボランティアさんにメールで連絡を取り、無事に新幹線のホームで対面でき、カフー君をクレートごと引き渡し、役目を終えてホッとした。

その後、カフー君は、横浜のボランティアさん宅を経て、無事里親さん宅に迎えられたと聞き、里親さん宅で可愛がられている様子を写した写真も送られてきた。ワンコに触ったこともない私でも、幸せになるお手伝いができた。よかったね、カフー君。

とにかく新幹線の中で見守っていれば良いだけの簡単なボランティアではあったが、実は心配性な私は、色々な非常事態を想像して心配していた。万が一新幹線が途中で止まったらどうしようとか、何らかの事情で新横浜でお迎えの人が来なかったらどうしよう。うちへ連れて帰るわけにはいかない。私は犬の世話はできないし、うちには猫がわんさかいて、ワンコの居場所はない。えーっと、えーっと、東京の犬ボランティアさんに助けを求めなきゃ、誰に言えばよいかな、いつもお世話になっている獣医さんは預かってくれるかなど、無事引き渡すまで相当心配していたのも事実だ。そういう場合どうするのかの打ち合わせは、事前に依頼者としておかねばならなかったのではないかなと後で思った。新幹線や車での搬送ボランティアを引き受ける場合は、最悪の場合、面倒を見られるように、動物の扱いに慣れた人の方が望ましいかもしれない。

しかし、前話の第137話で紹介したように、飛行機で荷物として預けるだけのバゲッジボランティアは動物を自分で運ぶことはないので、誰にでも出来るはずだ。幸せになるお手伝いをしたいと思う気落ちさえあれば。是非募集を見て、手を挙げてほしい。

参考:Facebookの犬猫搬送ボランティアのグループ

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:骨折と頭蓋骨むき出しで餌場に現れた強者 くりちゃん

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