コラム

第137話 誰でもできるバッゲージボランティア 犬搬送初体験 その1

このコラムは2011年に私が里親として龍馬を迎えたところ(第1話から第3話)、その後、その猫を自分の不注意から脱走させてしまい、地獄の捜索体験(第5話から第22話)をした際に、野良猫の不妊去勢手術にかかわったことや、可哀想な猫を沢山見てしまったことがきっかけで、猫救済ボランティアを始めることとなってしまった体験記を綴ったものである(第23話から第136話)。

時系列で書き進めてきたこのコラム、話は2016年夏まで来た。今回はその当時私が初めてやった犬ボランティアについてご紹介しよう。そう、犬だ。犬について私はボランティア活動していないどころか、触ったこともないし、扱い方も知らない全くの素人だ。それでもできるボランティアがある。是非読者の方にも検討して頂きたく体験談をご紹介しよう。

その当時、私はFacebookをやっており、猫ボラ活動を紹介していたら、他の猫ボランティアのみならず、犬ボランティアさんとも繋がっていた。ある時、そこで犬猫搬送ボランティア募集の投稿を見た。ある町で保護された犬猫を、別の町の里親さんや預かりさんのところに運ぶボランティアだ。飛行機などで貨物として空輸するという方法もあるが、費用が嵩む。搭乗する人が自分の預け荷物として預けてくれれば費用が抑えられる。搭乗する人の荷物、すなわちバッゲージとして預かるからバッゲージボランティア、略してバケボラと呼ばれている。

ボランティアには何の負担もない。保護主が空港まで来て、犬猫を荷物としてチェックインするプロセスはやってくれる。動物の場合は若干かかる費用があるらしいが、それは保護主が負担する。到着したらそちらにもボランティアが迎えに来ている。その引き渡しまで付き合ってあげれば良いだけなのだ。

何故このように空輸までしないといけないのか、保護したらその場所で里親探しをすれば良いではないかと思われるであろう。それが大きな問題なのだ。このバケボラ、圧倒的に南の地方から東京や大阪などの大都市に搬送するケースが多い。よく募集が出ているのが、沖縄や奄美大島など南の島から、羽田空港や大阪の伊丹空港へのバゲボラだ。それは何故か。
 
圧倒的に南の地方では猫事情が悪いらしい。そもそも暖かいので、猫の繁殖も盛んだし、生き残る子猫も多く、都会に比べ遥かに野良猫が多い。そして田舎であるが故に(失礼!)、人間の意識レベルにも問題が。啓蒙の進んだ都会と違い、まだまだ飼い犬、飼い猫でも外で自由に放して飼っている人も多い。避妊去勢手術への意識も低い。そして更に捨て猫も多い。行政の対応も進んでいるとは言えないらしいし、ボランティアも少ないだろう。保護する、譲渡するという意識も低い。つまり野良猫が多いのに、譲渡が進まないという問題があるのだ。そこで、都会の団体が協力し、地方の団体が保護した犬猫を都会で預かり、譲渡を進めようという発想なのだ。その際に都会への搬送費用を抑えるため、考えられたボランティアだ。

要は何もしなくてよいのだ。飛行機に乗る時に、手荷物として預けるだけ。それだけだ。誰にもできるではないか。

飛行機以外でも陸送の協力要請を見かけることもある。例えば車で羽田空港から横浜の預かりさんのお宅まで運んでほしいとか。これは途中何かあった場合に対応できるよう、動物馴れしている人の方が望ましいと思う。また新幹線での搬送要請も掲載されていることがある。これも動物と同席するので動物には慣れている方が望ましい。

私がお手伝いしたのは、新幹線でワンちゃんを運ぶというものだった。依頼人は岡山の犬ボランティアさんだった。丁度私が広島から東京に新幹線で帰る予定があった時に、Facebookの犬猫搬送ボランティアというグループで猫の搬送を求める掲載を見た。確か岡山から新横浜までというものだった。私の移動の途中駅なので、私は喜んで手を挙げた。恐らくFacebookの私のタイムラインで投稿を見ただろう。悪い人間に渡してしまったら大変なことになる。命を託せるかどうかの吟味はしなければならない。私の投稿は猫ボラ活動の記事ばかりだ。ちゃんとしたボランティアだと安心してもらえたのだろう。お願いしたいと言われた。

依頼者と打ち合わせをしているうちに、「予定変更で、猫ではなくて犬ではダメですか?」と聞かれた。
ダメじゃないけど、私は犬には全く縁がなく、殆ど触ったことがない。小さい頃祖母の家に犬がいたのと、小学生の時に近所の空き地で仔犬が30匹くらい生まれているのを見つけ、毎日給食のパンを持ち帰り仔犬にあげていたことはあったが、それ以来、犬との縁は全くなく、今は、もし迷子の犬がフラフラ歩いていたら、一体どうしてあげたらよいのかわからないほどだ。

「もちろん良いですが、私、犬触れないんですが…」と言ってみた。そしたら、おとなしくて良い子なので大丈夫だと。ワンちゃんをクレートごと預かり、そのまま引き渡せばよいので、犬に触ることはないと。恐る恐る引き受けることにした。 

やって来るワンコはカフー君。新幹線に動物を乗せる場合は、乗客の手荷物として一緒に座席に居る。通常の手荷物と違い、動物の場合は少額の費用がかかるらしいが、それは依頼者が負担してくれた。私が広島から乗車、依頼者さんが岡山駅のホームで私に引き渡す。私はそこから約3時間、カフー君を座席で見守る。

カフー君はどこかから岡山のボランティアさんに引き継がれ、そこで横浜の里親さんが決定したようだったので、まず横浜の預かりさんのお宅に行き、そこから里親さん宅にお届けされるのだそうだ。 
なぜ新横浜の駅から直接里親さんのお宅に搬送しないのですか?と聞いてみたら、まずは横浜で預かりさんのお宅を探しておかないと、万が一里親さん宅から返されてきたときに、居場所がなくなってしまうから。とのことだった。そりゃそうだな、岡山からでは何かあっても対処ができない。常に現地にいざという時に駆けつけられる人が必要だ。だから私は猫の譲渡においても自分が駆けつけられる範囲の場所の人にしか譲渡しない。

当日、私が広島から新幹線に乗車。列車と座席番号を伝えて置く、たまたま新幹線のポイントが溜まっていたので、グリーン車にアップグレード。万が一、鳴いてしまった時のため、人が多い普通車より人が少ない方がよいだろうと思ったからだ。セレブな待遇に依頼者さんも感激してくださった模様。混まないよう平日の昼間のグリーン車にしたが、想像通りガラガラだった。

137ドキドキしながら岡山着。新幹線の扉で岡山の依頼者さんからカフー君とおやつを受け取る。鳴いたら食べさせてください、と言われ手渡されたものはクリームたっぷりはいったおいしそうなロールケーキのようなもの。

クレートを座席の足元に置き、さあ、これから3時間仲良くしようね、とカフー君にご挨拶。
クレート越しなのでよく顔は見えないが、可愛いシュナイザー風?思ったより大きい。中型?
これからの長旅どうなるかドキドキだった。続く。

参考:Facebookの犬猫搬送ボランティアのグループ

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:骨折と頭蓋骨むき出しで餌場に現れた強者 くりちゃん

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