コラム

第128話 幸運なシンデレラボーイひかる不運との闘い③ 思いが通じて幸せへ

このコラムは、私が2011年2月に里親として龍馬と凛子を迎えたものの(第1話から第3話)、その後に龍馬を脱走させてしまい、地獄の捜索体験(第5話から第22話)をし、その際に野良猫の不妊去勢手術にかかわったことや、可哀想な猫を沢山見てしまったことがきっかけで始めることになった猫救済ボランティアの体験記である。これまでの記録はこちら→(第23話から第127話) 一人でも多くの方に不幸な猫達の実情を知ってもらい、多くの猫が救われることを願って書き続けている。

時は2016年6月、推定3歳のオス猫ひかるを保護した(第126話)。人馴れしていると思って保護したのに、預かってもらった病院では警戒心マックスで、何と1週間のハンスト。診察してくれようとしたドクターには恐怖心から攻撃し、これでは里親探しできないのではと言われ、あわやリリース(元いた場所に放すこと)の危機。しかし私が面会に行くと落ち着きを取り戻したので、里親募集をすることに決定した(第127話)。

病院で継続して預かってもらえることにはなっていたが、1週間もハンストするなどという全く想定外の行動に出たひかるは、いきなり拉致されて病院に連れて行かれ、検査や診察されたことがよほど怖かったのだろう。こちらの善意は全く猫には理解してもらえない。私はひかるをうちに連れて帰ることに決めた。保護猫をうちで保護するのは初めてだった。うちには保護部屋もないし、私は仕事で留守が多い。うちで家猫修行の面倒まで見るのは無理ということで、これまで保護した猫は全て病院に預かってもらっていながらの里親募集だった。しかし、ひかるがあそこまで抵抗した姿を見たら、うちに連れて帰ってやるしかないと思った。丁度その時は他にもジュノンを病院に預け里親募集していたが、希望者が数名いて、決まりそうな気配だったので、私の心にも余裕ができていたのだろう。ひかるを連れて帰ってやろうと思ってしまった。実はそれがのちに大きな事件へと発展することを、その時の私は知る由もなかった。

病院で必要な初期ケアであるワクチン、検便、駆虫、ノミ取り、そしてエイズ白血病検査をすませた。検査は両方とも陰性。ほっとして自宅へ連れ帰った。うちではひかるを私の寝室へ入れた。当時うちにいた先住猫は5匹。オス1匹にメス4匹だったが、いきなり新入りに対面させるのは危険だ。本来私の寝室はうちの猫1号のオス猫龍馬(第1話)の縄張りだ。後から来た猫達は一応龍馬に敬意を払い、寝るときも私のベッドには入って来ない。猫の世界にも序列があるものなんだな、といつも感心している。
しかし、その龍馬の縄張りに新入りの保護猫ひかるを入れるしかなかった。勿論先住猫達とはまだ一緒にできないので、私の部屋は閉め切って、それまでそこを縄張りとしてきた龍馬も追い出すことになった。
他の先住猫達も、このところ次々と私が保護する猫が自宅に短期でお泊り保育にやってくるのを見ていて、「またかよ。」という目で見ている。当然新入りには、シャーシャーの洗礼をあびせる。

一方ひかるは、病院でのあの警戒は何だったのだろうと思うほどに、すぐに私にべったり甘えてきたが、元来ビビりな性格らしく、ちょっと音がしたら怯えたり、ベッドと壁の間に隠れたりした。ビビりな甘えん坊だ。つくづくあの時リリースしなくてよかったなと思った。

128hikaruその後しばらくして里親会に参加できることとなった。保護してから2週間以上経過したので参加条件を満たした。ちなみに、保護してすぐは何か感染症を持っていても潜伏期間ということもありうる。外からすぐに自宅に連れ帰って先住猫と接触させるのも危険だし、譲渡会に行ってケージの中にいるとしても、譲渡会で猫を見に来た来場者に触られることにより、その手を介してほかの猫に感染するということもありうる。色々な感染症はあるが、保護猫の世界において、だいたい2週間経過していれば、重篤な感染症の有無はわかるとされているので、譲渡会参加要件が保護してから2週間、とされているところが多い。従って、全くの個人が「自宅の庭で生まれた子猫をもらってください」と掲示板に出している猫に譲ってくださいと申し込みたいと思った場合、自宅に連れ帰る前に、保護してからどのくらい経過しているのか、必要な初期ケアをしているのか、エイズ白血病検査をしてあるのかをきちんと確認してからにすることをお勧めする。自分が外で出会った猫を保護した時も同様だ。保護したらすぐに病院で必要なケアをし、2週間は絶対に他の猫に接触させないようにしなければならない。それが殆どの猫ボランティアの知っている常識であった。が、それだけでは不十分であったことが、今後大きな悲劇を生む事になるのだった。それはまたあとで。

譲渡会開催は7月。私は甘えん坊のひかるの譲渡条件として、お留守番が少なく1匹飼いとした。譲渡会に参加している猫は、時期的に子猫ばかり。いわゆる子猫祭りだった。3歳になっていたひかる、しかも見かけは普通のキジトラ。里親さんが見つかるには時間かかるだろうと覚悟していた。しかし以前にも、ゆきちゃん、はっちゃんという親子(第96話から)の里親さんを見つけたことがある。ひかるは可愛いし甘えん坊、大丈夫、大丈夫、と自分に言い聞かせていた。譲渡会では素直に誰にでも抱っこされてくれたひかる。おかげで人気者だった。

とある夫婦と話していて、ビビビッとくるものがあった。「この人がいい!」と私は勝手に思った。40代、とても感じよく仲よさそうなご夫婦。保護猫にも理解あり、うちからも近い。適切な広さのマンション。子供なし、奥様は週3日、半日程度のお留守番。先住猫無し。奥様は昔ご実家で猫飼い歴あり。ご主人は初めて猫を触るという初心者。
でもひかるはご主人の膝の上で心地よく抱っこされていた。子猫に群がる人が大半のその時期に、3歳の子に目を向けてくれる人は貴重だ。それに、性格もわかり落ち付いている大人猫の方が初心者には飼いやすい。是非このご夫婦に決めてほしい!そう思ったが、慎重にもう少し検討したい、とおっしゃられた。個人的に電話番号を好感しても良いというルールの譲渡会だったので、その後検討して再度連絡してほしいと私は告げ、とっさに思いついたのが、電話番号を渡すより、自分のブログを渡そうと言うことだった。それはネットの里親募集サイト内に設定されている猫日記だった。下記にもリンクあり。
電話番号をいくら眺めても、その猫を迎えるか否かの決断に至る情報は書いてない。しかしブログにはその猫のことが沢山書いてある。保護した経緯や保護中の日々の様子など。本気でその猫のことを思ってくれる人ならば、必ず読んでくれるはずだと思った。そしてさらに情報を得て、決断に至れるのではないかと。会場を出て行かれるそのご夫婦の後姿を見ながら、私は「からならず戻ってきて!!」と。念力を送ったことを今でもはっきり覚えている。

里親会主催者にもそのご夫婦のプロフィールを伝えると「いいねぇ」と。
しかし、しばらく待ってもご連絡はなかった。私はブログを読んでもらっていることを信じて、ひかるの日々の様子を綴った。

翌週、また別の譲渡会に参加した。そこではご縁はなかった。そのこともまたブログに綴った。
そしたら、その瞬間、ブログにリンクしている里親募集サイトからお申し込みが!あの私がビビビッときたご夫婦だった。念力が通じた!!

運命の里親さんだ!ひかるが幸せの扉を開けた瞬間だった。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
大田区のW字の髪型が可愛い11ヵ月 蓮くん

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