コラム

第125話 緊急注意喚起 推定25歳 老猫ゆうた 脱走事件簿 

昔から猫好きであった私が、やっと里親として龍馬と凛子を迎えたのが今から8年前の2011年(第1話第2話第3話)。しばらくは平和だったものの、その1年半後に龍馬を脱走させてしまい、地獄の捜索体験をすることに(第5話から第22話)なり、その中で、龍馬を捕まえる為にしかけた捕獲器に入ってしまった野良猫の不妊去勢手術にかかわったことや、可哀想な猫を沢山見てしまったことがきっかけで、救済ボランティアをすることに。その体験を多くの人に知ってもらい参考にしてもらいたくてこのコラムを連載している(第23話から第124話)。

その猫ボラ奮闘記も2011年当時の話からスタートして、第124話まできて、2016年6月までの事件を綴って来た。それ以降も沢山のネタがあるが、今回は時計を現在まで進め、つい最近起こった事件を紹介したい。それは、私も周囲のベテランボランティアも驚く想定外の結末になり、こんなこともあるのか、猫を侮ってはならないと肝に銘じた事件が起きたからだ。こんなに寒い時期でも飼い猫の脱走事件は後を絶たない。その注意喚起と捜索時の参考にしてもらいたいからだ。

1251昨年末2018年12月上旬のこと、近所のシマコさんから電話があり、自宅の飼い猫ゆうたが前の晩からいなくなった、捕まえたいから捕獲器を貸してほしいと相談だった。シマコさんとは近所のお婆さんでパンジー公園で野良猫に餌をあげている人だ(第26話)。避妊去勢手術もするいわゆる良い餌やりさんで、頻繁に私が猫の事で相談にのり捕獲を手伝っている。

ゆうたがいなくなったと聞いて、私はまさかと思った。ゆうたは推定25歳、見るからによぼよぼ。足腰も弱っているし、頭もぼけてきていて、脱走しようなどと思う猫には到底見えない。シマコさんも、出ていくなどと思わずに、玄関のドアを開けたまま、近所のおばあさんとくっちゃべっていて、ふと気づいたら家の中にゆうたがいなくなっていたと。出ていくところを見たわけでもないし、自分も喋っていた近所の婆さんも猫が足元すりぬけたことに気づかなかったと。まぁ、なんということだ。本当に出て行ったとするならば、すでに一晩寒空の中、外で過ごしたことになる。あの老体に外で夜を明かすのはとても堪える。外で衰弱して身動き取れなくなっているか、すでに亡くなってしまっている可能性あると私は心配でたまらなかった。私は自分の猫を脱走させた経験がある。その時の捜索方法を思い出し、シマコさんに助言。私は当日出かけていて、すぐに現場にかけつけることができず、近くにいる別の猫ボランティアのKさんに捜索を手伝ってくれるようお願いした。

あのよぼよぼで遠くに行くはずがない。近隣の人に事情を話し、老猫を見かけたら連絡くれるように頼み、また、家の周り捕獲器をしかけ、餌を入れてゆうたが捕まるのを待った。しかし、年寄りで鼻も利かなくなっているだろうから、餌のにおいにつられて捕獲器にはいってくるかは疑問だと思った。結局その日は見つからず。

翌日の朝、私も駆けつけ、捕獲器を追加で2台設置したが、もう生きていない可能性も考え、猫がひっそりと亡くなっていそうな場所を重点的に探した。長時間駐車してある車の下、住宅の縁側の下、物置小屋の下やその中、枯れ草が山積みになっている場所など。
酷なようだが、シマコさんにも、もう生きてないかもしれないけど、ちゃんと供養してやらないといけないからね、亡骸回収してやらないとね、と話した。目の前はバス通りだ。交通事故の可能性もある。こちらが気づかないうちに事故に遭い、その亡骸を見た人が役所に通報し、すでに回収されてしまっている場合もある。そういう場合どの役所が管理するのかについては各自治体による。我が区の場合は、その現場が国道か区道か私有地かによって異なる。読者の方も、猫がいなくなって捜索する場合は、自分で周辺を探すと同時に、万一事故死して回収されてしまっている場合も考えて、役所に問い合わせの電話を入れることをお勧めする。その際は毎日新たな亡骸が回収されていないか、こちらから連絡する必要がある。また、民間のペット霊園の中にも、飼い主のわからないペットが事故死していた場合、電話すると無料で引き取りに来てくれて供養までしてくれるというありがたい業者もいる。その霊園にも、最近連絡を受けて引き取った猫の亡骸はないか電話して聞いたが、該当なしだった。

また亡くならなくても、怪我をした猫を引き取り、飼い主を待つという愛護センターもある。そこは、通報受ければ、怪我や病気で行き倒れている犬猫を一旦引き取るが、治療するでもなく、1週間ほどネットに掲載して飼い主からの連絡を待ったうえで殺処分を行っている。万が一そこに引き取られている場合には1週間以内に見つけてやらないと命はない。そこにも連絡を入れてもらった。しかし該当無しだった。

目撃情報をもらうため、ポスターやチラシが必要だ。シマコさんは勿論パソコンもっていないので、作成できない。私が作成するしかない。猫の写真ある?と聞いたが、そんなもの無いと。あちゃー。お婆さんはこれだからなぁ…。
その時ふと思い出した、私が数カ月前にゆうたの写真を撮っていたことを。推定25歳のギネス級の長老をフェイスブックやブログで表彰してあげようと言って撮っていたのだ。
よかった、よかった、早速ポスターを作成し、周辺の目立つどころに貼った。よぼよぼのヨタヨタの爺さん猫だ、道路を渡るはずがない、橋を渡るはずがない、大きなマンションを通り越してその向こうの通りまで行くはずがないという想定で、シマコさん宅と同じブロックの周辺を中心にポスターを貼った。人気のお風呂屋さんにもお願いした。

1252事故死でもなさそう。周辺にもいない。遠くに行くはずがない。あんなボロボロの爺さん猫、だれかが連れて行くとも思えない。となるとやはり家の中にいるのではないかと私も疑い、もう一度いつも猫がいかないような場所を探してみるようにシマコさんに助言した。フェイスブックのベテラン猫友さんからのアドバイスも、どこ探してもいなかった老猫が天井裏でひっそり亡くなっていたという話を聞いたので、酷なようだがそれもシマコさんに伝えた。
しかし家の中はくまなく探したが絶対にいない、とシマコさんとその息子さんは言い張った。

翌日、いなくなってから3日目。全く情報なくどこにも見つからない。周辺以外の人にも情報提供してもらえるよう、近隣からこの辺に人が集まる場所にもポスターを貼ろうと思い、シマコさん宅の向かいにある大きなマンションを超えた裏通りのクリーニング屋さんにポスターを持っていき、ここまで猫が来るとは思えないが、もしかしたらお客さんの中に見かける人がいるかもしれない、と、お願いしてポスターを店頭に置いてもらった。

私は勝手にゆうたは死に場所を探していたのではないかと思っていた。見知らぬ外に行くはずがないし、すでに3日だ。寒い12月にあの老体が外で無事に過ごせるわけない、どこか家の中かほんのすぐ近くで冷たくなっているのではないかと思い込んでいた。

ところが翌日。脱走4日目。シマコさんから電話。私はてっきり、死体回収したと言われるのかと思ったら、何と無事に見つかったと。電話の向こうで元気な鳴き声がしている。
えーーー 一体、どこにいたのかと聞くと、脱走翌朝、知らない人に付いていってしまい、その人の家で保護されていたと。その人の家は、絶対に猫がいかないだろうと思った川向う。その人がゆうたを見つけたのは、それも絶対に行くわけないと思っていたクリーニング屋さんの前、そこから川向うまでついてきたと。そしてその人がゆうたの捜索を知ったのは、私が期待していなかったクリーニング屋さんの店頭のポスターだと。

なんとまぁ、猫というのは、猫馴れしているはずの私たちボランティアの想定を超えることをやってしまうのだ。猫様おそるべしだ。

その人が良い人で本当によかった。ゆうたはまた元気にシマコさん宅で、ギネスを更新する長寿を目指している。しかし、どうか読者の方には参考にしてほしい。猫様おそるべし、侮るなかれと。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
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