コラム

第118話 ジャニーズ系 ジュノン その3 警察沙汰事件へ

このコラムは、里親として龍馬と凜子を迎えたものの(第1話第2話第3話)、その一年半後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第22話)その捜索中に沢山の野良猫に出会い、悲惨な現実を知ってしまったことから始まった猫救済のボランティア活動記録である(第23話から第117話)。 

時は2016年6月。人馴れした美猫ジュノンを保護し、里親探しすることに(第117話)。ネットの里親募集サイトで猫飼い初の若い夫婦から応募が。メールの文章からの印象は大変よかったものの、条件に合わない点がペット可住宅ではないということ。ペットは公認ではないが、管理人から了解をもらっているので大丈夫、万が一脱走した場合にも、近隣にも管理人にも協力を求め、きちんと捜索すると言われた。今の私ならば恐らくお断りしているだろうが、当時は私の経験も浅く、人物への印象が良かった事から心が揺らいでしまい、こちらで猫とお見合いをしてもらい、その足で先方の自宅訪問だけでもすることにしてしまった。

丁度その週の日曜日に譲渡会に参加することになっていたため、その前日にバタバタとお見合いの予定を組む。とても協力的な希望者さんだった。
確か前日だったが、具体的な相談を電話でしたところ、先方からの何気ない会話で「うちのマンションの敷地にも子猫が生まれている。」と聞かされる。

はあ?何でそんなこと今言うかなぁ。私はその人の家に行く事になっている。そこで子猫を見たらほっておけなくなるのは間違いない。血の気が引いた。どうするよ?

2時間以上離れている場所なのに、見たら放置できる気がしなかった。今の私ならもう少し冷静に、対応不可能であると、線をを引くことができるであろうが、当時の私は、相談を受けることも少なかったので、聞いた話は全て対応し、子猫と人馴れした大人猫は全て保護、慣れていない大人猫はTNR (=不妊去勢手術をしてもとに戻す) をして来たのだ。その子達だけ見なかったことにはできないと思った。 
やめときゃいいのに、ジュノンのお見合いの手筈そっちのけで、子猫保護作戦を練り始めた。

猫飼い初、恐らく里親に応募するのも初めてであろう応募者さんは、自分が発してしまった何気ない一言で、私が大騒ぎを始めたことに戸惑いながらも、まじめに私に指示されるまま、その子猫情報を管理人さんから収集してくれることに。 

ペット不可のマンション敷地内で猫に餌やりをしている住人がいて、子猫3匹、親もいるとのことだった。管理人は黙認していた模様。管理人と餌やり人へ、私が翌日現地に行き、子猫を保護して里親探しをするために連れて帰り、親猫は捕獲して不妊手術をすることに同意してもらうように依頼しておいた。そして可能なら親猫の手術費用は餌やり及び住人で支払ってくれるようにとの依頼も。

ジュノンのお見合いの段取りよりも、無責任餌やり問題の啓蒙の方に話の比重が移っていた。私もそうしたくてしているわけでなかったし、応募者さんには気の毒ではあったが、仕方がなかった。 

私は捕獲と保護の段取りを考える。お見合い予定までに一日しかない。
まずは子猫を見たら連れ帰って保護する場所を確保しなきゃと。お見合い予定のジュノンを預かってもらっている病院の先生に事情を話し、「病院でジュノンとのお見合いをし、その後希望者宅に行って、子猫を保護してくるかもしれない。そしたら子猫を預かってほしい、私が責任もって里親探しをするから」と、お願いする。先生もあきれただろうなぁ。

そして、母猫は手術をしなければならない。子猫だけ保護しても母猫の不妊去勢手術をしなければ、またどんどん生まれてしまう。だから子猫を見つけたら、必ず親猫の手術をすることが必須だ。その日一度で捕まらなかった場合、車を持たない私が何度も片道2時間かけて通うことは不可能だ。どうしよう、どうしよう。そんな遠いところに知り合いはいない。そうだ!その地域の保健所に相談しよう。野良猫問題は各地域の保健所が管轄である。

その地域の保健所に電話し、自分は東京の人間であるが、その地域に子猫が生まれていると聞いた。翌日はそこに行くことになっているので、子猫を保護し、親の捕獲も試みるが、一日で終了しなかった場合、自分は通えない、その捕獲と保護を引きついてくれるボランティアさんが近くにいたら紹介してほしい、かかる費用は全額私が払う、と相談してみた。

その地域の保健所には登録しているボランティアが何人かいるらしいが、連絡先は教えてくれない。そりゃそうだ。猫がいるから助けてやれと丸投げしてくる心無い相談者が沢山来るからだ。費用をきちんと払うと伝えれば、動いてくれる人もいると思ったので、私は自分の連絡先と、かかる費用は全額払う、子猫の保護場所確保と里親探しは自分が責任もってやると伝え、助けてくれるボラティアを探してほしいと保健所に伝えてみた。そして同時にその地域で預かりをしてくれる人の募集もネットでやってみた。

その地域の保健所は親切で協力的であった。そんなに遠くから猫を心配し、費用を負担し子猫を保護し、親の手術まですると言ってきた私に同情してくれ、費用負担されるなら誰か動いてくれるかもしれない、探してみると言ってくれた。

しかし、一日では時間なく、保健所が閉まる夕方ぎりぎりまで待ったが、協力ボランティアは見つからないとの返事だった。もう仕方ない、とりあえず翌日のお見合いの日は私一人でできる限りの事をやり、その後、協力者が出てくれば、私が費用を出し、引き継ぎをお願いしようと思っていた。

そしてお見合い当日の朝、応募者さんから詳細な連絡が。現地では驚くべき展開となっていた。
敷地内で餌やりをしている人は、以前からトラブルメーカーの外国人であり、今回管理人から子猫の存在について指摘され、私が保護しに行く話をしようとしていたところ、いきなり暴力的な態度に出て、マンション内で大きな問題になった、管理人に黙認してもらう形でジュノンを飼おうと計画していたのに、それが出来る雰囲気ではなくなった、お見合いもキャンセルさせてほしいと。 

この想像を超える結末には私もしばらく口をあんぐりさせて呆然となった。もうどうにもならなかった。

そして、数日後、どうしても気になったので、そこの保健所に連絡し、そこの猫がどうなったか何かしらないか聞いてみたら、その外国人は以前から問題をよく起こす人で、警察も出てくる大騒ぎとなった、だからもうあなたも関わらない方が良いですよ、と言われた。

猫は心配であったが、もう自分にできることの全てをやり尽したことになるので、私はある意味納得して手を引いた。 

この奇異な事件から教訓にすべきことは何であろうか。今考えたら無謀な計画ではあった。今後は遠くの地域の猫にまで余計なお節介をするなということなんだろうか。いや、そうではないだろう。どこの猫とて、自分にできることはやっていかないと不幸な猫は減らない。

応募者さんは純粋にジュノンを飼いたいと思っただけなのに、こんなことになって気の毒ではあったが、やはりルール違反の応募の意味をもっと真剣に考えるべきであっただろう。ペット不可住宅でも黙認してもらい、絶対に何があっても終生飼育を誓うと言ってくれたことにウソは無かっただろうが、結果、こんな事件になったら、ジュノンを飼うことを断念せざるを得なかった。これがジュノンを引き取った後だったらどうしていたのだろう。引っ越ししてくれたのだろうか。ペットの生涯はざっと20年。その間には何があるかわからない。それでも終生飼育を誓えないと生き物は飼えないということだ。

それ以降、私はペット不可住宅の方からの応募は、このような事件を例に挙げお断りするようにしている。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記
猫の里親募集:
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