コラム

第105話 野良猫の大量虐殺事件 その4 子猫保護里親募集と犯人逮捕

2011年2月に里親として龍馬と凜子の2匹を迎えた(第1話第2話第3話)ところから始まった猫との生活。しかし、その一年半後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第22話)、その捜索中に沢山の野良猫に出会い、悲惨な現実を知ってしまった事から野良猫救済ボランティア活動を始めることになってしまった。主な活動内容は、飼い主のいない猫のTNR(捕獲、不妊去勢手術をして元の場所に戻すこと)、人馴れした猫の保護、譲渡、病気の猫の治療、地域猫活動についての広報など。それから4年以上、次々と色々な事件に遭遇し今に至る(第36話から第104話)。

2016年3月に近所で多数の猫の虐殺があったと聞いた(第102話)。細い路地に住宅が密集している場所に、餌やりが複数いて、野良猫の数は私が見ただけで15~6匹。猫問題に憂慮した近所の住民が既に自分たちで捕獲し、カンパを集め、不妊去勢手術に乗り出した(第102話から第104話)が、そのさなかに10匹以上の猫が虐殺されたようだった。 
警察が捜査をしている間にも虐殺第二弾も起こり、現場には人馴れしていそうな子猫もいて、私は心配でたまらなかったが、虐待現場など関わった経験もなく、どうしたらよいか途方にくれた。たまたま、ある里親会に手伝いに行く事になっていた。里親会というのは、猫の保護活動をしているボランティアが、保護猫をつれて来て、里親になってくれる人を探す会であり、沢山のベテランボランティアが参加している。手伝いにいったついでに、その虐待現場のことを話してみたら、有難いことにあるベテランボランティアさんから協力の申し出を貰い、早速その現場の住民で捕獲をしているルビーさんとダイヤさんにつないだ。そのベテランさんによると、まだ手術が終わっていない猫は一斉捕獲をした方が良いとのことだったので、私がもっている捕獲器も持参して、ルビーさん、ダイヤさん含め、日程を決めて4人で捕獲することに。 

そして子猫はどうするかだ。私には充分小さい子猫に見えたが、ベテランボラさんによるとすでに生後4、5か月となっており、虐待現場でなければ保護しないで手術だけしてもとの場所に放すのが通例だが、虐待現場で人馴れした猫は狙われて危険なので保護して里親募集を検討してもよいとのこと。人馴れの度合いは、すぐに触れるわけではなかったが、いつも通行人に遊んでもらっており、警戒心もさほどなさそうで、虐待犯のターゲットになりそうだと思った。ルビーさんは猫好きだと言っていたので、保護して里親募集してもらえないか再度お願いしてみたが、やはりノー。保護してやりたいなら、そう思った私が全責任をもつしかなかった。そのベテランボラさん曰く、「私達には弱みがある」と。またほかのベテランボランさんも、「気になった者の負け」と言っていた。そう、つまり、野良猫などいくらでもいる、いちいち気になっていたらきりがない、仕方ない、と言いきってしまえる人はそれで終われる。しかし、それで終われない人が、結局、物理的、経済的負担を自分で背負ってまで猫を助けるボランティアになっている。つまり、気になって放置できない、気になった人がやるしかない、それが弱みなのだということだろう。

私もボランティアするつもりはなかったと言いながら、結局、気になって放置できないのだから、ボランティアへの道を進んでいることになってしまっていた。
ベテランボラさんに保護場所を探す協力をしてもらえることになったので、私がいつも見ていた子猫2匹は私が責任もって保護主となることにした。
以前、別の餌場で保護したゆきちゃん、はっちゃん(第96話から第99話)の時は、運よくSNSで里親がみつかるまでの預かりをしてくれる人が現れ、里親募集も奇跡的にスムースに運んだが、今回は私には保護場所の当てがなく、保護シェルターを紹介してもらい、そこで預かりと里親募集もしてもらえるとのことだったので有難くお願いすることに。

そこまで決まったところで、ベテランボラさん、現場付近住民のルビーさん、ダイヤさん、私の4人で一斉捕獲へ。近隣の餌やりさんに、当日は餌をやらないように依頼。お腹が空いていないと捕獲器には入ってくれないからだ。結果、私が保護したいと思った子猫2匹の他に、同じような月齢の子猫2匹も捕獲器に入った。私は見たことがない猫だった。シェルターに預かりをお願いできるのは2匹のみだ。あとの2匹については、ベテランボラさんが、「同じような月齢の子なのに、一部だけ保護して残りは保護しないということはできない、自分が自宅で保護し、里親探しもする」と言ってくださった。そしてその日は子猫のみ4匹捕獲で終了。後日残りも捕獲、手術も完了した。

その後そのボランティアさん預かりの2匹はまもなく里親さんが見つかり、私が保護主となった2匹はシェルターで預かってもらいながら里親募集へ。希望者が現れたら私に連絡をもらうことになっていたが、2匹はいざ保護してみると、警戒心強く人馴れも難しかった模様。長期戦を覚悟したが、その後諸事情によりその2匹は私の保護下を離れ、シェルター所有の猫となり、随分時間はかかったものの里親さんが無事見つかったとのことだった。虐待の犠牲にならなかっただけでなく、家猫として幸せになれて本当によかった。

この4匹のように保護せずにいられないと思うような人に出会える幸運な猫は本当に少ない。そこまでの気持ちをもつ人間も少ない中、気持ちがあっても自分が飼えない場合どうしたら良いかわからないという人もいるだろう。そのような投稿をSNSでも見かけることが多いが、放置したら虐待の犠牲になることもある。気持ちと覚悟があるのなら、近くのボランティアを頼って里親募集する相談をしてみてほしい。丁寧に事情を説明し、誠実に対応すれば助けてくれるボランティアはいるはずだと思う。

そしてその現場の虐待犯は、その一斉捕獲をしてから1カ月のちに逮捕された。全国版のニュースでも報道されたが、犯人は現場のすぐ近くに住む怪しげな男だった。10匹以上殺害した模様。動機はただ仕事上のストレス発散だったと。殺し方は無残すぎてここには書けない。犯人逮捕、見えている猫の全頭手術で一旦はほっとしたものの、この現場にもまだ猫はいる。新しい猫もよそからやってくる可能性もある。手術の継続と犯罪防止のための住民による注意警戒は必要である。

どこにでも野良猫が居る以上、このような事件はどこにでも起こりうる。警察は事件が起こってからでないと動かない。増えすぎた猫はとかくトラブルの元だ。今回のように、猫が嫌いで虐殺したのではなく、ストレス発散にたまたま目の前にいた弱い者を対象にした事件では、一歩間違えば犠牲は人間の子供だったのかもしれない。トラブルの原因を無くすためにも外猫は増やしてはならない。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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