コラム

第103話 野良猫の大量虐殺事件 その2 不妊去勢手術に立ち上がった住民

子供の頃から野良猫を拾ってきては、親に飼ってやれないから戻して来いと言われ、泣く泣く元の場所に戻しに行ったことが何度もあった猫好きだった私は、漠然と、大人になったら見つけた野良猫全部引き取ってやりたいと思っていた。 
成人しても多忙で、やっと猫を飼おうと決心できたのは、今から7年前の2011年2月。
当然のごとくペットショップで買うのではなく、里親として龍馬と凜子の2匹を迎えた(第1話第2話第3話)ものの、その一年半後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい(第5話から第22話)、その捜索中に沢山の野良猫に出会い、悲惨な現実を知ってしまった事をきっかけに、野良猫救済ボランティア活動を始めることになってしまった。主な活動内容は、飼い主のいない猫のTNR(捕獲、不妊去勢手術をして元の場所に戻すこと)、人馴れした猫の保護、譲渡、病気の猫の治療、地域猫活動についての広報など。それから4年以上、次々と色々な事件に遭遇し、止めるに止められず今に至る。(第36話から第102話)。 

2016年3月に、近所で見かけた警察からの貼り紙により、多数の猫の虐殺があった事を知る(第102話)。細い路地の住宅街で大量に猫が増えてしまい、近隣の住民が立ち上がり、グループを組んでお金を出し合って不妊去勢手術を進め始めたものの、たまたまその近隣に冷血非道な男が住んでおり、全国ニュースになるほどの残忍な虐殺事件を起こしたのだった。私が現場に行って見た限りでは15~6匹はいただろう。警察も捜査をしていたが、犯行は第一段、第二段と続いき、犠牲になった猫は10匹以上だと聞いた。

103.1 (1)そんな悲しい事件は知りたくなかったが、知ってしまったからにはほってはおけない。その場所には複数の餌やりがいたが、その一人のタクさん(第102話)によると、捕獲器を持っている人が近隣にいて避妊去勢手術を進めているとのことだった。まず近所に猫ボランティアがいるとは聞いたことがなかったので、そんな人がいるなら是非つながって今後は協力していきたいと思い、その人と連絡をとった。

その人は、(仮称ルビーさん)近所の住民。ボランティアというわけではなかったが、周囲で猫が急に増えたことに危機感を感じ、もう一人近所に住むダイヤさんと一緒に立ち上がり、自分たちで猫を捕獲、手術を進めてきたとのことだった。ルビーさんは、猫は好きだが、飼っているわけでもなく、私のように自宅から離れた場所であっても、猫を救いに奔走する猫ボランティアというわけでもなく、とりあえず自宅の周辺の猫で猫が増えるのを止めるために立ち上がり、そしてダイヤさんは猫嫌いで、やはり猫が増えるのを止めたいと思い立ち上がったとのことだった。ルビーさんは捕獲器で猫を捕獲する担当で、ダイヤさんは猫が嫌いで触れないので、捕獲はできないが、昔からその町に住んでいて知り合いも多いらので、町の環境を守りたいという思いの近隣の人からお金を集める係だと言う。

その2人がボランティアとして一緒に活動していける人というわけではなかったことは、私にとっては若干がっかりだったが、猫好きや餌やりだけでなく、猫嫌いや猫に関心の無い人達も巻き込み、お金も住民で出し合い、自分たちで不妊去勢手術をし、猫の為だけではなく、町の環境を守るために活動しているのは素晴らしいことだと思った。
  
餌やりだけのせいにしていては何も解決しない。だいたい餌やりというのは高齢者が多い。避妊去勢手術をするという発想がなかったり、あってもどうしたらよいかわからなかったり、情報をネットで調べることもできない人が多い。そうこうしている間にどんどん猫が増え、手術代も賄いきれなくなり、さらに猫が増えるという悪循環になる。そして最悪のケースは、この場所のように悲惨な事件が起こるのだ。さっさと手術してしまった方が賢明なのだ。

ルビーさんによると、まだ捕まらない猫がいるとのこと。それであれば喜んで捕獲の手伝いをすると私は申し入れた。捕まえる協力だけなら何ということはない。それに、ルビーさんがどこの病院を使っているのか聞いてみると、私がいつもお世話になっている病院とは違い、こちらの方が手術代も安く、野良猫に優しい病院だと私は思ったので、病院の紹介もすると申し入れた。

103現場に行って良く見て見ると、可愛い子猫も数匹いた。生後半年程度、誰にでもゴロスリするわけではないが、通りすがりの人に遊んでもらっている姿を見たこともあるので、人馴しそうな感じに見えた。ここは虐待が起こっている現場だ。人馴れした子は犠牲になりやすい。私はその子猫達が心配でたまらなくなった。
ルビーさん達に、この子猫達を保護して里親探ししませんか?と聞いてみた。するとそれはできないと。猫の嫌いなダイヤさんはともかく、自称猫好きのルビーさんには、もう少し猫を守ろうと言う気持ちがあるのではないかと期待したので残念だった。

里親募集は私が全面的にやるとしても、うちにはもう保護場所がない。預かってくれる人を探すか、最悪は、いつもの病院に預けるしかない。病院は非常に安く預かってはくれるが、無料ではない。私が紹介する病院は、避妊去勢手術にワクチン、ノミとり込まで付けるとルビーさんの病院より安くすむので、それではその浮いたお金を保護する費用に回してくれないか?と聞いてみた。 
はっきり言って、私は勿論無償で捕獲を手伝うし、より安い病院を紹介し、保護した子猫の里親募集自体も私がやるのだ。浮いたお金を保護費用に回してくれるくらい、当然快諾してくれると思ったが、それも返事はノーだった。ここで私は、ボランティアではない人はやはり目的が違うのだということに気が付いたのだった。この人達は、人間の住環境を守るために猫の避妊去勢手術をしているのだ。もちろん、それも大事だが、虐待が継続している現場で、活動メンバーの中に猫を守るための行動を起こしている人がいないのは問題だ。それに気が付くとほってはおけない。
結局私はこの虐待現場にたむろしている沢山の猫を守り、子猫の保護場所を探し、里親募集を検討するために、他に助けを求めて1人で奔走することになる。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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