コラム

第102話 野良猫の大量虐殺事件 その1

2011年2月に里親として龍馬と凜子を迎え(第1話第2話第3話)、そのまま単なる飼い主として楽しく猫ライフを送るはずだったところ、その1年半後に自分の不注意で龍馬を脱走させてしまい、(第5話から第22話)、その捜索中に沢山の野良猫に出会い、悲惨な現実を知ってしまった事をきっかけに、ボランティア活動を始めることになってしまった。主な活動内容は、飼い主のいない猫のTNR(捕獲、不妊去勢手術をして元の場所に戻すこと)、人馴れした猫の保護、譲渡、病気の猫の治療、地域猫活動についての広報など。それから4年以上、色々な事件に遭遇し、止めるに止められず、今でも続いている。(第36話から第101話)。

時は2016年3月。近所の商店街で買い物をしていた時、警察からのある貼り紙に気が付いた。
貼り紙の内容は具体的には覚えていないが、「猫虐待事件」の文字があった。そんな言葉を見たらじっとしていられない。その足で交番に駆け込んで、どこで何があったのか質問する。近所にも猫嫌いは沢山おり、虐待していると噂されている人もいる。沢山の猫が餌をもらっていた場所で、いきなりごっそりいなくなったこともある。事故や善良な人にもらわれたとは思えず、私は悪意を持った連れ去り事件だと思い警察に相談したが、野良猫がいなくなったというだけでは警察は動いてくれなかった。
その貼り紙があったということは警察が動くほどの事件が起こったということだ。

一体どこの猫が何をされたのだろう。何をされたのかは知ったところで辛いだけなので聞きたくない気もするが、飼い猫を外に出している人、外猫に餌をやって人馴れさせてしまっている人に注意喚起せねばならない。

事件の詳細を矢継ぎ早に質問するも、警察は捜査中ということで何も教えてくれなかった。せめて場所だけでも知りたかったが、ダメと。私はこの町で野良猫の不妊去勢手術から保護までボランティアでやっている身、怪しいものではないし、猫を助けている立場なんだからちょっとくらい教えてくれてもいいんじゃないの、と言ってみたが駄目だった。しかし、そこで色んな話をしているうちに、どうやらそこもよくある話で、自宅前で不妊去勢手術をしないで餌だけやっている人がいて、あっという間に猫が増えてしまい、近所トラブルになった結果の事件でありそうなことがわかった。

猫をめぐるトラブルは、ほぼ間違いなく、手術をせず増やしてしまったことが原因だ。自宅周りに野良猫が大量にうろつくことは、猫嫌いだけでなく、猫好きにとっても、糞尿被害に迷惑するし、そもそもお腹をすかせたり、風邪で目ヤニや鼻水でぐちゃぐちゃになった姿を見るのは辛いばかり。誰にとっても野良猫が増えるのは良いことでない。虐待事件が近隣で起こったならばその具体例をもって、近隣に啓蒙したいと思う。

交番からの話をもとに近所を歩いてみると、その現場はすぐにわかった。細い路地に猫がいるわ、いるわ。その現場でも聞き込みをし、誰が無責任餌やりだったのかも見えてきた。ペット禁止の小さなアパートに住むお婆さんが、アパート前でちょっと餌をやってしまったら、どんどん増えてしまったという典型的なケースだったようだ。そしてさらによくあるケースなのだが、その陰で、ほかにも自宅の庭でこっそり餌やりする人、そしてそこに猫が集まっているのを見て、遠くからわざわざ自転車で餌やりにかけつける人もいたようだ。1ブロックの中に3~4箇所も定食屋があり、その食堂の開店時間はそれぞれの餌やりの都合で異なっているので、一つの縄張りから出ない猫、モバイルしてちゃっかり一日何回もご飯にありつく猫、色々だ。トータル何匹いたのだろう。私が見ただけでも15~6匹だろうか。夜中にオープンするごはん屋もあったようなので、そこにはまた遠方からも猫が来たりする。こうなると収集付かない。

そして、もう一つわかったことは、その近所で捕獲をして不妊去勢手術をしている人がいるということだ。
かなり多くの猫が耳カット済みだった。ボランティアがそんな近所にいるとは聞いたことがなかったので驚いた。もしそんな人が居るのなら是非とも繋がって今後協力していきたいと思った。話を聞かせてくれたのは、事件現場の近くで自宅でも餌をあげているというおばあさんで、猫にとっては定食屋その2だ。今後も話題に出てくるのでその人をタクさんと呼ぼう。どうやら近所でグループを組んで手術代を捻出し、その近所の人で捕獲器をもっている人に捕獲してもらっていると言う。捕獲器を所有している人が近くにいたとは驚きだ。タクさんに私の連絡先を教え、その捕獲をしているという人に私に連絡もらうことにした。

事件の内容もだんだんわかってきた。 辛すぎであまり具体的には聞けなかったが、餌をやっていたアパート住まいのおばあさん宅の前に虐殺された猫の亡骸が、嫌がらせ的に何匹か放置されていたようだった。そしてその第2弾として、ほんの数日前に、近隣の住宅の庭にまた数匹位の猫の惨殺死体が投げ込まれたと。それを聞くとその周囲にうろうろしている猫達は大丈夫なのか、心配でたまらない。子猫もいる。生後5~6カ月だろう。すでに親から野良猫教育は受けていそうで、簡単には捕まらない。大人猫も殆どが人馴れしていないので、保護して里親を探すことは無理だろう。 
でも、放置したら、また次の犠牲が出る。何とかしなければ…。 

新米ボランティアの私にとっては難易度高すぎる現場だ。しかも、当時は、このコラムにも何度も書いた通り、私は仕事が多忙で留守が多い。当時関わっていた猫道(第28話から)と パンジー公園(第26話第36話から)で餌やりをしている近所のシマコさんの手伝い以外、自分のカバー領域を広げるつもりは毛頭なかったのだが、犯人がまだ捕まらない虐待現場で、猫がうじゃうじゃいるとなると、そのまま見て見ぬふりはできなかった。また、意に反して階段を一段上ってしまう。ため息をつきながらも前に進むしかないので、その近隣の捕獲をしているとい人からの連絡を待つことにした。
続く。

コラムニスト:Candy (キャンディ)
ネコジルシ:保護猫日記

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