コラム

マイクロチップを使うメリットとデメリット

ペットショップの店頭で「子犬にマイクロチップ装填済み」というような記載を目にしたことはありませんか?近年、動物病院でも積極的にマイクロチップを推奨する医師が増えています。

体内に埋め込む名札と言われるマイクロチップに関するメリットとデメリットについて考えてみましょう。

マイクロチップを使うメリットとデメリット

メリット

1.マイクロチップは「外れない迷子札」

マイクロチップ一番のメリットは、体内に装填するために「外れない」ということです。
市販の迷子札やリードや首輪に名前を書くという従来の方法では咄嗟のタイミングでペットの体から外れてしまうこともあります。もし外れてしまった場合、どんなに飼い主が探してもなかなか見つけ出すことが難しくなるでしょう。

このことは大規模災害が起きたことでさらに関心が高まりました。
最近は小型犬が増えたこともあり、室内では首輪をしないことや、名札や鑑札を常につけていないことが当たり前になっています。猫の場合はなおさらです。

ペットがいつどのような状況で飼い主の元を離れてしまっても、飼い主の連絡先が分かることがマイクロチップのメリットです。

2.情報量が多いので、飼い主へたどり着くことができる

マイクロチップは、わずか数mmの機器の中に「飼い主の名前・住所・連絡先・犬の生年月日・DNA情報」などを記録することが可能です。これは市販の迷子札には書ききれない情報量です。これだけの情報量があれば、ペットが飼い主の想像をはるかに超えるほど、遠くへ離れてしまったとしても、飼い主の元へ帰ることもできるでしょう。

また、マイクロチップはペットの迷子札としての役割はもちろんのこと、個体識別のデータとしても活用が可能です。そのため、マイクロチップを装填している場合は、海外へペットを連れ出す際の渡航手続きも、個体識別から過去の医療情報をすぐに確認できるので、短時間で手続きを終えることができます。

3.医療の現場でも積極的に情報化が進んでいる

名札を付けた犬
最近ではペットの医療技術も高度化が進み、より専門的な分野の治療を受けるためにいくつもの病院を掛け持ちで受信するケースも増えています。

このような状況の対応をするため、病気の治療研究を発展させるために、マイクロチップに基づいた治療歴のデータベース化が進められています。いわゆる電子カルテのような構築をするのです。

この取り組みが完成すると、いつどこで病院を受診しても、治療歴や投薬の履歴を動物病院同士で共有することができるので、今後の期待が高まっています。

デメリット

1.装填には抵抗感がある

一番のデメリットは、飼い主に装填への抵抗感があることです。

医療器具とはいえ、まだ導入されてからの年月が浅く、将来健康上のトラブルが起こるのではないか、体内で癒着してしまうのではないか、機器を埋め込むことが可哀想、といった声があります。

この点は、なかなか医学的な考え方と飼い主側の思いとが、相容れない部分でもあり、解決が難しいとされています。

2.情報の管理元が一元化されていない

マイクロチップの一番のメリットは、万が一ペットが飼い主の元を離れてしまった時に、事前に登録済の情報を検索することができるというところです。

しかし、以下のようなデメリットもあります。

  • 飼い主がペットのマイクロチップIDを把握していない
  • マイクロチップのデータは民間機関が管理しており、全国統一のデータベース、窓口化がされていない
  • マイクロチップのデータによる検索、飼い主への連絡は保護主任せになってしまい、飼い主側からの情報発信、検索ができない
  • 保護したペットを返却するにあたっての慣例や、費用負担に関する取り決めが一般化されておらず、トラブルが起きることもある

3.マイクロチップの知名度が低く、周知されていない

マイクロチップの存在は、まだまだごく一部の医療関係者、ペット業界関係者、飼い主の間でしか周知されていません。

そのため、犬や猫を保護しても以下のような課題があります。

  • 保護した相手がマイクロチップのリーダー(読み取り機)を所有していないと、読み取りができない
  • 保護をした相手がマイクロチップデータの取り出し、検索の方法やアクセス先のサイトを知らない
  • マイクロチップの存在を知らないので、飼い主不明の迷子犬、猫として扱われてしまう

おわりに

海外ではマイクロチップの導入が進み、データベース化も進んでいます。しかし、日本ではまだまだ取り組み途中と言えます。ですが、「万が一」のことを考えたとき、マイクロチップを上回る「迷子札」はまだ誕生していないということも事実です。

マイクロチップ装填に関してデメリットも気になるところですが、全国の保健所には、現在マイクロチップの専用読み取り機が標準装備されています。そのため、飼い主不明の迷子犬や猫として収容された場合には、必ずマイクロチップの装填を確認する取り組みがされています。
そしてこの取り組みがペットを殺処分から守る砦にもなります。

万が一のことを考え、大切なペットには「外れない迷子札」を付けてあげることを前向きに考えてあげましょう。

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