コラム

ペットの安楽死を考える~検討から費用まで~

ペットの安楽死を考えるということは、飼い主さんにとって、とてもつらいことです。後悔するかもしれないという不安もあると思います。また、安楽死については賛否が分かれる問題でもあります。

今回は、ペットの安楽死に関する実情をクローズアップして紹介します。

ペットの安楽死を考える~検討から費用まで~

安楽死を検討するときとは

ペットの安楽死を検討するということは、飼い主さんにとってもつらい選択であることは間違いありません。それでも安楽死を検討する例としては、次のようなことがあります。

  1. 治る見込みのないケガや病気で苦しんでいる
  2. 人にケガをさせたり、凶暴に豹変したりと手に負えない
  3. 引っ越しや人間の介護など、人間側の諸事情でこれ以上飼うことができない
  4. その他

この中で、ペット自身も安楽死を望んでいるかもしれないと思えるものは、「1」の苦しみから逃れたい場合のみでしょう。その他は全て人間側の都合と言わざるを得ません。

人間側の都合の場合、安楽死を考える前にできることがあります。

  • ペットのしつけをプロに依頼する
  • 病院で治療する
  • 老犬・老猫ホームなどに終生飼育を依頼する
  • 里親を探す

また、ひとりで考えることが難しい場合には、動物の保護団体に相談するなど、考えつくかぎりのことは全てし尽す必要があります。
それが終生飼育を前提とした飼い主さんの義務であり、ペットロスから自分自身を守ることでもあるからです。

では、「1」の場合や、手を尽くしても安楽死しかないと結論が出た場合、どうしたら良いのでしょうか。まずは安楽死とはどういった手続きを踏むものなのかを見てみましょう。

決断は信頼のおける病院で!

安楽死を決めたからと、どこの動物病院でもすぐに処置をしてくれるわけではありません。まずは、安楽死が可能な病院を探さなければなりません。
安楽死に対しての考えは、その病院により様々です。なかなか了承してくれない病院もあります。

これは、安楽死を考えている理由にもよりますが、病院の第一の目的は動物たちの命を助けることであり、死なせることではないということも念頭に置く必要があります。

逆に、安楽死を容認してくれた場合でも、その後の流れを丁寧に説明してくれない場合には注意が必要です。

飼い主さんの気持ちよりも時間を優先し、最後のお別れをしている最中に「もうよろしいですか?」などと、心ない声を掛けられ、飼い主さん自身の忘れられない傷となってしまった例もあるからです。

安楽死までのプロセス

安楽死までには次のようなプロセスがあります。(※一例です。)

  1. 考え直すための判断基準の提供
  2. 安楽死の手順の説明と資料の提供
  3. 処置時の動物の反応などについての説明
  4. 実施の日時等の計画
  5. 書類作成
  6. (→安楽死の実行)

ハート
上記のようなプロセスを「インフォーム」と言います。
この話し合いの段階で、疑問に思うことは全て解決しておくことが大切です。言いにくいからとそのままにしたことで公開しても、その時にはすでに遅いからです。

実際の安楽死の手順とは

安楽死の手順として多いのは次のかたちです。

  1. 処置室に入る(立ち会いを希望した場合には、飼い主さんも一緒に入る)
  2. 一部の被毛を剃る
  3. カテーテルを整脈に挿入する
  4. カテーテルに生理食塩水を入れて状態の確認をする
  5. ペットがリラックスできるようにするための薬剤を注入する
  6. 飼い主さんがペットを抱いたり触ったりしていられるように配置(※立ち会い希望の場合)
  7. 安楽死のための薬剤を注入する
  8. (→数秒で永眠に至る)

書いていてもつらくなりますが、このような手順となります。
その後、引き取った亡骸をどのようにするかも、同時に考えておく必要があります。

ペットの安楽死とペットロス

安楽死の手順を見て、つらい気持ちになられた飼い主さんも多いことと思います。実行された場合、ペットロスの症状が出てしまうことがあります。

特に安楽死の場合は、自責の念を感じてしまう飼い主さんが多いからです。しかし、決断するまでには様々な葛藤があり、その上で出した結論のはずです。そのことを思い出しましょう。

ケガや病気で苦しむだけの延命は、小さな体のペットにとって負担でしかないでしょう。飼われていなければ病院で治療を受けることもなく、もっと早くに亡くなっていたかもしれません。

ペットのことを愛するからこそ出した結論であれば、それはあなたがペットにしてあげられた最後の善行なのです。

ペットロスにならないようにするためには、ひとりで悲しみを背負うのではなく、SNSなども含めて、普段からペット仲間と交流を深めておいたり、お別れの前にペットと一緒の写真を撮ったり、被毛をストックするなど、ペットとの思い出作りをすることも一つの方法です。

ペットが安心して虹の橋にたどり着けるように、ポジティブな気持ちで送り出してあげましょう。

安楽死の費用はどのくらい?

安楽死の費用は病院にもよりますが、約5000円~数万円程となります。

病院に連れて行けない場合の往診料や、大型犬などの体の大きさによっては少々高額になる場合もあります。

おわりに

「安楽死が良いか悪いか」これは当事者になってみなければわからない問題かもしれません。実際に目の前に苦しんでいるペットがいる、最愛の家族、その当事者さえ、実は明確な答えを得ることは困難だからです。

しかし一つ言えることは、苦しんでいたペットが最期の瞬間を安らかに迎えられるのは、飼い主さんが決断したからに他ならないということです。
みなさんも今一度、安楽死について考えてみて頂けたら幸いです。

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