コラム

犬の問題行動とストレス

この記事は2016年3月23日の記事を再編集しました。

犬の問題行動が気になったことはありませんか?犬の問題行動に悩まされている飼い主さんは案外多いようです。

犬は人間ととてもよく似た感情を持っているため、まるで家族のようであり、兄弟であり、友人のように感じることもあるでしょう。ただ、あまりに人間と感情が似ていることで、実は思いもしなかったことが負担となっており、時には大きなストレスを抱えてしまうこともあります。

犬もストレスが病気を引き起こす原因となる可能性があります。言葉でコミュニケーションを取ることができないため、飼い主はさんは愛犬の行動から判断するしかありません。

犬がストレスを抱えている場合、自分自身では解消することができず、時には問題行動としてSOSのサインを発することがあります。問題行動を見てみると犬の気持ちを読み取ることもできるので、このサインにいち早く気づき、できる限りのケアを心掛けてあげましょう。

犬の問題行動とストレス

犬によく見られる問題行動

悩む女性犬との暮らしの中では、問題行動と呼ばれる様々な悩みがあります。たとえば、以下のようなものはよくピックアップされる悩みです。

  • 無駄吠え
  • 散歩時の引っ張り癖
  • 破壊行動(留守中の部屋を散らかす)
  • 脱走
  • 噛みつき、威嚇
  • 自傷行為
  • むやみやたらのマーキング

これまで犬の問題行動は、全てしつけの不徹底によるものだと考えられていました。しかし、犬の行動学や心理学の研究が進む中で、実はこれらの行動は全てがしつけに関わるものではなく、中には犬が抱えているストレスが原因となっていることが明らかになっています。

もちろん、それぞれの犬によって抱えているストレスの種類や感情は異なるので、行動として現れた時、攻撃的になることもあれば、内向的になることもあり様々です。ただし共通していることは、ストレスが原因の問題行動は、その原因をしっかりと見つけ出し、解消に向かうためのケアをしてあげないと問題行動が悪化してしまうということです。

問題行動の原因と対策

「もう!イライラする!」と犬が見ずから発言してくれたら楽ですが、犬は言葉を話すことができないので、犬の感情は行動から察するしかありません。問題行動を見てみると、意外にも分かりやすいサインを発してくれていることがあります。

犬の問題行動には大きく2つのタイプがあります。1つは外交的で攻撃的な行動、もう1つは内向的で自分自身を傷つけてしまう行動です。自身の愛犬に問題行動がある場合、いずれの行動タイプであるかをまず考えてあげましょう。

攻撃的な場合

犬は、本来群れで暮らす習性を持つ動物なので、他者や他犬を意味もなく攻撃するという習性は持っていません。つまり、攻撃的な行動が日常的に見られるということは、それだけで異常事態と言えます。

  • 飼い主に噛みつく
  • 唸りながら威嚇する
  • 他犬に攻撃的に吠えかける
  • 部屋を散らかす、ゴミ箱を荒らす
  • 室内でマーキングを繰り返す

たとえば、上記のような行動はとても攻撃的で、場合によっては相手から反撃を受ける可能性もあり大変危険な行為です。危険があることを承知の上で犬がこのような行動に出るということは、犬自身の精神状態がいかに極限にあるかが理解できます。

実はこのような攻撃的な行動の裏には、相手を威嚇し遠ざけることで自分を守ろうとする本能が関係しています。つまり、何かに追い詰められて恐怖を感じ、最終手段として攻撃的な行動に出ているのです。

無駄吠え

原因

吠える犬まず第一に、人にとっては無駄吠えと感じても、犬にとっては「無駄」ではないことがあります。無駄吠え、荒っぽく吠えている場合、犬がストレスを感じているサインでもあります。

散歩や運動不足、家庭内の人間関係トラブル、栄養状態が良くない、そして家族の中で自分がリーダーだと勘違いしてしまっているアルファシンドロームの場合、ストレスを感じているために、かわいらしくない少し恐怖を感じるような荒っぽい吠え方をします。

散歩中に他犬に激しく吠えかかる場合、幼犬期の社会経験が不足していることで、成長後も他犬の存在がとても恐怖に感じてしまい、防衛本能から吠えているのです。この時、当然のことながら犬は相当なストレス状態にあります。

また、逆にこのような原因が考えられないのに吠えている場合には、ほとんどがただしつけができていないということになります。

対策

攻撃的な問題行動が見られる場合、以下のことを心掛けてあげましょう。

  • 犬が恐怖を感じる対象を特定する
  • 回避し続け生活ができるかを検討する
  • 回避できない場合は、たとえ成犬であっても時間をかけて焦らずに社会科トレーニングを積む
  • 徐々に社会経験を積むことで、恐怖を払拭できるように目指す
  • 飼い主は常に保護してくれる対象であり、決して叱る、無理強いをする存在になってはいけない

また、恐怖を感じて無駄吠えをしているわけではない、犬が要求するように吠えている場合は無視をしましょう。この時、目を合わせるのも避けます。
その後、犬が吠えるのを止めて諦めたタイミングで、先程の要求を突然叶えてあげましょう。こうすることで、何事も飼い主のタイミングで行われるということを学習させましょう。

この場合、しっかりと我慢ができるようになったら、きちんと褒めてあげたり、おやつ等のご褒美をあげることを忘れないようにしましょう。

噛み癖

原因

犬が人を噛むことには必ず理由があります。歯の生え変わりや、縄張り意識、攻撃本能によるもの、遊びの一環や怒り、興奮によるもの、そして恐怖心からくるもの等です。

噛む理由は様々なので、なぜ愛犬が噛むのかをよく観察してみましょう。そのためには飼い主が犬の習性や本能を知ることが大切です。

対策

犬が噛む理由を理解した上で、その要因を取り払ってあげましょう。

歯が生え変わる時期の場合は、ガムを与えたり噛んで遊ぶおもちゃでトレーニング等、飼い主さんができることはたくさんあります。特におもちゃを与えてあげる方法は、ある程度自身でストレス解消ができることもあるのでおすすめです。

噛み癖もきちんと学習させることで解決できることが多いです。

威嚇

原因

威嚇は噛み癖と同じように、多くの場合が縄張り意識や怒り、恐怖心が原因と考えて良いでしょう。また、愛犬自身が家族のリーダーだと勘違いしているアルファシンドロームによって、家族を守ろうとする結果であったりもします。

本来の主人である飼い主さんが、しっかりと主従関係を愛犬に理解させることで、犬自身も安心でき威嚇行為をすることがなくなります。

対策

アルファシンドロームの場合、まずは犬が間違って認識してしまっている家庭内の格付けを正しく理解させましょう。「犬<飼い主」であることをきちんと理解させるしつけをしましょう。

多くの場合、愛犬との信頼関係をきちんと構築することで解決できる問題です。

むやみやたらのマーキング

原因

ストレスやコミュニケーション不足からマーキングをする犬もいます。
愛犬とはたくさん遊んでいますか?散歩には毎日行っていますか?オス犬の場合、去勢手術は済んでいますか?

対策

マーキング行為は、日頃からのコミュニケーションをしっかり取り、散歩や遊びの時間をきちんと設けてあげること、去勢手術をすることで解決ができます。

また、稀にマーキングも間違った主従関係が原因となって起こる場合があります。主従関係はきちんと理解させ、問題を減らすことはつなげていきましょう。

留守中に部屋を散らかす

原因

これは二つの原因があります。

一つは分離不安という心の病です。犬は元々群れで生活していたため、一人になることが苦手な寂しがり屋です。一人になることで不安を感じ、それがストレスになります。ストレスが過剰になってしまうと、心身ともに耐えることができなくなってしまいます。
状態がひどくなると、飼い主が違う部屋へ移動したりと室内に飼い主の姿が見えないだけでも問題行動を起こすようになってしまいます。

二つ目は、ただの退屈です。何もすることがなく、暇を持てあましていることが原因です。

対策

犬に留守番は「嫌なこと、怖いこと」と思わせないように工夫をしましょう。きちんと留守番ができた時は、ご褒美をあげて「留守番をするとご褒美をもらえる」ということを学ばせましょう。すると、「留守番をすると飼い主さんが帰ってきたときに良いことがある」と思うようになり、きちんと留守番をするようになります。

もしも留守番中の誤飲や誤食が気になる場合には、ケージやサークルを利用することを考えましょう。普段からコミュニケーションを取り、留守番中に遊ぶことができるようなおもちゃを与えてあげることも対策の一つです。

内向的な場合

症状

内向的な問題行動は、以下のような行為がたびたび見られます。

  • 自身の手足を常に舐めている
  • 出血や傷になっても、なお体を噛む、掻く
  • 被毛を口で咥え、引き抜く

このような行動はハウスの中や飼い主さんの目が届かない場所で行うことが多い上に、じっと座ったままで行うことが多いので、飼い主さんも気が付くことが難しく、症状が悪化して初めてその深刻さに気付くことも少なくありません。

原因

内向的な問題行動は、不安や寂しさ、ホームシック等が原因である場合が多いです。
日中、終日留守番をする場合、ハウス内で過ごす時間が長い場合等に見られ、犬種や年齢を問わず、様々なケースが見られます。中には高齢になり、目や耳が不自由になってきたことをきっかけに不安を強く感じるようになり、このような問題行動を見せることもあります。

対策

ストレスによる内向的な問題行動には以下のようなことが効果的です。

  • 安眠できる場所を作る
  • 留守にする際は、飼い主のニオイが着いた洋服やタオル等を与える
  • 日頃からブラッシングや遊びを通じて触れ合いの機会を多く持つように意識する

改善までには時間がかかることもありますが、じっくりと時間をかけて向き合うことで次第にお互いにちょうどいいと感じる距離感が掴めるようになります。

犬のストレスサイン

このように見てみると、問題行動には「ストレス」が大きく関係していることが分かります。逆に考えれば、問題行動を起こした場合、それがストレスのサインと考えることができますが、ストレスサインが分かりにくいこともあります。

たとえば、体の一ヵ所を執拗に舐め続けている場合、一見毛繕いに思いがちですが、実はストレスによる行為であることが考えられます。他にも、同じ場所を行ったり来たりするような行動や、落ち着きがない行動もストレスが関係していることがあります。さらに、自分の尻尾を追いかけるような遊んでいるようにも見える行為もストレスが関係していることがあります。

犬のストレスに多い原因

「愛情を持って可愛がっているから愛犬がストレスを感じているわけがない」と思っているのであれば、それは人間のエゴに過ぎません。ストレスになるであろうと考えられることもありますが、思いがけないことがストレスの原因となっていることもあります。

身体的負担

「しつけ」と言って叩いたり、引っ張ったりするのはNGです。大人が「しつけ」と言って行うと、小さい子どもは分からずに危害を与えてしまうことがあります。そのため、子どもが愛犬と遊んでいる時には注意して見ておく必要があります。

散歩の時

散歩をしている時、犬が別の場所へ向かおうとしたり止まったりするようなことがあると思います。この時に人間のペースで散歩を続けてしまうと、犬は消化不良のような気持ちになり、これがストレスになります。
また、犬が自発的に行う運動は良いですが、飼い主側から無理にさせるような激しい運動は負担が大きいため避けましょう。

家族の不仲

家族が不仲であることは、犬の精神的な負担になります。犬も家族の仲は敏感に察知しており、怒りの感情等を目の当たりにすると悲しい気持ちとなるのです。

その他

旅行や引っ越し等、普段とは違う環境の変化もストレスになります。

ストレス解消方法

問題行動を避けるためには、日頃から犬のストレス解消が必要です。もちろん犬にストレスを感じさせないためには、可愛がることが大切です。しかし、過度なスキンシップや寝ているところを無理に起こすような行為は逆効果となってしまうので注意しましょう。

適度なスキンシップとは、犬のことをやさしく撫でてあげたり、おもちゃで遊んだりしてあげる行為です。こうした行為はとても大切で、犬も口を大きく開けて楽しそうな表情をしている様子を見ることができると思います。

犬自身が楽しめるガムやおもちゃを用意したり、普段と違う食事やおやつをあげることは良い刺激となり喜びます。犬は人間と同じように美味しいものを食べることで幸せを感じるので、好物を把握している場合には健康に影響がない範囲で与えてあげることでストレス解消につなげましょう。

散歩もストレス解消に効果的

毎日の散歩は忙しい飼い主さんにとって、とても負担になり面倒と感じることも多々あるでしょう。散歩は毎日30分、1時間、とルールを決めてしまったことで飼い主さん自身がストレスを抱えてしまっていることも少なくありません。

しかし、毎日の散歩は特に大切です。「散歩」と聞くと犬はとても喜ぶと思います。散歩は犬にとって相当な気分転換の意味があり、様々な情報収集の場でもあります。
犬が散歩に出るということは、外気や騒音、他犬のニオイや行動等、様々な刺激を受け、情報に触れます。これは私たち人間が日常的にテレビや新聞、ネット、街ですれ違う人、友人との会話で様々な情報に触れていることと同じ意味があります。

散歩は決して単なるトイレ、運動だけの意味ではありません。このような情報収集を全て遮断した生活を人間に置き換えた場合、いかに苦痛なことであるかは簡単に想像できる程です。散歩がいかにストレス解消効果があるかは明白です。

散歩というのは毎日同じ道、同じ時間を歩くという原則はありません。私たち人間も毎日異なる情報に触れることで刺激を受け、楽しみを見つけていることと同じで、犬も時間やルートをこまめに変えてあげると途端に視野が広がり、わくわく感も増します。
忙しい平日は毎日5分でも、休日には初めての道のりを30分歩く、いつもの道を逆回りで歩いてみるのも面白いでしょう。

愛犬の散歩をストレス、面倒と感じてしまっては飼い主さんのストレスも増大してしまいます。散歩はお互いの気分転換のためとおおらかに捉え、定期的にコースを変えたりと良い刺激を与えるためにもいろいろなアレンジを加えてみましょう。

ストレスを減らすことは病気や怪我の予防になる

愛犬のストレスを軽減するということは、とても難しく感じてしまい、中にはその義務感から飼い主自身が過度なストレス状態になってしまうこともあります。
犬も人間と同じように過度なストレスを感じると病気になってしまいます。病気のリスクを低くするためにも日々の生活でストレスを減らしてあげることが大切です。

ストレスによる病気は、生活習慣病が多いです。生活習慣病の原因は食事や運動習慣が大きくかかわりますが、ストレスも見逃すことができない原因の一つです。また、犬もうつ病等の精神疾患になる可能性もあります。犬もナイーブであることを認識しましょう。

ストレスによって落ち着きがなくなったりすると、転倒したり怪我をすることもあります。犬のストレスは飼い主さんのちょっとした工夫次第で簡単に軽減できるものです。日頃から愛犬との触れ合う時間を持ち、愛犬と積極的にお出掛けも楽しんでみましょう。
ストレスが軽減され、活動的な生活を起こることで食欲は安定し、活力が溢れ、年齢よりも若々しい犬でいられるようになるでしょう。

犬は人間にとてもよく似ていますから、「病は気から」という点も同じです。ぜひ日々の生活を楽しみ、お互いのストレス軽減に取り組んでみましょう。

おわりに

問題行動と犬のストレスについて思い当たるところはありましたか?問題行動を起こした犬を、ただたあ叱っていたということはありませんか?

問題行動が見られた場合、飼い主さんが工夫してあげることで解決することができます。叱るだけでなく、正しいしつけとコミュニケーションを心掛け、ストレスを減らしてあげましょう。問題行動が少しでも減るかと思います。

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