コラム

犬の老衰に見られる症状

この記事は2017年9月26日の記事を再編集しました。

食の安全性が求められるにつれ、ペットの栄養面における研究も進化したことで、ドッグフードの品質は大きく改善されていきました。そして、動物医療も大きく発展し、生活環境も屋外から屋内へ変化したこと等を背景に、ペットの平均寿命もここ10年程で倍近くまで伸びています。
しかし、その一方で老衰に伴う病気の発症や痴呆、介護といった、今までとは異なる悩みも急増しています。

犬の老衰に見られる症状

症状が見られたとき、飼い主ができること

悩む女性一昔前まで、小型犬の寿命は平均で10年、大型犬は7,8年と言われていましたが、最近ではほぼ倍に近い年齢まで長生きするようになってきています。中には18歳、20歳と驚くほど長寿となり、ギネスブックに載るほどの犬もいます。

このような長寿化は、家族として喜ばしい反面、日々の生活面ではこれまでになかった様々な悩みが生じます。

高齢になったペットに多くみられる悩み事は以下になります。

  1. 病気の発症
    癌、心臓病、内臓疾患など手術や入院、長期通院を必要とする重篤な症状になる。
  2. 生活習慣の乱れ
    トイレ、無駄吠え、深夜の徘徊など、これまでになかった問題行動が目立つようになります。特に昼夜逆転がみられるようになります。
  3. 食事の介護
    顎、歯が弱まり自力では食事ができないこともあります。しっかりと咀嚼が出来ないことによって消化不良を起こすことも目立ち始めます。
  4. 足腰の衰え
    歩行、散歩、室内の階段など、日々の生活に支障をきたし始めます。中には寝起きの都度、飼い主の補助が必要になることもあります。

高齢化による症状が目立つようになってきたと感じたら、今までの生活習慣は一旦リセットして、現在の年齢や体力、運動機能に応じた生活環境を整えてあげましょう。ただ、愛犬自身は自分の衰えを認識できないこともあり、時には無理をしてしまうこともあるので、家族がその都度フォローをしてあげる必要があります。

具体的な改善策は以下になります。

  1. かかりつけ医を見つける
    動物病院高齢になると、通院の頻度も上がり、症状の変化も度々起こります。夜間緊急対応、手術、入院、リハビリとトータルで依頼する事が出来るかかりつけ医を一つは早期に見つけておきましょう。
  2. 生活習慣の改善
    高齢になるとトイレの頻度が高まります。散歩は短時間、複数回に変更する事が理想的です。また食事も一日に3~4回に小分けにして与えると、消化吸収の負担を軽減する事が出来ます。
  3. 足腰の衰えに合わせて生活エリアを区切る
    階段やソファーなど段差の移動は足腰に負担がかかります。ゲートや棚、スロープを設置し、無理なく安全に生活が出来るように環境を整えます。
  4. 昼夜の区別をはっきりと認識させる
    高齢になると昼寝の時間が増え、昼夜の区別がつきにくくなります。規則正しい生活リズムを保つためにも朝夕の散歩を習慣化し、夜8時を目安に静かに眠ることが出来る場所へ移動させ、食事は起き餌にせずに決まった時間に与える等、心がけましょう。

高齢化による生活の悩みはしつけでは改善することができません。言葉で強く叱ったりする方法ではなく、愛犬が今出来ること、無理のないことをさせてあげること、そして受け入れてあげることも考えていくことが大切です。

食事を与えても嘔吐してしまう

食事を嘔吐することは、健康な犬にとってはいとも簡単なことで、身体的にも負担もさほどありません。育児中の母犬は一旦口にした食べ物を吐き出して、哺乳食として子犬に与えます。また成犬期には、勢いよく食べ物を飲み込んでしまった直後や胃に不快感がある時などに吐き出すことがあります。

このような生理現象の一環である嘔吐の場合、嘔吐した直後に犬自身が嘔吐物を再度食べようとすることもあり、取り立てて心配する必要はありません。しかし、高齢になると、以下のような症状がみられる時があります。

  1. 食べ物を口にした直後に勢いよく吐き出す
  2. 食べ物と合わせて大量の胃液を吐く
  3. 食後数時間経過してから、未消化の状態(食べ物の形状が残っている状態)で嘔吐する
  4. 胃液を少量ずつ複数回嘔吐する
  5. 嘔吐の前後で苦しそうな表情を見せる
  6. ぐったりとしていて元気がない
  7. 目がうつろ
  8. 嘔吐後に大量のよだれが出ている
  9. 嘔吐後にけいれんや震えがある

このような場合、家庭では以下のような対処をしましょう。

  1. 嘔吐物の状態(色、形状)を確認する
  2. 飲み水、食べ物を一旦片付ける
    ※嘔吐直後に飲食を行うと、再度嘔吐をすることがあるので、4~6時間は飲食を絶ちます。
  3. 安静に出来る場所で休ませる
    ※ハウスなどに入れ、安静に過ごさせる。

愛犬の症状によっては、もちろんすぐに動物病院の受診が必要な場合があります。以下のような症状がみられた場合は、すぐに病院を受診しましょう。

  1. ぐったりとしている
  2. 目がうつろ
  3. けいれんや発作などが見られる
  4. 自力で立ち上がれない
  5. 度々嘔吐を繰り返す
  6. 嘔吐物に血液が混ざっている

高齢犬の嘔吐は、単なる生理現象ではなく、内臓機能の異常が関係してる場合があります。放置することで脱水症状が進み、危険な症状になることがあるので、速やかに動物病院へ行き指示を仰ぎましょう。

老衰が原因で起こしやすい病気

最近では犬自身も高齢化によって、人間とほぼ同じ病気の発症が目立つようになってます。

  • 心臓病
  • 腎臓病
  • 心臓発作
  • 痴ほう

これらの病気の他にも肥満、糖尿病といった生活習慣病も急増しています。中でも痴呆は共に生活する家族にとってはとても負担が大きくなる症状です。

痴呆が進行している場合にみられる行動は以下のようなものがあります。

  • トイレの失敗
  • 飼い主への威嚇、噛みつきなど攻撃的な態度
  • 深夜の遠吠え
  • 食べ物への異常な執着
  • 同じ場所をぐるぐるといつまでも周り続ける
    ※一か所で円を描くように回り続けることもあります。
  • 水やシャワーを極端に嫌がる
  • 脱走

吠える犬これらの行動の中でも、近隣とのトラブルになりかねない深夜の遠吠えや無駄吠えは大変悩ましい問題です。このような症状を完治させる方法はありませんが、出来る限り家族にも愛犬自身にも負担になりすぎないよう生活をする事が大切です。

痴呆を発症している場合、安全上の理由からペットホテルやトリミングショップの利用が難しくなります。今後のもしものことを考えて、家族が留守をする際に、愛犬の世話を依頼できる動物病院やペットシッター、自宅訪問型といったトリミングサービス等を早期に見つけておくと安心できます。

末期症状がみられた時に考えておきたいこと

家族にとって愛犬が長寿となることで、どのような高齢期を過ごさせてあげられるかが大きな課題となります。病気、生活環境、日々の世話や介護、金銭的な負担など様々な視点から考える必要があります。

特に、今やペットにも癌の発症が当たり前となる中で、癌という診断を受けた時にどの程度までの高度医療を受けるのか、特別な医療処置を行わずに自宅でこれまでと同様の生活をさせつつ天寿を全うさせるのかなど様々な選択肢があります。

高齢犬に手術を受けさえるということは、身体的にも負担があり、術後の回復を考えると家族のフォローが欠かせません。手術費用も数十万円と高額になるため、家族の間でもどのような方法が最善なのかと意見が分かれることでしょう。

海外では、重篤な病気が発見された時点で安楽死という選択肢を選ぶことが、愛犬の苦痛をやわらげる最善の策と考えられていますが、日本は安楽死という方法には様々な意見があり、動物病院によっても対応の可否が分かれます。

いつかくる日のために、家族でしっかりと話し合いの場を設けることも愛犬との生活において大切なことであると意識しておく必要があります。

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