コラム

犬がご飯を食べない原因と対策

この記事は2017年7月31日の記事を再編集しました。

実は犬は満腹を感じる機能が備わっていません。そのため、食事を大量に摂取した後でも、その直後に別の食べ物を催促することがあります。満腹を感じることがないので、犬は常に空腹状態であり、目の前にある食べ物を食べないということは考えにくい動物です。
しかし、実際は多くの小型犬が様々な理由により食べ物をえり好みしたり、食べないという行動をとります。
なぜそのようなことが起きるのでしょうか?今回は犬がご飯を食べない原因と対策についてご紹介致します。

犬がご飯を食べない原因と対策

なぜご飯を食べなくなったのか考えられる理由

本来、満腹中枢を持たないはずの犬が、食事を拒むのにはそれなりの理由があります。その主な理由が「誤ったしつけ」「わがまま」にあります。

空腹な犬そもそも、なぜ犬が満腹中枢を持たないのかというと、野生の環境下で肉食動物として生活していると、安定的に餌を入手する事が出来ないためです。
犬にとって食べ物とは、目の前にある時、つまり餌を入手した時に食べておかなければならないという危機感があるためです。その為、満腹感によって餌を食べ残すことが無いよう、満腹中枢を持っていないのです。

この性質はペットとして人間と共に暮らすようになり、毎日安定的に食事が供給されるようになったとしても変化しません。

その反面、犬はペットの中でも学習能力が高く、人間と共に生活していく中で、様々なことを覚えていきます。私たちが日々熱心に犬に「待て」や「お座り」を教えてることと同様に、実は無意識のうちに食事に関して誤ったしつけをしているのです。

誤ったしつけとは、以下のようなことです。

  • 食事はいつでも提供される
  • 食べ残しをしても、誰かに横取りをされる心配がない
  • 食事を拒否すると、次はより嗜好性の高い食事が提供される
  • 人間の食べ物は犬用よりも風味が強く、嗜好性が高い

上記の事を無意識のうちに犬が覚えてしまった結果、犬はより嗜好性の高い食事を求めるようになります。野性の環境下で培われた食事への危機感は薄れ、次第にわがままばかりが増していきます。
飼い主は愛犬が気に入り、喜ぶ食事を追い求めるようになります。ペットショップの店頭に新商品が並ぶたびにドッグフードの銘柄を切り替え、愛犬が拒否をすればまた別の銘柄を探すようになります。

このような状況は日本特有で「フードジプシー」とも言われるほどです。愛犬の好みに応じて日々食事を用意していては、愛犬自身が次第に食への関心が薄れていき、益々悪循環に陥ってしまいます。

体調が悪いことが原因?疑われる病気

わがままではない食欲不振には、以下のような行動が見られます。

  • 食べものに関心を示さない
  • ニオイすら嗅ごうとしない。特定のフードに限らず、食べもの全般に興味を示さない。

  • 体重減少がみられる
  • 体重減少、筋力の低下がみられる場合は何らかの不調のサインです。

  • 下痢、嘔吐、咳、鼻水、発熱などを伴っている
  • 軽度の風邪であれば、本能的に食事を行います。完全に食事を拒否する場合は、重篤な病気の初期症状の可能性もあります。

  • 口の中に赤み、腫れがある
  • 犬も口内炎や、虫歯、歯肉炎になることがあります。この場合、想像以上の痛みを伴うので食欲が減退します。食事のニオイは嗅ぐものの、食べようとしない場合には口内トラブルを考え、チェックしてみましょう。

  • 高齢になり硬い物を食べられない
  • 今や10歳を超える長寿犬も珍しくありません。高齢化と共に犬にも歯に関する問題が増えてきます。硬いドライフードを食べることが出来ないこともあるので、食事中の様子をしっかりと確認してあげることが必要です。

この他にも、以下のような症状がみられる場合、食欲減退がみられます。

  • 食後に嘔吐をする
  • 食事と食事の合間に胃液を吐いている
  • 重度の下痢をしている

嘔吐や下痢によって体内の水分量が減少し、脱水症状を起こしている場合は、元気もなくなり食欲も減退します。このような時は、無理にドライフードや缶づめを与えるのではなく、白米のおかゆなどで数日様子を見てあげるとよいでしょう。極力消化吸収に負担のならない食べ物が最適です。

偏食になっていないか

人間と生活を共にする中で、犬も本来の脳機能に反して偏食をするようになっています。偏食に至る理由は以下が考えられます。

  • より嗜好性の高い食べものを求めている
  • 食べ物をもらうシチュエーションにこだわっている
  • 生理的に受け付けない食べ物である

中でも飼い主が犬用に用意したドッグフードには見向きもせずに、人間用に用意された食卓の料理を欲しがるというパターンです。
人間の食べ物の方が風味が強くて食感も良いということもありますが、人間の食卓から分け与えられることに喜びを感じていることも理由の一つです。

野性の状況下では、群れの中の上位者から食べ物の分配が決まります。つまり同じ部位、同じ食事をするということは、群れの中で同率の立場にあるということを意味します。そのため、愛犬にとっては家族と同じ食事をすること、食卓から分け与えられるという事は大変な満足感があるのです。
このような習慣を覚えてしまうと、なかなかドッグフードを食べる生活に戻すことは難しいと言えるでしょう。しかも、栄養面や健康面を考えると日常的に人間用の食べ物を分け与えることは好ましくありません。愛犬には愛犬に適した食事を用意するようにしましょう。

犬の偏食と好き嫌いの解決方法

犬と食べ物一旦、偏食、好き嫌いが生じてしまった愛犬の食生活をもとの状態に完全にリセットするためには相当の覚悟が必要です。
特に小型犬の場合、親犬自身が偏食、少食であることも多く、中には数日に渡って食べ物を拒絶することもあるほどです。

このような食生活を改善する方法には以下があります。
愛犬の状況や性格、健康状態に応じてよりよい方法を講じてみましょう。

食事の環境を整える

置き餌や同居している他の犬たちと同時に食事を与えていて、個々の食べ具合を把握しておらず、犬同士の上下関係が明確である場合には次の方法が最適です。

方法としては、食事を一旦与え、食べない場合は5分程度で片づけてしまいましょう。次に与える時は、6時間ほど間隔を空けてから与えます。この間、おやつや別の食事を与えてはいけません。食事が常に目の前にあることが当たり前な事ではないと危機感を持たせるために行います。

また、多頭飼いの場合は、食欲が不安定、食が細い犬だけを個別のサークルや別室に移動させ、安心して食事が出来る環境を整えます。常に安心して食事が出来ることを理解出来れば次第に食欲も安定に向かいます。

ドッグフードの切り替え頻度を変える(頻度を最低限にする)

犬は本来離乳期に母犬から教えられた食べ物を安心できる食べ物と認識し、生涯食べ続ける習性があります。これは野生環境の中で生きるために、安全な食べ物を得るために必要だったからです。
しかし、ペットとして飼育されるようになり、飼い主の都合で食事が変わることもあり、その食べ物が安心して食べれるものなのか判断に困ってしまいます。

また、飼い主がよかれと思って切り替えたドッグフードも、実はメーカーによって製法も原材料も風味も大きく変わります。犬にとってはちょとした変化でも不安や警戒心を強める原因になります。日本人も白米を主食とした生活をしてきたものの、ある日突然見たこともない食べ物を主食として提供された場合、おおいに戸惑うことと同様です。ドッグフードの切り替えは必要最低限にしてあげることも愛犬への心遣いです。

人間の食事の最中の居場所を決める

人間の食べ物を過剰に欲しがった場合、人間の食事中は愛犬をサークルに入れ、食卓とは別の部屋で過ごすように教えます。
この時、愛犬が拒否感を示し吠えることもありますが、臆することなく静かに過ごすように教えましょう。次第に人間の食べ物をもらうことができないと理解し、自身専用の食事を食べるようになっていきます。

食事を与えるタイミングをランダムにする

規則正しく、毎食同じ時間に食事を用意している場合には、あえてその時間を不規則にするという方法も効果的です。この場合、愛犬は次の食事がいつになるのかと期待感を募らせ、次第に食欲が増大していくことでしょう。

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