コラム

犬の食事に関する悩み

この記事は2017年4月17日の記事を再編集しました。

飼い犬の食事に関する悩みは様々あり、同じ犬種や兄弟同士であってもその内容が異なります。個体別で悩みがあることから、飼育本を読んでみたり、情報集めをしてみてもなかなか思うような改善ができなく、頭を抱えてしまうことが多いと思います。

こうした時、「こうでなければならない」という固定観念を取り払うことで、意外にもスムーズに解決できることがあります。

犬の食事に関する悩み

犬が餌を食べない(食欲がない・好き嫌い等)

「犬にも好き嫌いがある」「小食な犬もいる」という話は、飼い主さんであれば耳にしたことがあるのではないでしょうか。初めて犬を飼ったとき、あまりの繊細さと食へのこだわりに驚くこともあります。

しかし、実は犬には「満腹中枢」という脳内機能がありません。そのため、どれだけ大量に食事を取った後でも、さらに別の物を欲しがったり、飼い主さんの隙をついて食べ物を手に入れようといたずらをすることがあります。

満腹中枢がない以上、犬は常に空腹を感じており、いつでも食べ物を欲しがってしまうのです。

野生の習性が影響

犬に満腹中枢機能がなく、満腹を感じることがない仕組みになってしまったのは、野生の習性が影響しています。

オオカミ犬の先祖はオオカミであり、オオカミとして野生で生活をするためには、いつどこで獲物が手に入り食事ができるかの予測ができません。そのため、運よく獲物(餌)を手に入れることができたときには、全てを食べ尽くすことができるように脳内の機能がこのように発達したのです。

目の前に獲物があるのにも関わらず、満腹と感じてしまっていては、せっかく手に入れた獲物を食べ残すことになってしまいます。そんな状態では不安定な野生で生活をしていくことができないのです。

獲物が目の前にある時に全てを食べ尽くし、あとはゆっくり消化させる。まだお腹が膨れている状態であっても、次の獲物を見つけたら捉えて食べる、これが野生の習性から身に付いた犬本来の食性なのです。

逆しつけ問題

ペットとして飼育される犬にも、満腹中枢機能が受け継がれているため、犬が好き嫌いや満腹を理由に食事を食べ残す、食べないということは本来であれば起こらないはずです。

しかし、実際には多く家庭が犬に関する食事の悩みを抱えています。その多くが「食べない・飽きてしまう・食べ残しをする」という内容です。

このような症状が起こっている原因の一つに、犬による「逆しつけ」があります。
本来しつけというのは、飼い主が犬に対して指示を出すことですが、この立場が逆転してしまいがちで、その状況に飼い主さんが気づいていないということがあります。

食事に関して、以下のようなことが繰り返し状態となります。

  • 愛犬が進んで食事をしない
  • 飼い主が心配そうに声を掛ける
  • 愛犬の食が進むように、別の食事を用意する、より風味に強いトッピングをしたり、ドッグフードの銘柄を切り替える
  • 愛犬が新しい食事は喜ぶものの、数日経つとまた食欲の減退が始まる

この状態は、愛犬の意思表示や指示に応じて飼い主さんが行動を起こし、愛犬の欲求を満たしている構図が成り立ちます。しかし、これを繰り返し行っていると、次第に愛犬の欲求がエスカレートし、食事を替えるサイクルが短くなっていきます。

こうなると、朝夕で異なる食事を用意しなければならなくなったり、市販のフードは全て食べ尽くしてしまい、人間の食事の取り分けでなければ食べない事態となり、深刻な状態になることも珍しくありません。
この逆しつけは、ペットとして多く飼育される小型犬のみならず、中型犬や大型犬であっても起こります。

この状態を改善をするためには、逆しつけをリセットすることが必要です。
愛犬の健康管理には食事が何より大切です。以下のことを意識し、誤った関係性を修繕し、品質・安全性を第一に考えた食生活ができるように心掛けましょう。

  • 主食となるドッグフードを一銘柄決める
  • 主食は健康上の理由がない限り、むやみに切り替えない
  • 主食を与え、食べないときにはすぐ片付ける
  • 終日、食事の入った器を置いたままにはしない
  • 人間の食事の取り分けを与えるときは、愛犬の器でいつも食事をする場所で与える

犬が餌以外を拾い食いしてしまう(誤飲・しつけ等)

飼い主さんが目を離したほんの一瞬に、愛犬が思いもよらぬものを口に入れてしまったという経験はありませんか?

子犬の頃は飼い主さんも何かと気を張り、床や愛犬の背が届く範囲には危険な物やいたずらされたくない物を置かないように心掛けますが、成長と共にいたずらの機会も減り始めると、ついつい気が緩んでしまうものです。

チョコレートを加えた犬犬は成長と共に、行動や生活全般に落ち着きが見られるようになってきますが、人間のような精神的な成長や大人になるという解釈とは意味合いが異なります。

犬の精神的な成長は、人間の3歳程度で止まります。つまり、生後1歳でも5歳であっても、中身は人間の3歳児なので、いつどのようないたずらや危険に直面するかは分かりません。

誤飲に関する事故やトラブルには、以下のようなケースがあります。

  • 飼い主が与えた15cmほどのガムを、一本丸飲みしてしまい、喉に詰まらせてしまった
  • 飼い主の指輪やアクセサリーを咄嗟に飲み込んでしまい、排便にも混ざっていない
  • 床に落ちていた画鋲や釘を飲み込んでしまった
  • 散歩中に拾い食べた物が原因で、嘔吐を繰り返している
  • パッケージに入ったままの食べ物を、そのまま食べてしまい、パッケージのビニールも飲み込んでしまった

いずれの場合も飼い主であれば、危険を感じて咄嗟に愛犬から取り上げようとしますが、愛犬も必死で歯を食いしばり、無理やり飲み込もうとします。

このように飼い主さんが必死で取り上げようとする行為は、逆に愛犬にはその危険な物が魅力的なものだと誤解させてしまう可能性があります。目上お人間が力づくで横取りに来たと考えてしまうのです。

愛犬がいったん咥えたもの、口の中に隠しているものをスムーズに取り出すには、以下のような方法があります。

  1. 物々交換に利用できる食べ物を用意します。
    (チーズ、ご飯、肉、ウインナー、何でもすぐに用意できるもの)
  2. 愛犬の注意をひきつけ、あえて細かくちぎって床にばら撒きます。
  3. ばら撒いた食べ物を拾うためには、一旦口を開ける必要があるので、その隙にさっと取り上げます。
  4. 取り上げた直後、愛犬の目に入らない場所へ隠し、注意を失せるようにします。

散歩のときは、いつこのようなトラブルが起こるか分かりませんので、常に物々交換に利用できる食べ物を少量持参しておきましょう。

薬やサプリメントを上手に摂らせる方法

犬の健康管理には、サプリメントを活用したり、日常的に投薬が必要になることがあります。犬はニオイに敏感なので、食事に混ぜても上手に除けてしまい、必要量をきちんと接種できていないことがあります。

サプリメントや薬を上手に摂らせるためには、以下のような工夫をしてみるのがおすすめです。

  • チーズ等の風味が強い食材と混ぜ、おやつとして食べさせる
  • ドッグフードをふやかして混ぜ込む
    (ふやかすことでドッグフード自体の風味が強くなるので、サプリメントや薬のニオイを軽減できます。)
  • 知育玩具に使用するペーストを購入し、ペーストに混ぜ込んで知育玩具に入れて、遊びながら食べられるように工夫する

食べなれないニオイや薬のニオイは、愛犬も警戒心を持ちます。無理に食事に混ぜることにこだわあると、次第に食事自体を警戒するようになってしまい、口をつけなくなってしまいます。
愛犬がサプリメントや薬のニオイを気にしている場合には、食事とは切り離して摂取できるよう工夫してあげることが必要です。

このように、愛犬の食事に関する悩みには「こうでなくてはならない」という固定観念を捨て、犬本来の習性にそって考えてみると意外と簡単に解決策が見つかるものです。

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