コラム

犬のケガと正しい応急処置方法

この記事は2016年3月16日の記事を再編集しました。

元気に走り回る愛犬を見て、安心はしていても心配をする飼い主さんは少ないと思います。しかし、危険はそこにこそ隠れているものです。

今回はどのような原因で犬がケガをしてしまうことが多いのか、ケガをしやすい犬種、万が一ケガをしてしまった際の応急処置方法についてを紹介します。

犬のケガと正しい応急処置方法

犬に多いケガの部位、第1位!足のケガ

素足で歩く犬は、肉球がクッションの役割をし衝撃等から身体を守り、凹凸のある道を歩くときには、足を保護する役目もしています。そのため、荒地を歩く犬と室内犬の肉球を比較すると、前者のほうが肉厚で硬い肉球になっています。

通常は肉球が靴の役目をしており、素足だからと必要以上に心配する必要はありませんが、絶対的に安心できるものではありません。

素足で歩くということは、道に落ちている危険なものを踏んでしまう可能性があります
画鋲の針が上を向いている状態で落ちていたら、肉球に刺さって出血してしまいます。他にも尖っている石やガラスの破片、ポイ捨てされたばかりの熱いタバコなど、危険なものを挙げたらキリがありません。

異物だけでなく、夏の強い日差しにさらされた地面は高温になっていますし、マンホールなんかは熱した鉄板と同じようなものなので、やけどの危険性もあります。

日常的に素足で歩くことによって犬の肉球は角質化します。角質化した肉球は、フローリング等で滑りやすく、足を骨折したり、ひび割れたところから細菌が入って炎症を起こしたりしてしまうこともあるので、注意して見ておくことも大切です。

対処方法

散歩のような外出時には、飼い主さんがしっかりと地面の様子を見て、危険を回避することはもちろん、やけどからも守ってあげる必要があります。

犬用の手足を保護するグッズ(靴等)は、たくさん販売もされているので、使用することもおすすめです。

特にケガをしやすい犬種

抜け毛が少なく体臭もあまりないトイ・プードルは、室内犬として人気のある犬種ですが、実はとても足のケガをしやすい犬種でもあります。

理由はトイ・プードルの「活発さ」です。段差のある場所でも平気でジャンプをして登ったり降りたり…。その過程で、捻挫をしたり骨折をしたりすることが多いのです。

また、落下をしたり打撲を負ったりすることで、パテラ(膝蓋骨脱臼)といった、膝のお皿の部分が脱臼(お皿がずれてしまうこと)してしまうこともあります。パテラになると痛みを伴うため、足を引きずったり、ケンケンして歩く等の症状がみられます。

トイ・プードルと同様の足のケガは、同様に活発なチワワ、骨が細く弱い傾向にあるポメラニアン等の小型犬種にも多くみられますので、段差には特に注意するようにしてください。

犬のケガ、足以外にはどんなものがある?

骨折
犬に起こりやすいケガを予め知っておくことは、その原因を取り除くこともできるため、ケガの予防にもなります。以下にまとめました。

  • 骨折
  • 骨折は、足に限らず起こり得るケガの一つです。落下、滑る、転ぶ、打撲等によるものがあります。外からは分からない場合と、骨が露出してしまう場合等、症状は様々です。

  • 誤飲
  • 犬の事故で特に多いものが、誤飲です。食べ物の匂い等のついたビニール、おもちゃ、薬類、リボンや毛糸等の紐、電池など不用意に置いていたもの、また落としてそのままにしていたもの等を口に入れてしまうことで起こります。

    誤飲は中毒症状を起こすだけでなく、窒息したり内臓を傷つけたり、薬品でやけど等をしたりといった身体内部のケガ等を引き起こすことがあるので注意が必要です。

  • 裂傷・擦過傷
  • 裂傷は、切り傷等の皮膚や内臓等が裂けてできる傷のことです。擦過傷は、表皮に摩擦や襲撃が起こることによる、いわゆる擦り傷のことです。

    これに関しては、滑ったり打撲した際に負う、動物同士でのケンカ等で負うこと等もありますが、不注意に刃物を置いていたことにより、おもちゃと勘違いしてケガを負ってしまうこともあります。

    鋭利な刃物等は、犬の目の届かないところに保管するようにしましょう。

  • やけど
  • お湯を沸かしていたヤカン等を倒したり、追い炊きしていたお風呂にフタに乗り、それが外れて中に落ちてしまったり等が原因でやけどをすることがあります。また、昨今はホットカーペットやヒーターの前に陣取って寝てしまうことで起こる、低温やけども問題視されています。

    その他、コード類等をかじって遊ぶことによる感電で、口の中をやけどすることも報告されており、これは特に子犬に多いため、コードを覆うカバーを使うなどの予防対策と注意が必要です。

  • 化膿
  • 上記で紹介したケガに共通するものとして「化膿」があります。ケガをした部分が汚れていたり、汚れた手で患部を触ってしまったりすることで細菌が付き、傷の周辺が赤く腫れる、膿が出てくる等の症状が出ます。

    犬は、患部を舐めて治そうとする場合がありますが、化膿がひどい場合には尚更悪化させてしまうことがあるので、獣医師へ相談し、場合によってはエリザベスカラー(首の周りを覆って舐められないようにする器具)を付ける、保護服を着せるなどの対応で悪化を避けるようにしましょう。

ケガをしても慌てない!

実際にケガをしてしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。

まず一つ、飼い主さんが落ち着くことが大切です。飼い主さんがオロオロしてしまっては、犬は尚更不安になってしまいますし、応急処置を正しく行えない可能性も高くなるからです。

冷静になって正しい応急処置を施し、すぐに病院に行く

これができれば、ケガの早期治癒が可能になる場合や、命が助かる確率も高くなります。ぜひ、日頃からいざという時のための心の準備もしておきましょう。

応急処置の鉄則

切り傷や出血を見ると、「まずは傷口をキレイにするために消毒をしなくては!」と思うことも多いと思います。
ネット上で検索をすると、「まずは消毒をしよう」という応急処置方法がたくさん出てきますが、これは古い方法です。「応急処置としての消毒」は、現在では全く効果がないばかりか、犬に余計痛い思いをさせてしまう行為でしかないということが分かっています。

応急処置方法

ケガをしている場合には何をすれば良いのでしょうか。

  • まずは犬を安心させる
  • ケガをしたら犬も不安になります。場合によっては興奮状態になってしまうこともあります。そうした場合、エリザベスカラーがあれば使用して傷を見せないようにする、毛布等で包む等が有効です。

    これは飼い主さんが応急処置をするときに、逆に興奮した犬からケガを負わないようにする工夫でもあります。

  • ケガ部分の汚れを落とす
  • ケガの部分が汚れているのであれば、流水等で汚れを可能な範囲で落とします。しかし、出血が多い場合には、この限りではありません。

    ※消毒に注意!!
    消毒を人間と同じ感覚でするのは禁物です。人間と同じ消毒は刺激が強く、逆に犬に苦しい思いをさせてしまいますし、舐めてしまった場合、身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。

    消毒液は使用せず、流水やぬるま湯で洗い流すようにし、様子を見ながら生理食塩水を使うことで菌から守ることができます。

  • 出血を止める
  • 出血が多い場合には、汚れを落とすことよりもこちらが優先されます。なるべくケガをした皮膚が露出するように被毛を避けて、傷口を清潔なガーゼ等の布で圧迫して止血します。

    血が止まらない場合には、ケガの部位よりも心臓に近い部分を包帯等を少し強めに巻くことで止血します。この時、強く巻きすぎると壊死等の別症状が出ることがあるので、すぐに病院で診てもらうことが前提です。

  • やけどの場合は冷やすことが鍵
  • やけどをしてしまった場合は、まず患部を冷やすことです。これは時間勝負となります。やけどを負ってから、早ければ早いほど効果があるからです。

    方法は、流水を患部に当てる、冷えた水(水+氷等)をビニール等に入れて、患部を減菌ガーゼ等で覆い、その上から当てる等があります。後者の方法はやけどが広範囲の場合や、病院に行くまでの間の処置としても有効です。

    また、やけどの場合には患部を擦らないようにすることも大切です。病院に行く前にやけど薬を塗る等の処置は避けるようにしましょう。

    応急処置後はすぐに病院へ

    応急処置をした後は、動物病院を受診しましょう。応急処置によって状態が良くなり、愛犬自身も落ち着いている場合、「このままでも大丈夫」と判断してしまいがちですが、安心するのは獣医師の診察を受けてからにしましょう。

    何となく大丈夫そうに見えても、実は患部で菌が悪さをしていて、時間の経過と共に状態が悪化し、傷口が化膿してしまったということもあります。そうなると、愛犬が今以上につらい思いをすることになってしまいます。

    応急処置はあくまで、その場しのぎのものに過ぎません。処置をした後はすぐに病院へ行くことが肝心です。また、先述でお話しした応急処置は、緊急時の対処方法なので、かかりつけの動物病院の医師に応急処置についても電話で聞くことができるのであれば、医師の指示を優先するようにしてください。

    尚、現在は擦り傷や裂傷等を伴うケガの場合、傷口を乾かすのではなく、湿潤療法といって湿らせておくことで治す方法が取られることも多くなっています。

    この方法だと、傷口を保護するために巻いていた包帯がかさぶたにくっついて剥がれなくなる…等ということもなく、やけどの場合も痛みが軽減され、完治した時に傷口が目立たなくなる等のメリットもあります。

    動物の負担が少ない湿潤療法を採用している病院と、旧来の方法を支持している病院がありますので、湿潤療法が希望の場合には、近隣の病院を予め調べておくと良いでしょう。

    犬のケガとペット保険

    犬がケガをした場合に「ペット保険はケガにかかった費用が全額出るのか」ということが気になるところです。

    ケガをした場合の治療費は、契約内容にケガの項目が含まれていれば保険金の対象となります。今回ケガをしやすい犬種の項目で出てきた、小型犬に多い「パテラ」に関しても対象になり、中には補償開始後に初めて診断されて知った場合、先天性のものも対象としてくれる保険もありますので要チェックです。

    また、治療費の中には含まれない、犬用の車椅子等の補助器具購入費用が対象となる保険の特約等もあります。

    そして、万が一飼い犬が他人のペットや人にケガをさせてしまったという場合にも、「ペット賠償責任特約」が付いていれば、損害賠償額も限度額内で補償されます。

    いざという時のために、応急処置方法を知っておくことはもちろん、加入していれば「治療費等の高額出費にも悩まず済む」というメリットのあるペット保険についても、ぜひ検討してみてください。

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